法律事務所の弁護士であるユさんは昨年８月に加入したドル預金を最近解約した。ドル預金はウォンをドルに替えて預金して、ドルの価値が上がれば再びウォンに替えて為替差益を得る商品だ。ユさんは為替相場１ドル＝１１４０ウォン台の時に８０００万ウォンほど入れ１２００ウォンに迫ると引き出した。５カ月で稼いだ金額は４００万ウォンほどだ。彼は「ドル高が１２００ウォン台まで上がり、さらに多くの収益を出すのは難しいと考えた」と話した。

１ドル＝１２００ウォン水準を超えるドル高になり投資家が保有していたドルを売っている。

２１日の韓国銀行によると、韓国国内居住者が保有するドル預金残高は昨年１１月に８８８億ドルで過去最高を記録してから２カ月連続で減っている。先月末の残高は７８９億２０００万ドルで、２カ月前より９８億８０００万ドル減少した。先月末の企業のドル預金は６３１億ドルで前月より２９億１０００万ドル減り、個人のドル預金は１５８億２０００万ドルで１１億３０００万ドル減少した。個人のドル預金残高は２０２０年８月の１５７億４０００万ドル以降で最も少なかった。韓国銀行は「ドル高の余波で個人がドルを売った上に、企業の海外投資資金と輸入決済代金が引き出されてドル預金が減った」と説明した。


為替相場は昨年１２月末の１ドル＝１１８８．８０ウォンから先月末には１２０５．５０ウォンと１カ月間で１６．７０ウォンのウォン安ドル高となった。最近では小幅に上がり２１日には１１９２．１０ウォンで引けた。

多くの専門家はドル高ウォン安基調が当分続くとみている。米国の強い通貨緊縮政策がその根拠だ。米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）が基準金利を上げて量的緊縮に突入すれば市中に出す放出するドルが減りドルの価値が上がることになる。ここにロシアとウクライナの武力衝突への懸念から安全資産であるドル需要が大きくなるのもウォン安をあおる要因だ。新韓銀行エコノミストのペク・ソクヒョン氏は「米国の緊縮にロシアのウクライナ侵攻のような悪材料が重なれば為替相場は１ドル＝１２３０ウォンまでドル高が進む可能性がある」と予想する。

現水準から大きく動かないだろうという主張もある。ハイ投資証券エコノミストのパク・サンヒョン氏は「ドル高が１２００ウォン水準を超えれば政府の介入と輸出企業のドル売りで制限を受ける様相。（ウクライナ）戦争の現実化で原油価格が１００ドルを超える状況が発生しなければ１２００ウォン台初め水準は依然として抵抗線の役割をするだろう」と分析した。

これによりドル預金に対する投資戦略も交錯する。ハナ銀行道谷（トゴク）ＰＢセンター長のチュ・ミョンヒ氏は「ＦＲＢが来月に基準金利を引き上げるころに為替相場変動性が大きくなりなけないため、その時までは外貨預金を保有するのが良いとみる」と助言した。これに対しある証券会社関係者は「欧州が緊縮に入れば米国以外の国の通貨が強くなりドル高は足踏みするだろう。１２００ウォン付近で外貨預金を整理するのが安全だ」と話した。