#.先月、米ワシントンのホワイトハウスの前庭に暖房施設が備わった大型テントが設置された。マクロン仏大統領との夕食会に招待された約400人の客を迎えるための施設だった。行事場所はフランス国旗の色の赤・青・白の花で装飾され、テーブルにはフランス製のワイングラスが置かれた。米国がオーストラリアに原子力潜水艦を支援したことでフランスがオーストラリアと締結した潜水艦建造契約が破棄されたほか、インフレ抑制法(IRA)で欧州産自動車が差別を受けることになり、フランスでは不快感が広がっている状況だった。
バイデン大統領はマクロン大統領と執務室で2時間も対話し、「欧州を指揮する指導者」というリップサービスも惜しまなかった。そのためか、会談前に「IRAは非常に攻撃的な制度」と毒舌を振るっていたマクロン大統領の雰囲気も変わった。確実な結論はなかったが、IRAへの言及は消え、共同会見ではバイデン大統領に向かうフランス記者の鋭い質問にむしろ本人が代わりに答えたりもした。会談後には「懐疑的なにおいばかりを残したブロマンス」(ニューヨークタイムズ)という評価も出てきた。
#.先週、岸田文雄首相がワシントンを訪問した。夫人が同行しない実務訪問であり、バイデン大統領と会った時間は会談60分、昼食を交えた拡大会合54分がすべてだった。ホワイトハウスで会った日本の特派員にあまりにも短いのではと尋ねたところ、「お互い反対することがほとんどなかったからだろう」と答えた。実際、バイデン大統領も会談中、「私たちがどこでどのように隔たりがあったかを捜すのが難しいほど」とし、緊密な関係を誇示した。日本の立場では短い時間に得るものをすべて得たという評価だ。反撃能力を備える新しい防衛戦略に米国は全面的な支持を表し、核を含むあらゆる手段で日本を守るという約束も再確認した。
大統領室は今年、韓米同盟70周年を迎え、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪米を推進すると明らかにした。ワシントンでは大統領夫妻が共に招待されるマクロン式の国賓訪問を打診しているという話がすでに聞こえる。前任大統領ができなかった上下院合同演説も進めるという。しかし米国の納税者のお金でする国賓訪問は米国与党内でも反発が強い。上下院合同演説のためには分裂した議会を一つ一つ説得しなければいけない。韓国の立場ではIRAだけでなく、最近浮上した独自の核武装イシューなど、隔たりを狭めるのが難しい懸案が多い。米国の対中国牽制に日本のように歩調を合わせるのも難しい。
韓国に必要な訪米はマクロン式だろうか、岸田式だろうか。もちろん待遇と実利を共につかめればよいが、我々の外交力をどこに集中するのかを考慮すべき時だ。
キム・ピルギュ/ワシントン特派員
バイデン大統領はマクロン大統領と執務室で2時間も対話し、「欧州を指揮する指導者」というリップサービスも惜しまなかった。そのためか、会談前に「IRAは非常に攻撃的な制度」と毒舌を振るっていたマクロン大統領の雰囲気も変わった。確実な結論はなかったが、IRAへの言及は消え、共同会見ではバイデン大統領に向かうフランス記者の鋭い質問にむしろ本人が代わりに答えたりもした。会談後には「懐疑的なにおいばかりを残したブロマンス」(ニューヨークタイムズ)という評価も出てきた。
#.先週、岸田文雄首相がワシントンを訪問した。夫人が同行しない実務訪問であり、バイデン大統領と会った時間は会談60分、昼食を交えた拡大会合54分がすべてだった。ホワイトハウスで会った日本の特派員にあまりにも短いのではと尋ねたところ、「お互い反対することがほとんどなかったからだろう」と答えた。実際、バイデン大統領も会談中、「私たちがどこでどのように隔たりがあったかを捜すのが難しいほど」とし、緊密な関係を誇示した。日本の立場では短い時間に得るものをすべて得たという評価だ。反撃能力を備える新しい防衛戦略に米国は全面的な支持を表し、核を含むあらゆる手段で日本を守るという約束も再確認した。
大統領室は今年、韓米同盟70周年を迎え、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪米を推進すると明らかにした。ワシントンでは大統領夫妻が共に招待されるマクロン式の国賓訪問を打診しているという話がすでに聞こえる。前任大統領ができなかった上下院合同演説も進めるという。しかし米国の納税者のお金でする国賓訪問は米国与党内でも反発が強い。上下院合同演説のためには分裂した議会を一つ一つ説得しなければいけない。韓国の立場ではIRAだけでなく、最近浮上した独自の核武装イシューなど、隔たりを狭めるのが難しい懸案が多い。米国の対中国牽制に日本のように歩調を合わせるのも難しい。
韓国に必要な訪米はマクロン式だろうか、岸田式だろうか。もちろん待遇と実利を共につかめればよいが、我々の外交力をどこに集中するのかを考慮すべき時だ。
キム・ピルギュ/ワシントン特派員
この記事を読んで…