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<チャイナインサイト>台湾海峡に火がつけば韓半島は無事か(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◇韓半島(朝鮮半島)は台湾海峡危機と無関係か

米中覇権競争の下で台湾海峡と韓半島の安保的連係は避けられない。台湾海峡の緊張が韓半島に及ぼす影響はいくつかに分けて整理することができる。第一に、中国の北朝鮮政策が理念・革命の連帯を強調する過去に回帰している。2019年習近平の平壌(ピョンヤン)訪問以降、新たな次元の「抗米援朝」戦線が再建されている。台湾問題で苦しめられている中国が米国を困らせるために北朝鮮ほどのカードが他にない。

第二に、韓半島の平和・安定のための米中協力は当面再開が難しい。バリでバイデンは北朝鮮の武力示威が続けば米国の軍事力増強が避けられないことを強調して中国の積極的役割を注文したが、習近平は問題の「核心」を見ろと反問した。これは北朝鮮の不満を冷遇・圧迫して中国の参加まで要求するのは不当だということだ。中国としては米国が台湾問題で「大胆に」譲歩しない限り、韓半島問題には協力しないだろう。


第三に、台湾海峡の武力衝突時、米国の軍事的介入の可能性と在韓米軍の役割検討が避けられない。習近平が台湾に対して制限的軍事衝突を起こす可能性を排除することはできない。米国も台湾海峡の軍事的衝突の可能性と在韓・在日米軍の役割を多角的に検討中だ。

現在、北朝鮮の非核化に対する中国の意志と能力は大きく弱まり、国際世論を意識して真剣味に欠ける韓半島非核化に言及するだけだ。北朝鮮提案の大胆さを説明する尹大統領に「北朝鮮の意向がカギ」という習近平の口ぶりは多くのことを示唆している。習近平は北朝鮮の核心要求が考慮されていない一方的な大胆さは、結局国内政治を考慮した自己誇示にすぎないと考えているようだ。北朝鮮が呼応すればその時に協力するという面皮性発言にも習近平の意中がよく表れている。

結局、米中覇権競争によって触発された台湾海峡、韓半島の安全保障不安を管理するための関連国家の実効性ある対話と協力が必要だ。偏狭な自国利益と国内政治的計算に陥没した対外戦略の成功は難しい。特に「戦争と平和」の問題を一部の国家あるいは特定政治勢力が独占してはいけない。北東アジア国際秩序の構造的特性上、ある地域の軍事的衝突が彼らだけの問題で終わらないためだ。「米国式」「中国式」の体制と価値を前面に押し出した覇権競争下で、台湾海峡と韓半島の戦争と平和は一体だ。外交安保的な知恵と実力が切実な時点だ。

◆台湾の子犬が通るところも知っているという日本

米中覇権競争の巨大な陰に隠れて台湾問題に対する日本要因を見逃しやすい。日本という変数は思ったよりも大きく、台湾問題の去就に決定的な要因として作用する可能性がある。その理由は、第一に台湾問題生成の発生源が清朝の没落を操り上げた日清戦争まで遡るためだ。下関条約(日清講和条約、1895年4月)以降、日本は50年間台湾を植民支配した。日本が台湾問題に割り込むたびに中国は日本の「原罪」を指摘して反省しろと非難する。日本に南北分断の原罪を問う我々のケースと似ている。

第二に、日本に対する台湾社会の全般的な認識が非常に肯定的だ。我々が植民支配の残滓収拾にまだ苦しんでいる反面、台湾には「親日清算」の雰囲気がほとんど存在しない。指導層と一般国民を問わず、日本と台湾の情緒的連帯は非常に厚い。蔡総統が参加する公式行事で安倍元首相の逝去を哀悼する黙祷を挙行するほどだ。日本は台湾の子犬が通るところも知っているとし、台湾問題を自分のことのように感じている。

第三に、米中覇権競争に関連した日米同盟強化の過程で台湾問題に対する日本の影響力が増大している。中国の制御に焦る米国は日本の軍事力増強を容認し、日本はこれを戦争できる「普通国家」に変身できる絶好の機会とみなしている。特に台湾と隣接した周辺島しょ地域の軍事施設が強化される場合、台湾海峡有事の際に無視できない戦略的変数として作用するだろう。

このように歴史、相互認識、安保的に台湾問題と日本要因は不可分の関係がある。中国が漸増する日本要因に極度に敏感に反応する理由だ。特に中国は地域覇権に対する日本の野心、米国の全面的な支持、台湾の根深い親日情緒が一つになって台湾問題解決の障害物として作用するかもしれない点に警戒している。執権第3期をスタートさせた習近平が台湾問題解決のために敵対しなければならない相手はなにも米国だけではない。もしかしたら日本のほうが執拗に中国を困らせることになるかもしれない。

ム・ヌンホ/漢陽大国際学大学院中国学科教授


<チャイナインサイト>台湾海峡に火がつけば韓半島は無事か(1)

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