ウクライナに侵攻中のロシア軍がウクライナ人を対象にした性暴力を「軍事戦略」の一部としていると国連高官が明らかにした。

１５日（現地時間）ＣＮＮ・ＡＦＰ通信などによると、国連で紛争下の性的暴力担当事務総長特別代表を務めるプラミラ・パッテン氏は調査結果に基づいて「ウクライナにいるロシア軍の強姦と性的暴行はロシアの軍事戦略であり、犠牲者の尊厳性を抹殺しようとする意図的な戦術の一部」と述べた。

また「（ウクライナの）女性たちは数日間監禁されたまま強姦されたり、女性だけでなく（ウクライナの）少年たちと男性たちも強姦の対象になったりした」と伝えた。さらに「ロシア軍がバイアグラを持っていることを見たという女性たちの証言もあった」とし「これは明らかに軍事戦略」と主張した。


パッテン特別代表によると、国連は今年２月、ロシアのウクライナ侵攻以降、ウクライナで強姦や性的暴行を１００件以上確認した。ロシアのウクライナ侵攻３日後に最初の性暴力事例が報告された。

国連が収集した証言によると、性暴力被害者の年齢は４歳から８２歳の間だった。被害者のほとんどは女性と少女だったが、男性と少年もいた。しかしパットン特別代表は「報告された事例は氷山の一角に過ぎない」と話した。

また、「性暴力は静かな犯罪であるため、戦争中に信頼できる統計を持つことは非常に難しく、その数字は決して現実を反映できないだろう」と付け加えた。

これに先立って、ウクライナ政府は戦争初期からロシア軍がウクライナで性的暴行を行っていると批判し、ロシアが占領した地域でロシア軍によって強姦や性的暴行を受けたという通報が数百件受け付けられたと明らかにした経緯がある。

パッテン特別代表は戦争中の性暴力は処罰が難しい点が問題だと指摘し、加害者に向かって「世界が見守っている」というメッセージを伝えた。

一方、１５日、ウクライナ国境地ベルゴロドのロシア軍訓練場で銃撃が発生し、参戦を控えた軍人１１人が死亡し、１５人が負傷したとロシア国防部が明らかにした。

ＢＢＣなどによると、ロシア国防部は「ウクライナ特別軍事作戦に志願した兵士を対象にした射撃訓練の途中、２人のテロ犯が小型武器で兵士に銃撃を加えた」とし、今回の事件を「テロ」と規定した。

ロシア国防部はまた「テロ犯２人は過去にソ連から独立した独立国家共同体（ＣＩＳ）国家出身」とし「対応射撃で彼らも射殺された」と伝えた。

ウクライナ大統領府の顧問を務めるオレクシー・アレストビッチ氏は「銃撃犯は中央アジアのタジキスタンから来ており、宗教に対する論争を繰り広げた後、射撃を加えた」と述べた。タジキスタンはイスラム教徒が大多数だ。

今回の事件は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦場に投入する予備軍の一部動員令を下した中で起きた。