2月に勃発したロシアとウクライナの戦争は韓国にどんな影響を及ぼしているか。9カ月近く続いた戦争で世界秩序が変化し、韓国外交が3つの挑戦に直面したという分析が出てきた。18~19日にソウル市内のホテルで韓国ユーラシア学会と韓神(ハンシン)大学ユーラシア研究所が共同主催した「ウクライナ戦争と世界:国、地域、国際秩序」を主題にした国際学術会議でだ。
この日提案を務めた韓国外国語大学ロシア語科のチェ・ソンフン教授は「ロシアとウクライナの戦争は世界秩序変化の本格的な信号弾」と強調した。「中国の経済的地位が高まり、米国式自由主義国際秩序の衰退で一極体制が死亡宣告を受けた中で気候危機とパンデミックが覇権不可能の時代を開いた」と主張しながらだ。「ロシアとウクライナの戦争は一極体制維持のため覇権国の出現を阻止しようとする米国と、多極体制形成に向け覇権国になろうとするロシアが衝突したもの」というのがチェ教授の分析だ。
チェ教授は「米国が覇権を他の強大国と共有することを望まない状況で、ロシアや中国など挑戦国家が米国例外主義を強く批判する傾向がウクライナ戦争を契機に拡散している。ウクライナ侵攻後に対ロシア制裁に参加した国は49カ国だけだ。米国の意図通りに動かない国がさらに多くなった」と主張した。
◇試験台に上がった韓国外交
チェ教授はロシアとウクライナの戦争で韓国外交が3つの側面で試験台に上がったと分析した。まず北東アジアで日米対中ロの対立構図が明確になり、韓国が外交的自律性を失っていると指摘した。彼は「30年以上韓国は北方三角と南方三角の対立構図弱化を通じて外交的自律性を確保しようとしてきた。韓国が米国主導の対ロシア制裁に参加しロシアは韓国を非友好国に指定した。万一ここで韓国がロシアとの関係を放棄することになれば対立構図はさらに深化するだろう」と予想した。
チェ教授は「北朝鮮の核兵器放棄の可能性はほとんど消えた」とも話した。ロシアと中国が当面は韓半島(朝鮮半島)の非核化に気を回す余力がない点を狙って北朝鮮が核兵器とミサイルの開発を続け、結局核保有を前提に米国と軍縮交渉を試みるというのが彼の予測だ。チェ教授は「韓国も北朝鮮の核保有を事実上前提にして韓半島平和プロセスの代案を探さなければならない状況に置かれかねない」と話した。このため韓国国内でバランス外交論が力を失い、同盟強化論に圧倒的な影響力ができる可能性が大きくなったともした。チェ教授は「南北ともに敗者になる、戦争を防止するためには2つの論理の間の均衡が重要だ。同盟強化論に過度に力付けられれば同盟が参加する戦争にかかわる危険が大きくなり、安全保障ジレンマによって戦争の可能性が高くなりかねない」と分析した。
チェ教授は「ウクライナとロシアは2013年には貿易投資などで緊密な協力関係を維持していたが結局戦争が起きた。協力を通じた経済的利益がいくら大きくても安保ジレンマ状況が持続すれば戦争が勃発しかねない」と指摘した。彼は「壬辰倭乱(文禄慶長の役)は朝鮮が勝利した戦争だが韓国人は勝利した戦争と記憶していない。安保ジレンマ状況を解消し戦争につながることを防がなければならない」と発表を締めくくった。
◇「外交に原則立てて対応すべき」
続く討論でカトリック大学国際学部のマ・サンユン教授はチェ教授の提案と反対の分析を提示した。「世界秩序が多極体制形成に進む」というチェ教授の主張に反論しながらだ。マ教授は「新しいパワーバランスを形成しようとするロシアと中国などBRICs諸国が勢力の極を作るとみるのは難しい。米国式秩序に挑戦する共同隊列も形成されなさそうだ。無制限の協力に互いに合意した中国とロシアすらもウクライナ戦争をめぐり異なる立場を見せている」と指摘した。
マ教授は続けて「韓国はバランス外交論と同盟強化論の間でバランスを取らなければならない」としながらも、「中堅国の韓国が原則を立ててこれに立脚した対応をするのが望ましい」と主張した。ロシアとの関係において慎重に発展を図るのが現実的に難しい点に言及しながらだ。特に韓国政府がウクライナに対する兵器支援とロシアとの経済協力などに対して明確な原則と立場を定めなければならないと強調した。「今年初めに国際社会の対ロシア制裁参加をめぐり韓国政府が立場表明を遅らせる間にロシアと取引していた韓国企業が困難に陥った」というのが彼の話だ。
マ教授は「韓国が主要防衛産業輸出国になったため兵器輸出関連原則を設ける必要性はさらに大きくなった。例えば「交戦中の国には攻撃用兵器に限定して禁止する」などの原則を立てる必要がある」と話した。
この日提案を務めた韓国外国語大学ロシア語科のチェ・ソンフン教授は「ロシアとウクライナの戦争は世界秩序変化の本格的な信号弾」と強調した。「中国の経済的地位が高まり、米国式自由主義国際秩序の衰退で一極体制が死亡宣告を受けた中で気候危機とパンデミックが覇権不可能の時代を開いた」と主張しながらだ。「ロシアとウクライナの戦争は一極体制維持のため覇権国の出現を阻止しようとする米国と、多極体制形成に向け覇権国になろうとするロシアが衝突したもの」というのがチェ教授の分析だ。
チェ教授は「米国が覇権を他の強大国と共有することを望まない状況で、ロシアや中国など挑戦国家が米国例外主義を強く批判する傾向がウクライナ戦争を契機に拡散している。ウクライナ侵攻後に対ロシア制裁に参加した国は49カ国だけだ。米国の意図通りに動かない国がさらに多くなった」と主張した。
◇試験台に上がった韓国外交
チェ教授はロシアとウクライナの戦争で韓国外交が3つの側面で試験台に上がったと分析した。まず北東アジアで日米対中ロの対立構図が明確になり、韓国が外交的自律性を失っていると指摘した。彼は「30年以上韓国は北方三角と南方三角の対立構図弱化を通じて外交的自律性を確保しようとしてきた。韓国が米国主導の対ロシア制裁に参加しロシアは韓国を非友好国に指定した。万一ここで韓国がロシアとの関係を放棄することになれば対立構図はさらに深化するだろう」と予想した。
チェ教授は「北朝鮮の核兵器放棄の可能性はほとんど消えた」とも話した。ロシアと中国が当面は韓半島(朝鮮半島)の非核化に気を回す余力がない点を狙って北朝鮮が核兵器とミサイルの開発を続け、結局核保有を前提に米国と軍縮交渉を試みるというのが彼の予測だ。チェ教授は「韓国も北朝鮮の核保有を事実上前提にして韓半島平和プロセスの代案を探さなければならない状況に置かれかねない」と話した。このため韓国国内でバランス外交論が力を失い、同盟強化論に圧倒的な影響力ができる可能性が大きくなったともした。チェ教授は「南北ともに敗者になる、戦争を防止するためには2つの論理の間の均衡が重要だ。同盟強化論に過度に力付けられれば同盟が参加する戦争にかかわる危険が大きくなり、安全保障ジレンマによって戦争の可能性が高くなりかねない」と分析した。
チェ教授は「ウクライナとロシアは2013年には貿易投資などで緊密な協力関係を維持していたが結局戦争が起きた。協力を通じた経済的利益がいくら大きくても安保ジレンマ状況が持続すれば戦争が勃発しかねない」と指摘した。彼は「壬辰倭乱(文禄慶長の役)は朝鮮が勝利した戦争だが韓国人は勝利した戦争と記憶していない。安保ジレンマ状況を解消し戦争につながることを防がなければならない」と発表を締めくくった。
◇「外交に原則立てて対応すべき」
続く討論でカトリック大学国際学部のマ・サンユン教授はチェ教授の提案と反対の分析を提示した。「世界秩序が多極体制形成に進む」というチェ教授の主張に反論しながらだ。マ教授は「新しいパワーバランスを形成しようとするロシアと中国などBRICs諸国が勢力の極を作るとみるのは難しい。米国式秩序に挑戦する共同隊列も形成されなさそうだ。無制限の協力に互いに合意した中国とロシアすらもウクライナ戦争をめぐり異なる立場を見せている」と指摘した。
マ教授は続けて「韓国はバランス外交論と同盟強化論の間でバランスを取らなければならない」としながらも、「中堅国の韓国が原則を立ててこれに立脚した対応をするのが望ましい」と主張した。ロシアとの関係において慎重に発展を図るのが現実的に難しい点に言及しながらだ。特に韓国政府がウクライナに対する兵器支援とロシアとの経済協力などに対して明確な原則と立場を定めなければならないと強調した。「今年初めに国際社会の対ロシア制裁参加をめぐり韓国政府が立場表明を遅らせる間にロシアと取引していた韓国企業が困難に陥った」というのが彼の話だ。
マ教授は「韓国が主要防衛産業輸出国になったため兵器輸出関連原則を設ける必要性はさらに大きくなった。例えば「交戦中の国には攻撃用兵器に限定して禁止する」などの原則を立てる必要がある」と話した。
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