非常対策委体制への転換は結局早期全党大会につながる可能性が大きいということから次期権力闘争の始まりを知らせる信号弾にも読まれる。

大統領選での勝利で政権交代に成功し、地方選挙でも完勝した政府与党が政府発足８２日で指導部崩壊事態に直面したのは史上初めてのことだ。表面的には先月２７日尹大統領と権院内代表のテレグラムメッセージの露出が党指導部再編の導火線になったが、その裏には執権初期の尹大統領の支持率の急激な下落が根本的な原因という分析だ。尹大統領は先月２９日韓国ギャラップ調査で２８％の支持率にとどまった。国民の力重鎮議員は「地方選挙勝利後、党核心は党権競争に没頭し、政府は明らかな成果を見せられないまま大統領の支持率２０％台墜落という民心離反に直面した」として「恥を越えて恥辱を感じる」と話した。

与党の一部では権院内代表が代表職務代行だけでなく院内代表職からも退かなければならないと主張する。親尹系の金泰欽（キム・テフム）忠南知事はこの日、フェイスブックに「権代行は本人の私心と無能さでリーダーシップの限界を呈した」として「権代行はすべての職から退いて非常対策委体制に転換せよ」と促した。大統領選挙時代から尹大統領を近くで補佐してきたある国民の力重鎮議員は「検察捜査権完全剥奪の交渉に失敗した時、または『李俊錫懲戒』直後に指導部をすべて変えるべきだった」として「早期に尹錫悦政府とワンチームになれる指導部を新たに設けなければならない。尹大統領が一歩間違えば、党の総選挙でも敗北する」と主張した。大統領室のある参謀は「水を飲む時、その水がどこからきたのかを考える」という意味である『飲水思源』に言及し、「権院内代表が尹大統領の意向と政権交代を望んだ民心が何かを考える必要がある」として決断を促した。


党内から始まった改編は大統領室参謀陣に飛び火している。この日、国民の力では「党はもちろん、大統領室と政府の全面的な刷新が必要だ」（チョ・スジン議員）、「与党、内閣、大統領室３軸は能無しの極限状態」（金泰欽忠南知事）など人的刷新の事情範囲に大統領室も含んだ。これを受け、大統領室関係者はこの日、記者会見で「そのような話は私たちが注意深く聞いている」と話した。

大統領室改編は内部でも提起される。匿名を求めた大統領室関係者は「尹大統領の国政遂行支持率が２０％台まで落ちたとすれば、参謀も最後まで責任を負おうとする姿が見せるのが正しい」とし、「皆が職から退くという決心が必要な時期」と話した。参謀の中には尹大統領が大統領選挙時代だった１月「初心に戻って国民と呼吸する」として選挙キャンプを「リセット」した事例に言及した。

ただし、大統領室と政府要人の交代は早いという反論が侮れない。「３カ月は成果を見せるには短すぎる時間」とし「支持率が落ちるからといって何でも変えてしまえばその次はどうするのか」ということだ。それでも大統領室の国政運営基調は調整が避けられないものとみられる。大統領室関係者は「国民の信頼を回復するには政策成果を導き出すのが何より重要だが、そのためには原則論にこだわるのは非現実的」とし「尹大統領もこれをよく認識している」と話した。


韓国与党、執権３カ月で党指導部崩壊（１）