日本は第2次世界大戦で敗戦して以降70年以上にわたり防御的目的の防衛政策を追求した。敵を攻撃する「矛」の役割は米国に一任し、より大きくて丈夫な盾を築くことに注力した。しかし岸田文雄首相は昨年12月、こうした防衛政策の大転換を図る決定をした。閣議で安全保障関連3文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)を改定したが、ミサイル発射拠点など敵の基地を攻撃できる「反撃能力」保有を明記した。
6日の韓日ビジョンフォーラムでは外交・安保分野の専門家12人が集まり、日本の安保文書改定が韓半島安保秩序に及ぼす影響を議論した。出席者は日本が反撃能力の保有を宣言した背景に▼北朝鮮の核・ミサイル高度化など周辺国の軍事的脅威の増大▼米中競争の中での新冷戦加速化▼中国による台湾武力統一の脅威--など、厳重な国際安保環境などを挙げた。そして「日本の安保文書改定が韓半島(朝鮮半島)の安保に及ぼす否定的な影響を最小化し、韓日安保協力を強化すべきだ」と提言した。
◆朴栄濬(パク・ヨンジュン)国防大教授の主題発表の要約
岸田首相は最近、国会で安保3文書の改定を「戦後安保政策の大転換」と説明した。日本の世論調査では反撃能力の保有に対する支持世論が反対世論を上回っている。ただ、防衛費増額と関連し、今後5年以内に国防費を国内総生産(GDP)比2%まで引き上げることには反対世論が多数を占める。
日本が安保戦略や武器体系の変化を追求するのは、北朝鮮と中国の軍事的動向を脅威と見ているからだ。特に中距離投射と打撃能力を保有することになるが、これは従来の「拒否的抑止」概念が「報復的抑止」戦略に変化することを意味する。また吉田ドクトリン(安保問題は米国に依存して軍事予算は最小限の費用を支出し、経済発展に国家の力量を集中する政策)の国家戦略下で表明された非軍事化規範のうち「非核三原則」を除いた多くの部分は有名無実になった。
周辺国の反応をみると、北朝鮮は激しく反対し、米国は先月の日米首脳会談で歓迎する立場を明らかにした。特に米国は日本の国防力強化とインド太平洋戦略との連係性を見いだそうとするようだ。韓国国内では賛否が分かれるが、一部では自衛隊の反撃能力保有を通して日本が戦争可能な国になるのは韓半島に脅威だと評価する。一方では、自衛隊の強化が韓国の安保能力強化にプラスになり、韓米同盟強化にも寄与するとみている。
こうした変化が韓半島に及ぼす影響はまず、反撃能力の保有で中国と北朝鮮に対する日本のミサイル攻撃対応が可能になったという点だ。この場合、日本は韓国との事前相談が不必要という立場だ。すなわち、日本が韓国の同意なく北朝鮮に対して反撃能力を行使する可能性が高まった。韓半島有事を仮定して、シナリオ別に韓日および韓日米がどう対応して協力するのか、政策協議をする必要がある。また日本の反撃能力保有が韓国の安全保障に不利益にならない方向で、対日政策と外交・安保政策を講じなければいけない。
◆日本、中朝へのミサイル反撃の道開く
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使=日本の安保3文書改定は、これまで守ってきた平和憲法上の専守防衛原則をほとんど形骸化する意味を持つ。こうした措置でウクライナ戦争以降の中露朝-韓日米の対立構図はさらに強化されるのはもちろん、韓半島有事での日本の役割がどれほど拡大するかという具体的な問題が台頭した。2027年と予想される台湾事態に韓米または韓日米レベルでどのような形で介入あるいは関与するかという問題も提起される。
キム・ドゥスン国防研究院責任研究委員=安保文書改定に関連し、日本は東シナ海と南シナ海、台湾海峡で提起される中国の脅威と攻勢的な軍事活動に強い懸念を表明した。懸念されるのは、日米両国がこのように南西地域に集中することで(北朝鮮の核問題など)韓半島安保状況が軽視されかねない点だ。また有事の際、日本が北朝鮮を攻撃したり、南北間の軍事的衝突が発生して韓米連合戦力が動く場合、日本が集団的自衛権レベルで状況に関与すれば、これは我々が統制できない状況につながる可能性がある。
キム・ミンソク中央日報論説委員=日本の軍事力は韓半島有事の際、国連軍と在日米軍を支援する核心だ。憲法上、北朝鮮は大韓民国の領土であり、日本が北朝鮮に対して反撃能力を行使する場合、これを大韓民国に対する攻撃で見なすべきかに対する法的問題があるが、これとは別に日本の反撃能力保有は安保的に韓国に有利な状況になり得る。
6日の韓日ビジョンフォーラムでは外交・安保分野の専門家12人が集まり、日本の安保文書改定が韓半島安保秩序に及ぼす影響を議論した。出席者は日本が反撃能力の保有を宣言した背景に▼北朝鮮の核・ミサイル高度化など周辺国の軍事的脅威の増大▼米中競争の中での新冷戦加速化▼中国による台湾武力統一の脅威--など、厳重な国際安保環境などを挙げた。そして「日本の安保文書改定が韓半島(朝鮮半島)の安保に及ぼす否定的な影響を最小化し、韓日安保協力を強化すべきだ」と提言した。
◆朴栄濬(パク・ヨンジュン)国防大教授の主題発表の要約
岸田首相は最近、国会で安保3文書の改定を「戦後安保政策の大転換」と説明した。日本の世論調査では反撃能力の保有に対する支持世論が反対世論を上回っている。ただ、防衛費増額と関連し、今後5年以内に国防費を国内総生産(GDP)比2%まで引き上げることには反対世論が多数を占める。
日本が安保戦略や武器体系の変化を追求するのは、北朝鮮と中国の軍事的動向を脅威と見ているからだ。特に中距離投射と打撃能力を保有することになるが、これは従来の「拒否的抑止」概念が「報復的抑止」戦略に変化することを意味する。また吉田ドクトリン(安保問題は米国に依存して軍事予算は最小限の費用を支出し、経済発展に国家の力量を集中する政策)の国家戦略下で表明された非軍事化規範のうち「非核三原則」を除いた多くの部分は有名無実になった。
周辺国の反応をみると、北朝鮮は激しく反対し、米国は先月の日米首脳会談で歓迎する立場を明らかにした。特に米国は日本の国防力強化とインド太平洋戦略との連係性を見いだそうとするようだ。韓国国内では賛否が分かれるが、一部では自衛隊の反撃能力保有を通して日本が戦争可能な国になるのは韓半島に脅威だと評価する。一方では、自衛隊の強化が韓国の安保能力強化にプラスになり、韓米同盟強化にも寄与するとみている。
こうした変化が韓半島に及ぼす影響はまず、反撃能力の保有で中国と北朝鮮に対する日本のミサイル攻撃対応が可能になったという点だ。この場合、日本は韓国との事前相談が不必要という立場だ。すなわち、日本が韓国の同意なく北朝鮮に対して反撃能力を行使する可能性が高まった。韓半島有事を仮定して、シナリオ別に韓日および韓日米がどう対応して協力するのか、政策協議をする必要がある。また日本の反撃能力保有が韓国の安全保障に不利益にならない方向で、対日政策と外交・安保政策を講じなければいけない。
◆日本、中朝へのミサイル反撃の道開く
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使=日本の安保3文書改定は、これまで守ってきた平和憲法上の専守防衛原則をほとんど形骸化する意味を持つ。こうした措置でウクライナ戦争以降の中露朝-韓日米の対立構図はさらに強化されるのはもちろん、韓半島有事での日本の役割がどれほど拡大するかという具体的な問題が台頭した。2027年と予想される台湾事態に韓米または韓日米レベルでどのような形で介入あるいは関与するかという問題も提起される。
キム・ドゥスン国防研究院責任研究委員=安保文書改定に関連し、日本は東シナ海と南シナ海、台湾海峡で提起される中国の脅威と攻勢的な軍事活動に強い懸念を表明した。懸念されるのは、日米両国がこのように南西地域に集中することで(北朝鮮の核問題など)韓半島安保状況が軽視されかねない点だ。また有事の際、日本が北朝鮮を攻撃したり、南北間の軍事的衝突が発生して韓米連合戦力が動く場合、日本が集団的自衛権レベルで状況に関与すれば、これは我々が統制できない状況につながる可能性がある。
キム・ミンソク中央日報論説委員=日本の軍事力は韓半島有事の際、国連軍と在日米軍を支援する核心だ。憲法上、北朝鮮は大韓民国の領土であり、日本が北朝鮮に対して反撃能力を行使する場合、これを大韓民国に対する攻撃で見なすべきかに対する法的問題があるが、これとは別に日本の反撃能力保有は安保的に韓国に有利な状況になり得る。
この記事を読んで…