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数百億ウォンのスパコンも力不足…「首を賭けて予報」気をもむ韓国気象庁(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◇数百億ウォンのスパコンでも予測は厳しい

気候変動は韓国型気候の特性を変えている。気象庁のユ・ヒドン庁長は最近「梅雨に代わって夏季の雨の形態を代替する表現を探す計画」と明らかにした。気象庁は来月の韓国気象学会学術大会を始まりに梅雨の概念を再定義する議論を始める。

予報官は北半球をめぐる波動の流れが猛暑と豪雨をかわるがわる呼び起こしているとみている。先月30日にユ庁長は8月のソウルの集中豪雨に対し「気象庁が持っているスーパーコンピュータと欧州中期予報センターのモデルも8日にソウルに70~80ミリ水準の雨が降ると予想した。どんなモデルや先進国の最高専門家がきてもこれ以上の雨が降る可能性は非常に希薄だとみたもの」と話した。既存の資料と経験則だけでは異常気象現象を正確に予測するのが不可能だとみたのだ。


このように不規則に移動する気圧計には数百億台のスーパーコンピュータも力不足という。現代気象予報の核心は数値予報だ。数値予報は大気の運動と変化を説明する力学と物理方程式をスーパーコンピュータで計算し未来の大気状態を予測するが、ここに使われるコンピュータプログラムが数値予報モデルだ。初期観測値を入れた数値予報モデルの計算を基に予報官が分析を出す。

予報の正確度を高めるには数値予報モデルを高度化すべきというのが気象庁の説明だ。気象庁は2011~2019年の9年間に789億ウォンをかけて韓国独自モデルである韓国型数値予報モデル(KIM)を導入した。韓国モデルは2020年4月28日から英国モデル(UM)と並行して運営中だ。米国、欧州連合、英国などに続き世界で9番目に開発された韓国モデルの予報正確度は世界6~7位水準という。

気象庁は5月から韓半島を含む東アジア地域に対し3キロメートル間隔で天気予測情報を生産する韓国型地域数値予報モデルを導入した。既存のモデルは全地球領域に対し12キロメートル間隔で予報情報を作るが、局地的な集中豪雨などがしばしば発生しており、より高解像度のモデルが必要になったためだ。モデルでは大気が格子形に分けられるが、この間隔が細かくなるほど解像度が高まる。例えば12キロメートルの解像度のモデルは済州島(チェジュド)の陸地を12個に分けるが、3キロメートルの解像度モデルは206個に分ける形だ。気象庁は2026年までに解像度を1キロメートルまで引き上げるため総額1023億ウォンの予算を投入する事業を推進している。

◇観測・モデル・予報の3拍子がそろわなくては

モデルの予測正確度を高めるためには特に危険に弱い海、山、極地などの観測資料が必要だ。現在の数値予報モデルに使われる観測値の約90%は衛星観測値だ。気象庁は2031年までにチャンネルの数を現在の16個から18個に増やした千里眼衛星5号の開発を準備している。

予報官の判断もモデルだけに依存していない。気象庁は危険気象を専門に扱う災害気象対応チームを運営し、学界と協力して人工知能技法を活用する方法も研究している。さまざまなモデル間の比較を通じて確率的に未来を予測する「アンサンブル予測」が代表的だ。

専門家らは気候変動に合わせて予報システムにも変化が必要だと話す。延世(ヨンセ)大学大気科学科のソン・インソン教授は「予測の範囲を広げるには確率的な統計値を作り出さなければならない。ひとつのモデルを条件を変えて何度も使う方法がある」と話した。また「既存モデルを検証する時に過去の資料を基準とするが、最近の観測を中心に検証すべき」と付け加えた。Kウェザーセンター長のパン・ギソン氏は「結局判断は人がするため予報官の能力を高めなければならない。十分な分析時間を確保できる案が必要だ」と指摘した。


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