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国連北朝鮮人権報告者の最後の勧告「北人権財団作りワクチン支援すべき」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国政府は2016年に施行された北朝鮮人権法に基づき北朝鮮人権財団事務室を設けたが、理事選任などの問題で財団発足は6年にわたりずれ込んでいる。統一部は2018年6月に「財政的損失」を理由に財団事務室の賃貸契約まで終了した状態だ。[中央フォト]

国連のキンタナ北朝鮮人権特別報告者が韓国政府に向け北朝鮮人権財団を設立し北朝鮮との交渉で北朝鮮の人権問題を主要議題に設定するよう勧告した。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が17日に公開したキンタナ報告者の北朝鮮人権報告書にはこうした勧告とともに「北朝鮮の人権を改善するために国際社会の対北朝鮮処理方式に重大な変化を促す」という内容が盛り込まれた。

◇キンタナ氏最後の「北朝鮮人権報告書」

今回の報告書は21日に予定された国連人権理事会に合わせてまとめられた。キンタナ報告者はこれに先立ち先月15~23日に北朝鮮の人権状況と韓国の北朝鮮人権政策に対する情報を収集するため訪韓し、これを基に最終報告書を作成した。キンタナ報告者の任期が8月で満了するという点を考慮すれば事実上北朝鮮人権向上に向けたキンタナ報告者の最後の勧告と提言が盛り込まれた報告書となる。


キンタナ報告者は報告書を通じ北朝鮮当局に13種類、韓国政府には6種類の勧告事項を提示した。具体的には▽北朝鮮住民に対するワクチン接種保障▽住民の移動権と国際機関・外交官入国に向けた国境開放▽韓流など外部文化と資本主義的生活方式を禁止する反動思想文化排撃法廃止などを北朝鮮に注文した。

◇韓国の「北朝鮮の人権問題見ぬふり」指摘

韓国政府に対する勧告事項には▽対北朝鮮交渉に北朝鮮人権問題を連動し▽北朝鮮人権財団を設立し▽脱北者保護努力を強化するようにとの内容などが盛り込まれた。特に北朝鮮人権財団の場合、これに先立ち2016年に北朝鮮人権法が施行されたが,この法に規定された財団設立が6年にわたり先送りされているという点を考慮した勧告と解説される。また「脱北者保護努力」もやはり2019年11月に漁船に乗って北方限界線(NLL)を越えてきた北朝鮮船員2人を北朝鮮に強制送還した韓国政府の立場では耳の痛い指摘だ。

キンタナ報告者は国際社会もやはり北朝鮮の人権状況を改善するための努力に参加すべきと促した。特に国際社会が北朝鮮に新型コロナウイルスワクチン6000万回分を支援するのに合意すべきという点を強調した。これと関連しキンタナ報告者は「6000万回分のワクチンは北朝鮮住民全体が最小2回以上接種できる規模。ワクチン支援は北朝鮮が国境を開放し外部との対話を再開できる基本的な条件に当たる」と話した。

◇「国境封鎖で北朝鮮の人権さらに悪化」

キンタナ報告者は自身が北朝鮮人権特別報告者として活動を始めた2016年以降、北朝鮮の人権状況が次第に悪化したと主張した。キンタナ報告者は「北朝鮮の食糧危機悪化と国民の自由に対する厳格な統制、(国境封鎖による)孤立の強化など北朝鮮の人権状況に対して深刻に懸念している」と話した。2020年から本格化した新型コロナウイルスのパンデミックとそれにともなう北朝鮮の国境封鎖で北朝鮮の閉鎖性と食糧難が悪化し、人権状況もやはり最悪に突き進んでいるという意味だ。

報告書には中国とロシアなど第三国に脱出した脱北者の人権問題を指摘する内容も盛り込まれた。これと関連してキンタナ報告者は強制送還禁止原則である「ノン・ルフールマン原則」に言及し、「強制送還時に人権侵害の恐れがある脱北者の場合にはこうした原則を強く適用すべき」と強調した。

報告書によると、現在中国には強制送還された場合に深刻な人権侵害に直面すると予想される脱北者1500人ほどが「違法移民者」として拘禁されている。彼らは中朝国境が開かれれば北朝鮮に強制送還される可能性が大きいと指摘されている。



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