外交官の李俊揆(イ・ジュンギュ)を描写する言葉の一つは「底力」だ。1978年に外交部入りし、外交官として生涯を生きてきた李俊揆(イ・ジュンギュ)元大使(68)は特有の推進力と気さくな性格で駐日大使および駐インド大使など要職を歴任し、2020年に韓国外交協会会長に就任した。
元現外交官およそ2000人からなる同協会が8日に50周年を迎える。半世紀にわたり韓国の外交を支える役割をしてきた。8日にはソウル市内のホテルで50周年レセプションも開く。朴振(パク・ジン)外交部長官が祝辞を述べ、外交界の大先輩の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長も出席する。李俊揆会長に会って韓国の外交について尋ねた。以下は一問一答の要旨。
--韓国の地位が成長しただけに外交の役割も進化するべきだが。
「国家の地位は変わったが、外交の原則は変わらない。外交とは自分が会うすべての人たちを味方にするというのが原則だ。韓国はもうグローバル中枢国を目指すほど地位が高まったし、過去の開発途上国時代の外交官が経験したものとは外交環境も変わった。一線の外交官は先進国の外交官と堂々と会い、開発途上国の外交官に会えば謙遜を忘れてはいけない。そうしてこそみんなを味方にできる。国家発展のために外交が重要であることを忘れてはいけない」
--外交官に対して特定の固定観念が存在するが。
「2つの偏見があるのではないかと思う。まず、外交官は外見はそれらしくても正直でないという偏見だが、おそらく映画や書物のイメージのためではないかと推測する。外交官の基本は人に会って信頼を得ることであり、好感を与える外見と態度は必須であるため、固定観念が生じたのはでないかと思う。ほとんどの外交官は実際に会ってみると、想像とは違ってかなり良い人たちではないだろうか(笑)。2つ目は、おそらく外交官、さらに外交部が他国との友好的関係維持のために実質的な国益を度外視するのではということだ。断言するが、外交官は国益を最優先に考える。特定の交渉で外交部が他の部処と比較して相手国の立場を配慮するように見えるのは、総合的にその国との長期的な関係での国益を追求するためであり、決して相手国の利益のためではないと話しておきたい」
--新政権が発足したが、韓半島(朝鮮半島)に必要な外交および外交官の役割を挙げてほしい。
「韓国は強大国に囲まれているうえ、南北分断という特殊性を持つ。それで韓国の外交官は誰よりも多くのことを勉強して活動しなければいけない。北に対しても堂々と言うべきことは言うものの、人道的な見地で包容する寛大な心も必要だとみる」
--駐日大使を務めたが、韓日関係はどう改善させていくべきか。
「最も大きな問題は相互信頼がなくなり、対話の通路も断絶したということだ。関係改善のきっかけは信頼の回復が第一歩となる。我々としては大統領と新政権の対日関係改善意志が強いということを伝える必要があり、日本側は『解決策は韓国が持ってくるべき』という傍観者的な姿勢から抜け出して、韓国の善意を積極的に受け入れる姿勢を持たなければいけない。また政府が韓日関係の改善努力をすることになれば、国内の一部の反対に直面するはずだが、これをうまく克服しなければならず、したがって執権初期に迅速に礎石を築く必要がある」
--米中対立局面で韓国の外交の道は。
「米国と中国の対立が激化する局面で、我々だけ被害なく利益を得るという妙策はない。我々が米国の同盟国という変わらない事実を定数に置いて、中国との関係をうまく管理していくという基本原則を立てて、具体的な政策はその時々の状況に合わせて最適な均衡点を見いだす努力をするしかない。ある程度の被害は覚悟しておくことが重要だ」
--韓国外交協会の過去50年の成果と今後の抱負を聞かせてほしい。
「協会が50周年を迎えたというのは、それだけ大韓民国の外交の年輪と経験が積み重なったということだ。こうした無形の資産を基礎に、協会は韓国の外交発展のために積極的に寄与していきたい。政府の外交活動の支援はもちろん、国民にも外交懸案を知らせて外交を身近に感じてもらいたい。長期的には外交安保分野の権威ある研究所を設立したいという抱負もある。外交協会は50年だが、韓国の外交は1948年から74年の年輪を持つ。外交官の経験と知恵を貴重な資産として積極的に活用すればよい。外交官の低下した士気を高めるためにも政府が配慮すればよい」
元現外交官およそ2000人からなる同協会が8日に50周年を迎える。半世紀にわたり韓国の外交を支える役割をしてきた。8日にはソウル市内のホテルで50周年レセプションも開く。朴振(パク・ジン)外交部長官が祝辞を述べ、外交界の大先輩の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長も出席する。李俊揆会長に会って韓国の外交について尋ねた。以下は一問一答の要旨。
--韓国の地位が成長しただけに外交の役割も進化するべきだが。
「国家の地位は変わったが、外交の原則は変わらない。外交とは自分が会うすべての人たちを味方にするというのが原則だ。韓国はもうグローバル中枢国を目指すほど地位が高まったし、過去の開発途上国時代の外交官が経験したものとは外交環境も変わった。一線の外交官は先進国の外交官と堂々と会い、開発途上国の外交官に会えば謙遜を忘れてはいけない。そうしてこそみんなを味方にできる。国家発展のために外交が重要であることを忘れてはいけない」
--外交官に対して特定の固定観念が存在するが。
「2つの偏見があるのではないかと思う。まず、外交官は外見はそれらしくても正直でないという偏見だが、おそらく映画や書物のイメージのためではないかと推測する。外交官の基本は人に会って信頼を得ることであり、好感を与える外見と態度は必須であるため、固定観念が生じたのはでないかと思う。ほとんどの外交官は実際に会ってみると、想像とは違ってかなり良い人たちではないだろうか(笑)。2つ目は、おそらく外交官、さらに外交部が他国との友好的関係維持のために実質的な国益を度外視するのではということだ。断言するが、外交官は国益を最優先に考える。特定の交渉で外交部が他の部処と比較して相手国の立場を配慮するように見えるのは、総合的にその国との長期的な関係での国益を追求するためであり、決して相手国の利益のためではないと話しておきたい」
--新政権が発足したが、韓半島(朝鮮半島)に必要な外交および外交官の役割を挙げてほしい。
「韓国は強大国に囲まれているうえ、南北分断という特殊性を持つ。それで韓国の外交官は誰よりも多くのことを勉強して活動しなければいけない。北に対しても堂々と言うべきことは言うものの、人道的な見地で包容する寛大な心も必要だとみる」
--駐日大使を務めたが、韓日関係はどう改善させていくべきか。
「最も大きな問題は相互信頼がなくなり、対話の通路も断絶したということだ。関係改善のきっかけは信頼の回復が第一歩となる。我々としては大統領と新政権の対日関係改善意志が強いということを伝える必要があり、日本側は『解決策は韓国が持ってくるべき』という傍観者的な姿勢から抜け出して、韓国の善意を積極的に受け入れる姿勢を持たなければいけない。また政府が韓日関係の改善努力をすることになれば、国内の一部の反対に直面するはずだが、これをうまく克服しなければならず、したがって執権初期に迅速に礎石を築く必要がある」
--米中対立局面で韓国の外交の道は。
「米国と中国の対立が激化する局面で、我々だけ被害なく利益を得るという妙策はない。我々が米国の同盟国という変わらない事実を定数に置いて、中国との関係をうまく管理していくという基本原則を立てて、具体的な政策はその時々の状況に合わせて最適な均衡点を見いだす努力をするしかない。ある程度の被害は覚悟しておくことが重要だ」
--韓国外交協会の過去50年の成果と今後の抱負を聞かせてほしい。
「協会が50周年を迎えたというのは、それだけ大韓民国の外交の年輪と経験が積み重なったということだ。こうした無形の資産を基礎に、協会は韓国の外交発展のために積極的に寄与していきたい。政府の外交活動の支援はもちろん、国民にも外交懸案を知らせて外交を身近に感じてもらいたい。長期的には外交安保分野の権威ある研究所を設立したいという抱負もある。外交協会は50年だが、韓国の外交は1948年から74年の年輪を持つ。外交官の経験と知恵を貴重な資産として積極的に活用すればよい。外交官の低下した士気を高めるためにも政府が配慮すればよい」
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