2019年11月に東海(トンヘ、日本名・日本海)北方限界線(NLL)付近の海上で拿捕された北朝鮮漁船の漁民2人はすぐに「亡命を望む」という立場を表していたことが明らかになった。2人は拿捕後に行われた調査でも自筆で亡命意向書を作成したが、当時の青瓦台(チョンワデ、大統領府)と国家情報院は「亡命に対する誠意がない」という理由で5日後に2人を強制的に北朝鮮に送還した。
3年前の北朝鮮漁船拿捕作戦に詳しい政府関係者は12日、中央日報との電話で「同年11月2日、海軍艦艇から拿捕した北の漁船に乗り込んで臨検する過程で、漁民2人が口頭ではっきりと『南側に亡命したい』という意思を明らかにした」とし「当時作戦に投入された人たちはわずか5日後に北に追放されたことを報道で知り、大きな衝撃を受けた」と伝えた。
この関係者は「最近の報道で、当時の青瓦台と軍当局がSI(軍特殊情報)を通じて漁民に亡命の意向がないと判断したという事実を知った」とし「当時拿捕作戦に投入された人たちの立場では、当然適法な亡命手続きを踏んで韓国に定着するものと思っていた」とも明らかにした。
文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の2019年11月2日、軍当局はNLLを越えてきた北朝鮮のイカ釣り漁船を海上で拿捕した。そして通常2、3カ月かかる合同調査をわずか3日で終え、北朝鮮に2人を送還する意思を通知した。結局、亡命を望んだ北朝鮮漁民2人は拿捕から5日後の11月7日、政府の決定に基づき北朝鮮軍に引き渡された。
特に拿捕作戦をはじめ、異例の速戦即決で進行された合同調査の過程および送還決定事実はすべて徹底的に非公開で進行された。
拿捕と送還の事実は、2人が送還された2019年11月7日の午前に国会予算決算委員会に出席した当時の金有根(キム・ユグン)青瓦台安保第1次長の携帯電話が受信した「この日午後に脱北漁民をに送還する」という内容の文字メッセージが偶然メディアのカメラに映り、世間に知られた。
にもかかわらず、金次長の文字メッセージが公開された11月7日午前に国会外交統一委員会全体会議に出席した当時の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は、北朝鮮漁民の送還過程を尋ねる当時の野党議員の質問に対し「実際に送還手続きが行われる前には言及できない」と答弁を避けた。そして当日午後3時、2人の強制送還された後、「合同調査の結果、亡命に対する誠意がなかったと判断した」として送還を伝えた。
金錬鉄長官は当時、亡命を望んだ漁民が自筆で亡命意向書を書いたという事実も認めた。しかし船上で発生したという同僚船員16人殺害事件を強調し、「2人が『死んでも戻る』と話した」と何度か明らかにした。
しかし当時の金錬鉄長官が強調した漁民の発言は、亡命の意向を判断するための政府の合同調査過程ではなく、亡命を決定する前に北朝鮮漁民が船上で交わした対話だったことが後に確認された。
当時の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は昨年の外交部長官人事聴聞会で「その人たちは凶悪犯だった」とし「一般の脱北者とは区分されなければならず、政府が北への送還を決める時は拷問禁止条約などをすべて検討した」と送還の理由を挙げた。北朝鮮漁民が明らかにした亡命意思でなく船上殺人容疑を浮き彫りにする発言だった。
事件発生から3年近く忘れられていた強制送還事件は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後の今月6日、国家情報院が北朝鮮漁民の送還過程に関与した当時の徐薫(ソ・フン)国家情報院長を職権乱用と虚偽公文書作成容疑で告発したことで、改めて注目されることになった。国家情報院は徐元院長らを告発しながら具体的な容疑内容を明らかにしなかったが、政界では「文前大統領が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の答礼訪問を実現させるために文在寅政権が漁民の意思に反して無理な送還を決定したのではないか」という疑惑が提起されている。
実際、当時政府は11月2日に北朝鮮漁民を東海の海上で拿捕し、3日後の5日に北朝鮮に2人を追放するという意向を伝えた。送還の意向を伝えた5日は、文大統領が金正恩委員長に韓国答礼訪問を要請する親書を送った日だ。
これに関し文在寅政権の青瓦台関係者らは「SI情報を通じて、北の漁民が船上で同僚16人を殺害し、処罰を避けるために北の軍から逃れている状況を把握していた」とし「亡命の意向を最終確認する合同調査でも実際に亡命の意向がないことがはっきりと確認された」と主張している。
しかし当時の政府と情報当局は北朝鮮に戻るという漁民に目隠しをして板門店(パンムンジョム)に移した。通常、漂流してきた北朝鮮住民は大韓赤十字社が護送するが、当時は警察兵力を動員した。
特に「亡命の意向がなかった」という青瓦台の説明と違い、統一部がこの日に公開した送還写真を通じて北朝鮮の処罰を恐れて強圧的な送還に激しく抵抗する場面までが公開され、亡命意思を明らかにした北朝鮮漁民を前政権が政治的目的を達成するために追放したという声が高まると予想される。
3年前の北朝鮮漁船拿捕作戦に詳しい政府関係者は12日、中央日報との電話で「同年11月2日、海軍艦艇から拿捕した北の漁船に乗り込んで臨検する過程で、漁民2人が口頭ではっきりと『南側に亡命したい』という意思を明らかにした」とし「当時作戦に投入された人たちはわずか5日後に北に追放されたことを報道で知り、大きな衝撃を受けた」と伝えた。
この関係者は「最近の報道で、当時の青瓦台と軍当局がSI(軍特殊情報)を通じて漁民に亡命の意向がないと判断したという事実を知った」とし「当時拿捕作戦に投入された人たちの立場では、当然適法な亡命手続きを踏んで韓国に定着するものと思っていた」とも明らかにした。
文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の2019年11月2日、軍当局はNLLを越えてきた北朝鮮のイカ釣り漁船を海上で拿捕した。そして通常2、3カ月かかる合同調査をわずか3日で終え、北朝鮮に2人を送還する意思を通知した。結局、亡命を望んだ北朝鮮漁民2人は拿捕から5日後の11月7日、政府の決定に基づき北朝鮮軍に引き渡された。
特に拿捕作戦をはじめ、異例の速戦即決で進行された合同調査の過程および送還決定事実はすべて徹底的に非公開で進行された。
拿捕と送還の事実は、2人が送還された2019年11月7日の午前に国会予算決算委員会に出席した当時の金有根(キム・ユグン)青瓦台安保第1次長の携帯電話が受信した「この日午後に脱北漁民をに送還する」という内容の文字メッセージが偶然メディアのカメラに映り、世間に知られた。
にもかかわらず、金次長の文字メッセージが公開された11月7日午前に国会外交統一委員会全体会議に出席した当時の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は、北朝鮮漁民の送還過程を尋ねる当時の野党議員の質問に対し「実際に送還手続きが行われる前には言及できない」と答弁を避けた。そして当日午後3時、2人の強制送還された後、「合同調査の結果、亡命に対する誠意がなかったと判断した」として送還を伝えた。
金錬鉄長官は当時、亡命を望んだ漁民が自筆で亡命意向書を書いたという事実も認めた。しかし船上で発生したという同僚船員16人殺害事件を強調し、「2人が『死んでも戻る』と話した」と何度か明らかにした。
しかし当時の金錬鉄長官が強調した漁民の発言は、亡命の意向を判断するための政府の合同調査過程ではなく、亡命を決定する前に北朝鮮漁民が船上で交わした対話だったことが後に確認された。
当時の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は昨年の外交部長官人事聴聞会で「その人たちは凶悪犯だった」とし「一般の脱北者とは区分されなければならず、政府が北への送還を決める時は拷問禁止条約などをすべて検討した」と送還の理由を挙げた。北朝鮮漁民が明らかにした亡命意思でなく船上殺人容疑を浮き彫りにする発言だった。
事件発生から3年近く忘れられていた強制送還事件は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後の今月6日、国家情報院が北朝鮮漁民の送還過程に関与した当時の徐薫(ソ・フン)国家情報院長を職権乱用と虚偽公文書作成容疑で告発したことで、改めて注目されることになった。国家情報院は徐元院長らを告発しながら具体的な容疑内容を明らかにしなかったが、政界では「文前大統領が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の答礼訪問を実現させるために文在寅政権が漁民の意思に反して無理な送還を決定したのではないか」という疑惑が提起されている。
実際、当時政府は11月2日に北朝鮮漁民を東海の海上で拿捕し、3日後の5日に北朝鮮に2人を追放するという意向を伝えた。送還の意向を伝えた5日は、文大統領が金正恩委員長に韓国答礼訪問を要請する親書を送った日だ。
これに関し文在寅政権の青瓦台関係者らは「SI情報を通じて、北の漁民が船上で同僚16人を殺害し、処罰を避けるために北の軍から逃れている状況を把握していた」とし「亡命の意向を最終確認する合同調査でも実際に亡命の意向がないことがはっきりと確認された」と主張している。
しかし当時の政府と情報当局は北朝鮮に戻るという漁民に目隠しをして板門店(パンムンジョム)に移した。通常、漂流してきた北朝鮮住民は大韓赤十字社が護送するが、当時は警察兵力を動員した。
特に「亡命の意向がなかった」という青瓦台の説明と違い、統一部がこの日に公開した送還写真を通じて北朝鮮の処罰を恐れて強圧的な送還に激しく抵抗する場面までが公開され、亡命意思を明らかにした北朝鮮漁民を前政権が政治的目的を達成するために追放したという声が高まると予想される。
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