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【コラム】きわどい大韓民国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国家アイデンティティー問題で大韓民国が持つ最も大きな弱点の原因は、自分たちが自分たちの血を流して自分たちの力で解放を成し遂げられなかったという点だ。それで我々は、他の国でなくなぜ大韓民国であるべきかについて共通した信念を抱くのが難しかった。

大韓民国はさておき、なぜ国家でなければいけないのかに対する合意も成し遂げられないのがさらに根本的な問題だ。したがって非常に有力な政治勢力の一つが国家よりも民族を前に出す未成熟状態を大きな政治的な資産にしたりもする。こうした勢力はまだ国家を利益共同体と見ることができず、民族共同体として受け入れる。解放のかなり前から世界の国家はほとんどが国民国家体制になったが、国民国家体制の中に暮らしながら民族国家を目指す不一致を採択し、大韓民国の利益よりも民族の利益に没頭した。ついには民族の正統性を北朝鮮に置き、大韓民国のアイデンティティーを否定することを正しいものと包装しながら、大韓民国の国民として堂々と生きる人たちがいる。「民族」観念を国民の接着剤でなく大韓民国のアイデンティティーを否定する触媒として使用する政治勢力が強力に存在するのは、大韓民国のアイデンティティーに深刻な問題が依然として存在することを見せている。

この人たちには大韓民国の批判は大韓民国の発展のための批判でなく、北朝鮮を正当化して北朝鮮に向かう自身を正当化する批判だった。北朝鮮がどれほど強硬な独裁体制なのか、どれほど凄惨に人権が抑圧される体制なのか、どれほど貧しい体制なのか、大韓民国にどれほど強い敵対性を見せる体制なのかは全く関係ない。そのため朴正熙(パク・ジョンヒ)元大統領を批判して金日成(キム・イルソン)主席の懐に抱かれ、李明博(イ・ミョンバク)元大統領を批判して金正日(キム・ジョンイル)総書記に引き込まれてしまう。挙句の果てにはセウォル号被害支援費を受けて北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の新年の辞を学習をすることが大韓民国の税金で行われる。これが正義と平和として包装されるのは、大韓民国の包容性でなく明らかに脆弱性を表す。


大韓民国が形成されるうえで最も重要なモチーフは共産主義との対決だったが、これがやや緩まってずっと大韓民国の脆弱性の原因として作用する。当時の共産主義は今の我々が理解しているものよりもはるかに脅威だった。ヒトラーさえも「共産主義撲滅」を1928年の総選挙から前に出すことで、当初は2.6%という低い得票率だったが最終的にはドイツ国民の心をつかむことに成功した。それほど共産主義は国際政治の大きな問題だった。李承晩(イ・スンマン)大統領は共産主義との戦いに勝って自由民主主義国家の大韓民国のアイデンティティーを確立した。北朝鮮に民族の正統性を置きながら大韓民国のアイデンティティーを脅かす政治勢力は、まだ当時の左派系列や左右合作を主張した系列に未練を捨てられずにいるが、これはすなわち共産主義に対する未練を捨てていないということだ。なぜなら、当時の雰囲気で左右合作は中国の国共合作のように共産化を意味したからだ。大韓民国でまだ国父問題が解決されないのは、合理的または正しい決定を合意する過程なのではなく、国家アイデンティティー問題で大韓民国の脆弱性を見せるだけだ。


【コラム】きわどい大韓民国(2)

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