北京冬季五輪マスコットの「ビンドゥンドゥン」が中国で大きな人気を得ているとＡＰやロイター通信など外信が相次いで報道した。

ビンドゥンドゥンは氷でできたスーツを着たパンダだ。氷を意味する「ビン」と活気に満ちる子どもを表現する言葉である「ドゥンドゥン」を組み合わせた名前だ。ビンドゥンドゥンを活用したグッズは人形、キーホルダー、バッジ、マグネット、衣類など多様だが、その中でも代表的な商品は人形だ。価格は１６７元（約３０００円）だ。

中国全域の五輪記念品公式ショップにはビンドゥンドゥングッズを買うために連日長い列ができた。ロイター通信は９日、「ある３０代の男性が平日夕方に売り場に行ったところ１２００人余りが並んでいた」と伝えた。ＵＳＡトゥデイは１２日、「ある女性は南京のショップ前で１１時間待ってビンドゥンドゥンを買った」と伝えた。


爆発的な人気に供給が追いついていない。ヤフースポーツによると、ビンドゥンドゥンが予想より人気を集めた上に、旧正月連休期間の１月３１日から２月４日まで製造工場が休業したため生産に支障が出た。ビンドゥンドゥン製造工場は北京と福建省晋江、江蘇省南通の３カ所にあるが、そのうち晋江の工場は５０万個の注文を受けた。１日の生産能力は４０００個で、５０万個を生産するには４カ月かかる。これに対し組織委はビンドゥンドゥングッズを少なくとも６月まで生産し販売する予定だ。

品切れが起き１人当たり１個ずつに購入を制限している。ＡＦＰ通信は「ビンドゥンドゥン人形を転売する中古取引が増加している。価格が１０倍以上上がっている」と伝えた。コピー商品も増えている。ビンドゥンドゥン形のケーキや金のアクセサリーなどが中国のソーシャルメディアで販売されている。

中国当局はビンドゥンドゥンを盗用した商品を販売する業者を大々的に摘発している。中国のウェイボー、シナドットコムなどは１４日、「ビンドゥンドゥン人形を生産して販売した業者に懲役１年と罰金４万元が宣告された。これは北京五輪マスコット著作権侵害に関連した中国初の刑事事件」と伝えた。サウス・チャイナ・モーニング・ポストは「ビンドゥンドゥン製品が安価で大量に販売されているならば本物のビンドゥンドゥングッズではない」と強調した。

ビンドゥンドゥンの人気は五輪へのアクセス性が落ちるためだとの分析が多い。ヤフースポーツは「中国人が競技を観覧できなくなり、マスコットの購入に情熱的になった」とした。当初組織委は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外国人の観覧は禁止したが中国人の観覧は認めていた。しかし先月中国内でオミクロン株が見つかり、招かれた一部の中国人だけが観覧できるようにした。