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米国「北朝鮮送還の脱北者に拷問・暴力」vs中国「不法越境者」…国連で衝突

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国連が最近、脱北者強制送還の実態に関して中国に責任ある行動を求めたのに続き、米国も「組織的な人権侵害が行われている」とし、公に懸念を示した。しかし、中国側は「脱北者は難民ではなく中国の法を破る『不法越境者』」とし、国連に公正かつ客観的な見方をすることを求めた。

◆米国「北朝鮮、脱北者の送還を圧力」…中露を名指しした国連

21日(現地時間)に開催された国連人権理事会の相互対話でダニエル・マーフィー駐ジュネーブ米国代表部担当官は「(北朝鮮)当局は他国に脱北者を送還するように圧力を行使している」とし、「強制送還された脱北者は拷問や強制中絶など性暴行にさらされている」と指摘した。続けて「拷問、奴隷化、強制拘禁など北朝鮮の広範囲かつ組織的な人権侵害を深刻に懸念している」と述べた。この他、国境を越えた場合、射殺を命じるなど、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)以降、北朝鮮住民に対する抑圧が強化されたとも批判した。


トーマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権特別報告官もこの日、国連人権理事会に提出した任期中最後の報告書で「約1500人の脱北者が中国で不法移民として拘禁されたものと推定され、中朝の国境が開かれた後、脱北者が北朝鮮に送還されるおそれがある」と指摘した。キンタナ報告官はこの日発表した声明でも「強制送還された脱北者を対象に任意の拘禁や虐待が行われるおそれが広がっている」とし「『管理所』と呼ばれる政治犯収容所に連行される懸念もある」と述べた。

特にこの日の報告書では国際法上、難民の強制送還を禁止する規則の「ノン・ルフールマン(non-refoulement)」を強調し、中国とロシアを名指しした。中露が国連の拷問等禁止協約と難民条約の当事国に当たるため強制送還禁止の原則を守る義務があると指摘した。

脱北者出身で英国で活動する人権活動家パク・ジヒョン氏もこの日、国連を監視する非政府機関「国連ウォッチ」の代表として出席し、「北朝鮮の女性が人身売買で中国の男性に売られていき、強制的に妊娠させられて北朝鮮に送還され、残酷な強制中絶など恐ろしい結末を迎えている」と話した。

◆中国「脱北者が違法行為を犯す…国連は公正に」

強制送還に関して国連で全方位から指摘を受けた中国側は、脱北者の難民としての地位を否定した。張軍駐ジュネーブ中国代表部公使は「中国は(キンタナ)特別報告者の報告書に記された『不法越境者(illegal border crosser)』問題について憂慮を示す」とし「(脱北者は)難民ではなく、中国法に違反して秩序整然とした出入国の手続きに害を及ぼした」と主張した。

続けて「中国は国際法と人道主義的観点からこの問題を扱っていく」とし、「特別報告官が正しい視点を持って事案にアプローチすることを望み、公正かつ客観的な形で任務を遂行するように」と反発した。キンタナ報道官が同日の報告書で中国に言及し、強制送還禁止規則の順守を求めたことに反論したわけだ。

また、「世界各地で過去数世紀の間、『原住民』に対する人権蹂躙が行われ、彼らの土地、資源、文化が抹殺された」と批判したが、「原住民人権蹂躙」問題は中国が以前からよく米国、カナダなど西側諸国に向けて言及する問題だ。

一方、国連人権理事会によると、同日の相互対話では欧州連合(EU)と28カ国、5つの市民団体代表が発言したという。北朝鮮は発言権を行使せず、李泰鎬(イ・テホ)駐ジュネーブ韓国代表部大使は、北朝鮮に対してワクチンの受け入れ、離散家族再会再開のための対話に応じることを求めた。



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