韓日関係改善の期待感の中で尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足したが、実質的な進展のきっかけをつかむのは容易でない。過去の問題に対する両国の立場が依然として平行線をたどる中、日本強制徴用企業の国内資産現金化問題が時限爆弾のように存在している。17日に「尹錫悦政権発足と対日外交」をテーマに開催された第26回韓日ビジョンフォーラムでは、各界の専門家18人が集まって解決策について議論した。フォーラム出席者らは「両国の葛藤を解消する案はすでに十分に出ている。重要なのは実行だ」と強調した。
◆鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長の提案の要約
4月に韓日政策協議代表団長として4泊5日の日程で訪日した。政界・財界、学界、メディアの関係者およそ50人と面談したが、すべて韓国側の面談要請を快く受諾した。その間の対話の断絶のため、日本側にも相当な意思が感じられた。「韓日両国が共に努力すべき」という我々の意見に反論しなかった。
訪日前、尹錫悦大統領は我々に「両国関係が最も良かった時期に早く戻るべきであり、そのために共に努力しなければいけない」という点を日本側に伝えるよう話した。林芳正外相は、尹大統領が4月のワシントンポストのインタビューで「韓日関係が政治的に利用されてはいけない」と述べたことについて「感銘を受けた」と述べた。ただ、過去の問題と輸出規制など懸案については従来の立場を繰り返した。日本側は韓国政府が「現金化はない」と明確に話すことを期待していた。
一方、慰安婦問題に関連して2015年の韓日慰安婦合意当時に外相だった岸田文雄首相は「当時、日本としては大変な困難を克服した政治的の決断だったが、約束が履行されず残念だ」と吐露した。これに対し我々は「韓国としては深い傷だ。被害者の名誉と尊厳を回復するという慰安婦合意の精神を軽く考えてはいけない」と強調した。また岸田首相は「韓日、韓日米の連携がいつよりも重要だ」とし「韓日関係の改善をこれ以上先送りすることはできない」と話した。
安倍晋三元首相は「今後、両国が国内の政治的要素を乗り越えるよう努力しよう」とし「韓国が現金化問題に対する解決法を出すことを望み、慰安婦合意を尊重してほしい」と述べた。また安倍元首相は「朴槿恵(パク・クネ)前大統領はどうか」と尋ねた。「先日、故郷に戻り、安静にして健康を管理している」と説明すると、安倍元首相は「うれしい」という言葉を2度繰り返した。来月の日本の参議院選挙が終われば、両国ともに今後2、3年間は選挙日程がなく、課題の解決に向けた環境が整う。
◆最大の問題は日本企業の資産現金化
尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日韓国大使内定者=多くの国民は「なぜ韓日関係を改善しなければいけないのか」「なぜ我々が譲歩しなければならないのか」という疑問を抱いている。韓日関係がなぜ重要なのか、国民を説得する作業が重要だ。韓日関係の悪化のため、我々の外交力の事実上半分以上は日本との外交問題で消耗している。外交部内の日本担当組織の補強などで対日外交インフラを強化する必要がある。
朴チョル熙(パク・チョルヒ)ソウル大教授=日本が米中競争、北朝鮮問題、ウクライナ戦争など国際情勢の大きな枠で韓国との関係改善の必要性を認め始めた。「過去の問題の解決が先だ」「韓国が問題をつくったので責任を負わなければいけない」という従来の立場から変わったということだ。現在、両国首脳間の関係改善意志は参謀陣がむしろ速度調節をするほど強い。
李祥ミン(イ・サンミン)共に民主党国会議員=政府が被害者に賠償して日本に求償権を行使する代位弁済方式を通じてひとまず現金化を避けなければいけない。代位弁済を骨子とする「文喜相(ムン・ヒサン)案」が文在寅(ムン・ジェイン)政権で不発になったが、民主党内でも代位弁済の趣旨に共感する意見が多かった。積極的な問題解決を先送りするために被害者中心主義を言い訳にしてはいけない。
◆代位弁済で危機を越えたドイツ・イタリア
崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士=強制徴用関連の韓国被害者-日本企業の対話環境をつくることが急がれる。被害者側は、今からでも日本企業が対話に応じれば韓国内の資産現金化を保留できるという立場だ。また、日本国内の強制徴用犠牲者遺骨送還推進、戦後B・C級戦犯にされて処罰を受けた韓国人に対する補償など、容易な問題から解決しなければいけない。
イ・グングァン・ソウル大教授=第2次世界大戦中にドイツに強制徴用されたイタリア人が提起した損害賠償訴訟を参考にできる。ドイツは今年4月、イタリアが自国判所の判決に基づきドイツ政府の資産を差し押さえると、国際司法裁判所に提訴した。これに対しイタリアは政府が自国の被害者の請求権を代位弁済することで強制執行の進行を中止する立法措置を取った。
柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交部長官=現金化という時限爆弾の雷管を除去する作業は、政府だけでなく民間の非政府組織(NGO)または国会で超党派的に取り組まなければいけない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の2005年、韓日会談関連の外交文書を公開しながら設立した官民合同委員会も参考にできる。
<危機の韓日関係、連続診断26>韓日和解はアジア恒久的秩序をつくる出発点(2)
◆鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長の提案の要約
4月に韓日政策協議代表団長として4泊5日の日程で訪日した。政界・財界、学界、メディアの関係者およそ50人と面談したが、すべて韓国側の面談要請を快く受諾した。その間の対話の断絶のため、日本側にも相当な意思が感じられた。「韓日両国が共に努力すべき」という我々の意見に反論しなかった。
訪日前、尹錫悦大統領は我々に「両国関係が最も良かった時期に早く戻るべきであり、そのために共に努力しなければいけない」という点を日本側に伝えるよう話した。林芳正外相は、尹大統領が4月のワシントンポストのインタビューで「韓日関係が政治的に利用されてはいけない」と述べたことについて「感銘を受けた」と述べた。ただ、過去の問題と輸出規制など懸案については従来の立場を繰り返した。日本側は韓国政府が「現金化はない」と明確に話すことを期待していた。
一方、慰安婦問題に関連して2015年の韓日慰安婦合意当時に外相だった岸田文雄首相は「当時、日本としては大変な困難を克服した政治的の決断だったが、約束が履行されず残念だ」と吐露した。これに対し我々は「韓国としては深い傷だ。被害者の名誉と尊厳を回復するという慰安婦合意の精神を軽く考えてはいけない」と強調した。また岸田首相は「韓日、韓日米の連携がいつよりも重要だ」とし「韓日関係の改善をこれ以上先送りすることはできない」と話した。
安倍晋三元首相は「今後、両国が国内の政治的要素を乗り越えるよう努力しよう」とし「韓国が現金化問題に対する解決法を出すことを望み、慰安婦合意を尊重してほしい」と述べた。また安倍元首相は「朴槿恵(パク・クネ)前大統領はどうか」と尋ねた。「先日、故郷に戻り、安静にして健康を管理している」と説明すると、安倍元首相は「うれしい」という言葉を2度繰り返した。来月の日本の参議院選挙が終われば、両国ともに今後2、3年間は選挙日程がなく、課題の解決に向けた環境が整う。
◆最大の問題は日本企業の資産現金化
尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日韓国大使内定者=多くの国民は「なぜ韓日関係を改善しなければいけないのか」「なぜ我々が譲歩しなければならないのか」という疑問を抱いている。韓日関係がなぜ重要なのか、国民を説得する作業が重要だ。韓日関係の悪化のため、我々の外交力の事実上半分以上は日本との外交問題で消耗している。外交部内の日本担当組織の補強などで対日外交インフラを強化する必要がある。
朴チョル熙(パク・チョルヒ)ソウル大教授=日本が米中競争、北朝鮮問題、ウクライナ戦争など国際情勢の大きな枠で韓国との関係改善の必要性を認め始めた。「過去の問題の解決が先だ」「韓国が問題をつくったので責任を負わなければいけない」という従来の立場から変わったということだ。現在、両国首脳間の関係改善意志は参謀陣がむしろ速度調節をするほど強い。
李祥ミン(イ・サンミン)共に民主党国会議員=政府が被害者に賠償して日本に求償権を行使する代位弁済方式を通じてひとまず現金化を避けなければいけない。代位弁済を骨子とする「文喜相(ムン・ヒサン)案」が文在寅(ムン・ジェイン)政権で不発になったが、民主党内でも代位弁済の趣旨に共感する意見が多かった。積極的な問題解決を先送りするために被害者中心主義を言い訳にしてはいけない。
◆代位弁済で危機を越えたドイツ・イタリア
崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士=強制徴用関連の韓国被害者-日本企業の対話環境をつくることが急がれる。被害者側は、今からでも日本企業が対話に応じれば韓国内の資産現金化を保留できるという立場だ。また、日本国内の強制徴用犠牲者遺骨送還推進、戦後B・C級戦犯にされて処罰を受けた韓国人に対する補償など、容易な問題から解決しなければいけない。
イ・グングァン・ソウル大教授=第2次世界大戦中にドイツに強制徴用されたイタリア人が提起した損害賠償訴訟を参考にできる。ドイツは今年4月、イタリアが自国判所の判決に基づきドイツ政府の資産を差し押さえると、国際司法裁判所に提訴した。これに対しイタリアは政府が自国の被害者の請求権を代位弁済することで強制執行の進行を中止する立法措置を取った。
柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交部長官=現金化という時限爆弾の雷管を除去する作業は、政府だけでなく民間の非政府組織(NGO)または国会で超党派的に取り組まなければいけない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の2005年、韓日会談関連の外交文書を公開しながら設立した官民合同委員会も参考にできる。
<危機の韓日関係、連続診断26>韓日和解はアジア恒久的秩序をつくる出発点(2)
この記事を読んで…