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オミクロン株が無差別拡散…防疫緩和で無防備の韓国政府

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
新型コロナウイルスのオミクロン株で感染者が急増している中、韓国政府がまた防疫を緩和した。

18日0時基準で一日の新規感染者は40万7017人と、前日より21万人減少したものの、依然として世界最多水準だ。アワー・ワールド・イン・データによると、人口100万人あたりの新規感染者数は7500人(7日移動平均基準)で最も多い。英国は1月初め、米国は1月末にピークを迎えて以降、落ち着いている。問題は韓国国内のピークがいつになるか分からない点だ。米国や英国の場合、オミクロン感染者が急増し始めてから約4週後に新規感染者数がピークとなった。韓国は1月末以降、急激な増加傾向が続いている。人口100万人あたりの新規感染者は250人前後であり、7週間で30倍に増えた。

政府はこれほどの感染者急増を全く予測できていなかった。金富謙(キム・ブギョム)首相は1月25日、「政府と仕事をする専門家は3万人程度でピークを迎えると予想している」と述べた。2月7日には鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長が「2月末に感染者が13万-17万人になる」と予想した。専門家らは、感染によって自然免疫を得た人が少なく、人口が密集する韓国の特性を考慮しなかったのが問題だ、と指摘した。高麗大のチェ・ジェウク教授(予防医学科)は「2月に入ってオミクロン株が広がり始める時から政府はすべての防疫を放棄して放置し、現在はマスクを外していないだけで国民はほとんどコロナ以前のように生活している」とし「国民の犠牲を前提に集団免疫を実験した格好」と述べた。


この日、過去2番目に多い301人がコロナで死亡した。感染者の規模に比べて死亡者数が多くないのは事実だ。しかし100万人あたりの死亡者は5.11人とかなり多い。米国と英国の場合、感染者数のピークから2週-4週後に死亡者数が増えた。現在ピークを通過していると仮定しても、来月までは死亡者が増える可能性があるということだ。高麗大九老病院の金宇柱(キム・ウジュ)感染内科教授は「季節性インフルエンザによる死亡者は年間2000-3000人である半面、コロナによる死亡者はすでに1万人を超えた」とし「インフルエンザの致死率は0.01%だが、新型コロナは0.14%であり、高齢者は致死率が高まるが、政府はむしろ防疫を緩和した」と批判した。

◆医師協「コロナ患者が多数死亡する可能性高い」

こうした状況で政府は現行6人の私的な集まりの人数制限を8人まで増やす防疫調整案を出した。飲食店など大衆利用施設の営業時間制限は午後11時に維持することにした。21日から来月3日まで2週間施行される。権徳チョル(クォン・ドクチョル)中央災難安全対策本部第1次長(保健福祉部長官)は18日、「オミクロン株の大流行と医療対応体系の負担、流行ピーク予測の不確実性を考慮すると、大幅な緩和は懸念される」とし「自営業者の生業の苦痛を減らし、国民の日常生活の不便を考慮し、人数制限を小幅調整することで、激論の末に結論を出した」と説明した。

これに先立ち防疫調整案を議論した日常回復支援委員会では分科別に意見が分かれた。中央災難安全対策本部によると、防疫医療分科側の専門家はまだピークを迎えていない状況での防疫緩和は不適切であり、ピーク後に緩和すべきだという意見を出した。半面、経済民生分科では防疫の効果性低下と民生経済の困難を挙げて防疫緩和を主張した。社会文化・自治安全分科では現行維持と防疫緩和の意見が半分ずつ出てきた。

政府が防疫を小幅緩和したのは、まだ流行ピークが確認されていない点が大きな負担として作用したからだ。ピークが明確になって減少に転じ、医療体系が十分に対応できると評価できるまで防疫全面解除は危険ということだ。中央災難安全対策本部のイ・ギイル第1統制官(保健医療政策室長)は「現在は(流行)ピークに近いとみている」とし「今週または遅くとも来週にはピークが表れるだろう」と話した。

大韓医師協会新型コロナ対策専門委員会はこの日、「コロナ患者の適切な治療のための医療機関移送が事実上中断した状態であり、多数の死亡者が発生する可能性が高い」とし「防疫緩和の中止を強く求める」と反発した。医師協は「現在の死亡者数でも人口に対する比率は世界最高水準だが、ここには短い隔離期間解除後に死亡した人たちは含まれていない」とし「オミクロン感染後に基礎疾患が悪化して死亡する人も増えていて、現在集計されている死亡者数はむしろ過小評価されている可能性がある」と主張した。

専門家らは「ウィズコロナ」に転換する方向は間違っていないが、どんぶり勘定式に推進するのは問題だと指摘した。正確なピーク時期と規模に関する予測も十分な対応策もない状態では被害ばかりが拡大するということだ。梨大木洞病院のチョン・ウンミ呼吸器内科教授は「治療剤パクスロビドをうまく使用するだけでも致命率を低めることができるが、今は初期に特に症状がなければ処方もせず電話もしない」とし「政府が本当にオミクロン株をインフルエンザのように考えるのなら、感染者がいつでも対面診療、治療剤を受けることができるシステムから構築すべきだった」と話した。

今月4日にも政府は防疫を1週間操り上げて緩和した。当時、新規感染者数は26万人を超え、連日過去最多を更新していたうえ、防疫パスや濃厚接触者隔離など主な防疫措置が一度に解除された時期だった。結局、一日の新規感染者数が60万人まで増えた。嘉泉大学予防医学科のチョン・ジェフン教授は「ワクチンで得た免疫と感染で得た免疫ともに時間が経過すれば弱まる」とし「新型コロナは生命を失わなくてもいくつか副作用が生じる危険な感染病だ」と話した。チェ・ジェウク教授は「今からでも国民に対して、感染者が世界で最も多く、オミクロン株の死亡者だけで5000人を超えるかもしれない現実を知らせて、防疫に努めるよう強く呼びかけるべきだ」と指摘した。



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