リュックを背負って手には専攻書を持って講義室へ向かっていた大学生がしばし立ち止まった。「梨泰院(イテウォン)惨事」の犠牲者を追慕するためだ。
2日午前11時、ソウル城東区(ソンドング)漢陽(ハニャン)大学ソウルキャンパス学生福祉館前に設けられた合同焼香所の様子だ。漢陽大学から内国人1人と外国人留学生2人の犠牲者が出た。3人の位牌の前に立った学生たちは献花台にそっと菊の花を置き、静かに目を閉じて黙祷を捧げた。焼香を終えてもその場から立ち去ることができず忍び泣きをする学生もいた。この日正午ごろに弔問を終えた外国人留学生3人は犠牲者の写真を黙って見つめていた。昼食の時間になると焼香所の前は菊を持った学生たちが列を作った。
梨泰院惨事による死亡者は156人。20代が104人で最も多い。20代は8年前2014年4月16日セウォル号惨事で同年代の仲間を失った「セウォル号世代」だ。彼らは2022年10月29日にソウルの中心地で友人の死と再び向き合うことになった。感受性が豊かな時期にセウォル号と梨泰院惨事を立て続けに経験した20代に集団的トラウマが残る可能性があるという懸念が出ている。
◆20代「他人事ではないと思って焼香所に来た」
漢陽大学だけでない。大学街で梨泰院惨事の犠牲者を追慕する波が広がっている。高麗(コリョ)大学、中央(チュンアン)大学、西江(ソガン)大学、成均館(ソンギュングァン)大学などがキャンパス内に合同焼香所や臨時焼香所など追慕空間を設置した。今回の事故で亡くなった俳優イ・ジハンさんが在学していた東国(トングク)大学の場合、学校の公式サイトに哀悼文を掲示し、ソウルキャンパスに追慕焼香所を用意した。オフラインだけでなくオンラインでも各大学の総学生会がSNSを通じて犠牲者に対する哀悼の文を載せた。
目を真っ赤にして焼香所を訪れた学生たちは「犠牲者とは何のつながりもないが、自分のことのように思えたので来た」と話した。ソウル西大門区新村(ソデムング・シンチョン)の大学街に設けられた合同焼香所を訪れた大学院生のパクさん(26)は「事故が起きた夜、友人が無事なのかずっと連絡し続けた」とし「セウォル号惨事の時も同年代の仲間が残念な事故に遭ったが、8年後に同じようなことが起きて心が痛い」と付け加えた。
20代の間では8年ぶりに襲った大型惨事に憂鬱・不眠・回避・集中力低下などのトラウマ症状を体験する事例も目撃されている。会社員のチョンさん(25)はSNS上での活動を休止してニュースも見ないようにしている。チョンさんは「セウォル号惨事の時のことが思い出されて最初から梨泰院惨事の話を見ないように努力している」とし「梨泰院」に関連した言葉だけを聞いても憂鬱を感じ、胃がむかむかする」と話した。
この日、1人で漢陽大学の合同焼香所を訪れて弔問したクォン・デミンさんも「この事件が他人ごとではないと思って来た」とし「梨泰院事故当日の状況を直接目撃した友人が強いショックを受けて苦しんでいる」と話した。クォンさんは「友人は号泣し、食事もできないほど苦しんでいるのに力になれていないようで落ち込む」とも話した。
◆専門家「精神的外傷の累積…オーダーメード型相談の提供を」
大学は直・間接的に惨事に接して精神的苦痛を訴える大学生のために相談を支援している。西江大学関係者は「惨事以降、助けを求める学生が増えた」とし「学生が別途手続きを踏まなくてもすぐに相談を受けられるように緊急相談を実施している」と話した。延世大心理相談センターは梨泰院惨事関連の校内生存者や目撃者、関係者などを対象に心理支援グループを運営する。
専門家は20代の累積した精神的外傷をオーダーメード型で支援しなければなければならないと助言する。檀国(タングク)大学心理治療学科のイム・ミョンホ教授は「梨泰院惨事は中・高校生の時にセウォル号惨事を体験して精神的外傷を受けた20代が再び精神的衝撃を受けるような事件」としながら「外傷が累積するとより大きなストレスを受けるほかはない」と話した。イム教授は「大学、地方自治体などで20代のためのオーダーメード型相談プログラムを提供する必要がある」と述べた。
2日午前11時、ソウル城東区(ソンドング)漢陽(ハニャン)大学ソウルキャンパス学生福祉館前に設けられた合同焼香所の様子だ。漢陽大学から内国人1人と外国人留学生2人の犠牲者が出た。3人の位牌の前に立った学生たちは献花台にそっと菊の花を置き、静かに目を閉じて黙祷を捧げた。焼香を終えてもその場から立ち去ることができず忍び泣きをする学生もいた。この日正午ごろに弔問を終えた外国人留学生3人は犠牲者の写真を黙って見つめていた。昼食の時間になると焼香所の前は菊を持った学生たちが列を作った。
梨泰院惨事による死亡者は156人。20代が104人で最も多い。20代は8年前2014年4月16日セウォル号惨事で同年代の仲間を失った「セウォル号世代」だ。彼らは2022年10月29日にソウルの中心地で友人の死と再び向き合うことになった。感受性が豊かな時期にセウォル号と梨泰院惨事を立て続けに経験した20代に集団的トラウマが残る可能性があるという懸念が出ている。
◆20代「他人事ではないと思って焼香所に来た」
漢陽大学だけでない。大学街で梨泰院惨事の犠牲者を追慕する波が広がっている。高麗(コリョ)大学、中央(チュンアン)大学、西江(ソガン)大学、成均館(ソンギュングァン)大学などがキャンパス内に合同焼香所や臨時焼香所など追慕空間を設置した。今回の事故で亡くなった俳優イ・ジハンさんが在学していた東国(トングク)大学の場合、学校の公式サイトに哀悼文を掲示し、ソウルキャンパスに追慕焼香所を用意した。オフラインだけでなくオンラインでも各大学の総学生会がSNSを通じて犠牲者に対する哀悼の文を載せた。
目を真っ赤にして焼香所を訪れた学生たちは「犠牲者とは何のつながりもないが、自分のことのように思えたので来た」と話した。ソウル西大門区新村(ソデムング・シンチョン)の大学街に設けられた合同焼香所を訪れた大学院生のパクさん(26)は「事故が起きた夜、友人が無事なのかずっと連絡し続けた」とし「セウォル号惨事の時も同年代の仲間が残念な事故に遭ったが、8年後に同じようなことが起きて心が痛い」と付け加えた。
20代の間では8年ぶりに襲った大型惨事に憂鬱・不眠・回避・集中力低下などのトラウマ症状を体験する事例も目撃されている。会社員のチョンさん(25)はSNS上での活動を休止してニュースも見ないようにしている。チョンさんは「セウォル号惨事の時のことが思い出されて最初から梨泰院惨事の話を見ないように努力している」とし「梨泰院」に関連した言葉だけを聞いても憂鬱を感じ、胃がむかむかする」と話した。
この日、1人で漢陽大学の合同焼香所を訪れて弔問したクォン・デミンさんも「この事件が他人ごとではないと思って来た」とし「梨泰院事故当日の状況を直接目撃した友人が強いショックを受けて苦しんでいる」と話した。クォンさんは「友人は号泣し、食事もできないほど苦しんでいるのに力になれていないようで落ち込む」とも話した。
◆専門家「精神的外傷の累積…オーダーメード型相談の提供を」
大学は直・間接的に惨事に接して精神的苦痛を訴える大学生のために相談を支援している。西江大学関係者は「惨事以降、助けを求める学生が増えた」とし「学生が別途手続きを踏まなくてもすぐに相談を受けられるように緊急相談を実施している」と話した。延世大心理相談センターは梨泰院惨事関連の校内生存者や目撃者、関係者などを対象に心理支援グループを運営する。
専門家は20代の累積した精神的外傷をオーダーメード型で支援しなければなければならないと助言する。檀国(タングク)大学心理治療学科のイム・ミョンホ教授は「梨泰院惨事は中・高校生の時にセウォル号惨事を体験して精神的外傷を受けた20代が再び精神的衝撃を受けるような事件」としながら「外傷が累積するとより大きなストレスを受けるほかはない」と話した。イム教授は「大学、地方自治体などで20代のためのオーダーメード型相談プログラムを提供する必要がある」と述べた。
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