今回も同じだ。「厚さ3尺の氷は1日の寒さで作られたのではない」(氷凍三尺非一日之寒)という言葉のように、今年の北京冬季五輪で爆発した韓中の国民感情もやはり累積した結果だ。その根元は2016年から始まった中国の高高度防衛ミサイル(THAAD)報復とみるべきだろう。2015年まで蜜月関係を謳歌していた韓中関係は2016年1月初めの北朝鮮の核実験で破局を迎える。北東アジア情勢を揺さぶる緊急状況を迎えたが韓国首脳の電話も受けない中国のやり方があらわれ、見た目は見栄えがいいが実際にはおいしくない見かけ倒しの韓中関係の限界があらわれたのだ。
6年が過ぎても解かれない中国のTHAAD報復に、近年に入りキムチと韓服など韓国固有の文化がいずれも中国で始まったかのように宣伝する中国のあきれた「万物中国起源論」が加わり韓国内の反中感情は過去最高を記録中だ。これに対し中国は次第に厳しくなる経済と米国など西側の圧力に対応しようとする政治論理により継続して愛国主義を強調し自ら退路を断つも同然の危険な姿を見せている。こうした状況でむしろ韓中関係が良くなるならばおかしなことだ。
それでも韓中とも隣国との関係をこのまま放置すべきなのか。それは違うだろう。2008年の北京五輪の際に両国関係が悪化すると韓中とも格別の努力を傾けた。当時中国に居住する韓国僑民は謙虚で暖かい気持ちで接しようというキャンペーンを行い、それなりに成果を上げた。そして当時中国の胡錦涛国家主席は北京五輪が閉幕してわずか13時間で韓国訪問に向かう誠意を見せた。中国国家主席が在任中に韓国を2回も訪れるのは胡主席が初めてだった。そうした両国の努力を基に韓中関係は歴史戦争と文化戦争から抜け出し正常軌道に進入できた。
それならば今年の北京冬季五輪を通じて確認した韓中両国の隙間はどのように埋めるべきか。だれがシャベルを手にするのか。これと関連し男子ショートトラック1500メートルで金メダルを取った黄大憲(ファン・デホン)が8日に自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿した米バスケットボールの皇帝マイケル・ジョーダンの言葉が示唆するところ大きい。「障害が君を立ち止まらせるのではない。壁に会っても戻ったりあきらめたりするな。どのようにその壁を上がるのか解決策を見出してその壁を乗り越えろ」。黄大憲はこの言葉を自身がメダルを取った時ではなく失格判定を受けた時に投稿した。韓中関係は難しい。難しいがみんなで方法を探さなければならない。そうした努力は良い時より難しい時にするのが正しいのではないか。
ユ・サンチョル/中国研究所所長
【コラム】なぜ北京五輪が開かれるたびに韓中関係は奈落に落ちるのか(1)
6年が過ぎても解かれない中国のTHAAD報復に、近年に入りキムチと韓服など韓国固有の文化がいずれも中国で始まったかのように宣伝する中国のあきれた「万物中国起源論」が加わり韓国内の反中感情は過去最高を記録中だ。これに対し中国は次第に厳しくなる経済と米国など西側の圧力に対応しようとする政治論理により継続して愛国主義を強調し自ら退路を断つも同然の危険な姿を見せている。こうした状況でむしろ韓中関係が良くなるならばおかしなことだ。
それでも韓中とも隣国との関係をこのまま放置すべきなのか。それは違うだろう。2008年の北京五輪の際に両国関係が悪化すると韓中とも格別の努力を傾けた。当時中国に居住する韓国僑民は謙虚で暖かい気持ちで接しようというキャンペーンを行い、それなりに成果を上げた。そして当時中国の胡錦涛国家主席は北京五輪が閉幕してわずか13時間で韓国訪問に向かう誠意を見せた。中国国家主席が在任中に韓国を2回も訪れるのは胡主席が初めてだった。そうした両国の努力を基に韓中関係は歴史戦争と文化戦争から抜け出し正常軌道に進入できた。
それならば今年の北京冬季五輪を通じて確認した韓中両国の隙間はどのように埋めるべきか。だれがシャベルを手にするのか。これと関連し男子ショートトラック1500メートルで金メダルを取った黄大憲(ファン・デホン)が8日に自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿した米バスケットボールの皇帝マイケル・ジョーダンの言葉が示唆するところ大きい。「障害が君を立ち止まらせるのではない。壁に会っても戻ったりあきらめたりするな。どのようにその壁を上がるのか解決策を見出してその壁を乗り越えろ」。黄大憲はこの言葉を自身がメダルを取った時ではなく失格判定を受けた時に投稿した。韓中関係は難しい。難しいがみんなで方法を探さなければならない。そうした努力は良い時より難しい時にするのが正しいのではないか。
ユ・サンチョル/中国研究所所長
【コラム】なぜ北京五輪が開かれるたびに韓中関係は奈落に落ちるのか(1)
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