文前大統領
放送(2017年2月9日、JTBC番組)でこのように国民に約束した文前大統領は、最近、私邸の前でデモをする国民を代理人を通じて侮辱と虚偽事実による名誉毀損などで告訴した。それだけではない。「ドゥルキング」世論操作共謀疑惑で懲役2年を言い渡されて服役中の文前大統領の側近・金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道知事は「人を閉じ込めても真実を閉じ込めることはできない」と信じているという。(キム・ジョンスン夫人のSNSによると)「不合理な司法制度はどのように金慶洙に有罪判決をしたのか」というサブタイトルが付いた『金慶洙、世論操作、覆った真実』という著書も出るという。あきれるしかない。
金元知事の罪は「歴代最高の親政権(文在寅政権)司法府」という非難を受けてきた金命洙(キム・ミョンス)大法院長体制の裁判所が出したものだ。「金命洙司法府」は1審から3審まで一貫して金元知事の容疑を有罪と判断した。有罪を確定した大法院2部の主審の李東遠(イ・ドンウォン)最高裁判事は、2018年に金大法院長の推薦で最高裁判事になった。「積弊判決」であり抜け穴は全くないが、受け入れないという姿だ。
文前大統領は金元知事を「人間的に兄弟のようで政治的に最も頼もしい同志」(2014年3月)と表現した。この程度なら側近でなく血縁ではないのか。したがって文前大統領は、自身の血縁が大統領職の正統性まで揺るがす重大犯罪を犯したことについて、国民に謝罪すべきだった。朴槿恵(パク・クネ)元大統領の最側近「門番3人組」が世論操作関与容疑で有罪になったとすれば、文前大統領と民主党は朴大統領の謝罪を要求し、青瓦台の前に行ったはずだ。しかし文前大統領は謝罪どころか、金元知事の有罪確定から1年も経たないうちに彼の赦免を李明博(イ・ミョンバク)元大統領の赦免に組み入れる形で推進し、後に世論を意識してあきらめたという疑いを受けている。
金元知事の有罪確定は、国民の力が文在寅政権当時に野党として収めた唯一の成果だった。国民の力の前身の自由韓国党の院内代表だった金聖泰(キム・ソンテ)元議員が断食など極限闘争の末に特別検察官の捜査を実現させた。また、特検を引き受けた許益範(ホ・イクボム)弁護士が苦労して罪状を追跡して有罪を引き出した。金元院内代表の回顧だ。
「ドゥルキング一党の上層部にいて左遷された人の情報提供がきっかけになった。事案が重大でありその情報源に会うときは、車の通行が少ない地方都市の公営駐車場を利用した。情報源から提供された情報を私が連日暴露しながら国民の関心が急増すると、情報源は『さらに決定的な高級情報が私の携帯電話にある』として巨額を要求した。『ドゥルキングが金元知事を越えて最高上層部と接触して世論工作をした』というのがその高級情報の要旨と思われた」。
金元院内代表は「情報提供を金で買うのは不法だといって断ったが、こうした話が情報源の口から出たのであれば、ドゥルキングが権力の最高峰まで接触していた可能性が疑われる」と話した。追加の捜査で真相が究明されるべきということだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も大統領候補当時の昨年7月、SNSで同じく追加捜査の必要性を提起したのが目を引く。
「(2017年の民主党内選挙で)金正淑(キム・ジョンスク)夫人が『キョンインソン(ドゥルキング主導の親文組織)に行こう』と話す画面が残っていて、高位公職の総領事の席が取引に挙げられたのが表れた状況だ。…文大統領本人が世論操作を指示したり関与したりしたという主張は極めて常識的だ。本人も知らず『あしながおじさん』が世論操作をしたということか」。
文前大統領は、朴槿恵元大統領が側近の崔順実(チェ・スンシル)氏を「秘線」に使って国政を壟断した容疑で弾劾され、大統領になった。本人は息子の公共支援金受領問題、婿の就職特恵疑惑など側近を越えて家族に提起されたスキャンダルまで沈黙で一貫した。青瓦台に立場を聞くと「家族については言及しないのが原則」という疑わしい答弁が返ってきた。
暴言デモは問題だ。反対する。しかし文前大統領は李明博・朴槿恵元大統領の私邸の前でこうしたデモが行われた当時、やめさせるふりさえもしなかった。そして自身の私邸の前でデモする国民に対してはすぐに告訴した。退任後にも「ネロナムブル(二重スタンダード)」をするという皮肉も言い過ぎではないようだ。
カン・チャンホ/論説委員
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