習近平国家主席が中国共産党総書記3期目入りに成功したが、中国経済の不確実性は晴れずにいる。継続するゼロコロナ政策が中国経済の足を引っ張っている中で韓国の対中貿易は9月に黒字に戻ったが先月は再び赤字を記録した。韓中ビジョンフォーラムは7日にソウル市内で第15回会合を持ち、「習近平執権3期の中国経済と韓国の対中貿易赤字」について探った。
▽パク・ギスン成均館大学中国大学院教授(提案)=習近平執権3期目が本格化する2023年の中国経済の見通しに向けては、まずゼロコロナ政策持続の有無を見なければならない。中国当局は「コロナを抑えてこそ経済が安定する」という論理を展開しており、習近平主席も現在の中国の防疫政策を肯定的に評価しているためゼロコロナ政策が簡単に変わる兆しはない。ここに地方政府の財政収入の40~50%を占める不動産の沈滞と米国の対中制裁持続、そして先月の第20回党大会後の外資の脱中国の動きなどはいずれも中国経済に悪材料として作用している。われわれが注視すべきことは西側企業が中国からの全面的撤収ではなく「China+1」戦略を駆使している点だ。中国を中心にはするがインドやベトナムなどに代替生産基地を作るものだ。中国経済が振るわない中で韓国は5~8月の4カ月連続に続き10月にもまた対中貿易赤字を記録した。韓国の主力品目である半導体輸出不振に中国から輸入する中間財の割合が高まったためだ。中国の輸出増加にもかかわらず、韓国の対中輸出は減少傾向を見せているが、これは韓国の中間財の輸出競争力が弱まったということを語っている。
ここで台湾の教訓を振り返る必要がある。台湾は中国と一触即発の対立状況にもかかわらず、貿易では対中黒字を維持している。台湾の蔡英文総統が「技術がすなわち台湾安保の保障弁」としながら親市場・親企業政策を展開した結果、台湾が技術強国に生まれ変わったと評価される。台湾は半導体関連大学院の新入生を1年に1度でなく6カ月ごとに選抜する。半導体学科の定員も増やすことができないでいる韓国とは大きく対照的だ。韓国としては米国との技術同盟強化を通じて技術流入を円滑にするなど技術資産の蓄積が急がれる。中国に対する韓国の技術超格差維持が生きる道だ。中国が技術を持つようになれば中国市場はこれ以上われわれの市場ではない。
▽辛正承(シン・ジョンスン)元駐中大使(司会)=習近平主席が党大会の業務報告で共同富裕とゼロコロナ防疫に言及し、また政治局常務委員会構成を自身の腹心一色にしたことなどを見ると、既存の中国の反市場的な政策に大きな変化はないものとみられる。その結果中華圏の証券市場が急落するなど否定的な市場の反応が出ている。韓国の対中貿易赤字は2国間次元というよりはグローバル次元の問題とみられるが、こういう現象が一時的なものなのか、そうでなければ構造的に変化したものかに対する診断とともに韓国政府と企業がどのように対応すべきなのかに対する議論を進めるようにしたい。
▽チャン・サンシク韓国貿易協会国際貿易通商研究員動向分析室長=対中貿易赤字は予想されていたものだった。半導体を除けば昨年から赤字だった。韓国が半導体錯視現象のため中国をまともに見られなかった側面が大きい。輸出は半導体、ディスプレー、化粧品などで大きく減り、輸入は水酸化リチウムや炭酸リチウムのようなバッテリーと関連して大きく膨らんだ。問題は韓国の対中輸出が減りシェアがさらに減った点だ。韓国の輸出は中国の国内需に大きく左右されるが、来年中国の内需が改善すれば韓国の輸出状況は良くなるだろう。サプライチェーンと関連しては対中輸入が増えサプライチェーンリスクが大きくなるという2つの懸念がある。どのようにすべきか。中国の産業高度化に便乗しなければならない。韓中ともにウィンウィンとなる品目に集中する必要がある。
▽チ・マンス韓国金融研究院金融地政学研究センター長=中国の産業が高度化して輸入を徐々に代替して中国内の生産コストが高まり韓国企業は10年前から生産基地を中国からベトナムなどに移した。こうした現象も対中貿易黒字が減るのに多くの作用をした。別の見方をすれば韓国企業の選択だったのだ。いま韓国が注視すべきことは先月25日に出された中国国家発展改革委員会の外資企業誘致戦略だ。ここにはこれまで多くの外資企業が要求してきた中国証券市場上場許容、社債発行などの内容が盛り込まれた。中国は土地の提供も強調している。米国は中国の国家主導体制が不公正な領域を作ると非難してきた。ところが中国が今回国家主導体制の利益を外資企業にも分けるので中国に来るよう提示した格好だ。過去に中国が市場と技術を交換していたとするならば、現在は体制と技術を交換するということだ。すなわち主要国の企業を抱き込んで自国政府に反対させるということだ。
【韓中ビジョンフォーラム】変曲点迎えた韓中経済…技術超格差維持が生きる道(2)
▽パク・ギスン成均館大学中国大学院教授(提案)=習近平執権3期目が本格化する2023年の中国経済の見通しに向けては、まずゼロコロナ政策持続の有無を見なければならない。中国当局は「コロナを抑えてこそ経済が安定する」という論理を展開しており、習近平主席も現在の中国の防疫政策を肯定的に評価しているためゼロコロナ政策が簡単に変わる兆しはない。ここに地方政府の財政収入の40~50%を占める不動産の沈滞と米国の対中制裁持続、そして先月の第20回党大会後の外資の脱中国の動きなどはいずれも中国経済に悪材料として作用している。われわれが注視すべきことは西側企業が中国からの全面的撤収ではなく「China+1」戦略を駆使している点だ。中国を中心にはするがインドやベトナムなどに代替生産基地を作るものだ。中国経済が振るわない中で韓国は5~8月の4カ月連続に続き10月にもまた対中貿易赤字を記録した。韓国の主力品目である半導体輸出不振に中国から輸入する中間財の割合が高まったためだ。中国の輸出増加にもかかわらず、韓国の対中輸出は減少傾向を見せているが、これは韓国の中間財の輸出競争力が弱まったということを語っている。
ここで台湾の教訓を振り返る必要がある。台湾は中国と一触即発の対立状況にもかかわらず、貿易では対中黒字を維持している。台湾の蔡英文総統が「技術がすなわち台湾安保の保障弁」としながら親市場・親企業政策を展開した結果、台湾が技術強国に生まれ変わったと評価される。台湾は半導体関連大学院の新入生を1年に1度でなく6カ月ごとに選抜する。半導体学科の定員も増やすことができないでいる韓国とは大きく対照的だ。韓国としては米国との技術同盟強化を通じて技術流入を円滑にするなど技術資産の蓄積が急がれる。中国に対する韓国の技術超格差維持が生きる道だ。中国が技術を持つようになれば中国市場はこれ以上われわれの市場ではない。
▽辛正承(シン・ジョンスン)元駐中大使(司会)=習近平主席が党大会の業務報告で共同富裕とゼロコロナ防疫に言及し、また政治局常務委員会構成を自身の腹心一色にしたことなどを見ると、既存の中国の反市場的な政策に大きな変化はないものとみられる。その結果中華圏の証券市場が急落するなど否定的な市場の反応が出ている。韓国の対中貿易赤字は2国間次元というよりはグローバル次元の問題とみられるが、こういう現象が一時的なものなのか、そうでなければ構造的に変化したものかに対する診断とともに韓国政府と企業がどのように対応すべきなのかに対する議論を進めるようにしたい。
▽チャン・サンシク韓国貿易協会国際貿易通商研究員動向分析室長=対中貿易赤字は予想されていたものだった。半導体を除けば昨年から赤字だった。韓国が半導体錯視現象のため中国をまともに見られなかった側面が大きい。輸出は半導体、ディスプレー、化粧品などで大きく減り、輸入は水酸化リチウムや炭酸リチウムのようなバッテリーと関連して大きく膨らんだ。問題は韓国の対中輸出が減りシェアがさらに減った点だ。韓国の輸出は中国の国内需に大きく左右されるが、来年中国の内需が改善すれば韓国の輸出状況は良くなるだろう。サプライチェーンと関連しては対中輸入が増えサプライチェーンリスクが大きくなるという2つの懸念がある。どのようにすべきか。中国の産業高度化に便乗しなければならない。韓中ともにウィンウィンとなる品目に集中する必要がある。
▽チ・マンス韓国金融研究院金融地政学研究センター長=中国の産業が高度化して輸入を徐々に代替して中国内の生産コストが高まり韓国企業は10年前から生産基地を中国からベトナムなどに移した。こうした現象も対中貿易黒字が減るのに多くの作用をした。別の見方をすれば韓国企業の選択だったのだ。いま韓国が注視すべきことは先月25日に出された中国国家発展改革委員会の外資企業誘致戦略だ。ここにはこれまで多くの外資企業が要求してきた中国証券市場上場許容、社債発行などの内容が盛り込まれた。中国は土地の提供も強調している。米国は中国の国家主導体制が不公正な領域を作ると非難してきた。ところが中国が今回国家主導体制の利益を外資企業にも分けるので中国に来るよう提示した格好だ。過去に中国が市場と技術を交換していたとするならば、現在は体制と技術を交換するということだ。すなわち主要国の企業を抱き込んで自国政府に反対させるということだ。
【韓中ビジョンフォーラム】変曲点迎えた韓中経済…技術超格差維持が生きる道(2)
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