北京冬季オリンピック(五輪)現場を生中継していた外国人記者が中国の警備関係者の妨害を受け、波紋が広がっている。国際オリンピック委員会(IOC)は5日(現地時間)、「一度だけのこと(one-off)」と釈明したが、この記者は「北京五輪取材中こうした妨害を受けたのは初めてでない」と反論した。
◆生放送中に中国警備関係者が乱入
今回の件はオランダ公営放送局NOSの中華圏特派員ショード・デン・ダース記者が4日午後、五輪開会式が開催された北京国家体育場の外で生放送をしている途中に発生した。マイクを持ったダース記者が報道を始めると、突然、腕に赤い腕章をつけた警備関係者がカメラの前に乱入した。記者は報道を続けようとしたが、この男性は大きな声を出しながら記者を押しながらカメラから遠ざけた。
この姿はそのまま生中継され、オランダ現地スタジオのアナウンサーも驚きの表情を隠せなかった。結局、生中継は中断され、記者は数分後に場所を近くの駐車場に移して中継を再開した。
IOCのマーク・アダムス報道官は5日、「遺憾だ」としながらも「誰かが過度に熱情的(overzealous)に行動したようだ」とし、警備関係者個人のミスであることを強調した。
続いて「その後、記者は関係者の支援でまたカメラの前に立つことができた。このようなことは一度だけだと考える。取材陣は閉鎖ループ内で取材活動を続けると確信する」と述べた。中国が北京五輪で稼働する防疫体系の閉鎖ループは、選手団や取材陣が北京市民と接触できないよう規定された施設とルート内にとどめるものだ。
◆記者「五輪取材中に何度か妨害」
しかしダース記者はこの日、ツイッターで「この数週間、五輪に関するテーマを報道する過程で、数人の海外の同僚(記者)と同じように警察に何度か妨害または制止された」と吐露した。続いて「このようなことが生放送中には多く起きないが、IOCの主張のように一度だけのことだとは考えにくい」と指摘した。NOSも「残念なことに、このようなことは中国にいる取材陣には日常的なことになっている」という立場を明らかにした。
ダース記者によると、取材チームは4日午後7時前、北京国家体育場の周辺で撮影していたが、警察が「この空間を統制するので離れてほしい」と要求した。取材チームはこの要求に従って場所を移して生放送を始めた。ところが突然「公共安全支援奉仕者」と書かれた赤いバッジをつけた男性が事前警告なく強制的に記者を画面から引き離したという。
ダース記者は「別の人は我々の照明を持っていった」とし「我々が質問をしても、彼らは我々に何の問題があったのか話せなかった」と伝えた。
◆海外記者99%「取材環境が国際基準に合わない」
外国の記者は海外メディアに対する中国の抑圧的な取材環境を見せる事例として今回の件に注目している。ロイター通信とニューズウィークは6日、五輪期間に中国を訪問した海外メディアが自由に取材できるかどうか懸念されると伝えた。ガーディアンは今回の件を報道しながら「中国は2021年、国境なき記者団の世界言論自由指数で180カ国のうち177位だった」と指摘した。
実際、先月31日のアクシオスによると、中国海外記者クラブ(FCCC)が北京冬季五輪を控え、海外記者127人を相手にアンケート調査をした結果、99%が「取材環境が国際基準に合わない」と答えた。また62%は「警察や他の公務員から少なくとも一度は妨害を受けた」と答えた。回答者の25%は「取材員が警察に一度以上は制裁を受けたり、拘禁されたり、調査を受けたりした」と伝えた。
FCCCは報告書を通じて「中国当局が過度に脅迫し、中国での取材活動が前例のない障害に直面している」と評価した。
◆IOCの対処に批判も…中国メディア「制止は正当」
IOCの対処も適切性をめぐる論争を呼んでいる。オーストラリアABCはIOCが中国警備関係者の行動を「過度に熱情的」と表現したことを指摘し、「IOCが事案の深刻性を縮小している」と批判した。またIOCは「放送局のNOSと連絡を取った」と明らかにしたが、NOSは「ダース記者はもちろん、放送局の誰も今回の事案に関連してIOC側の連絡を受けていない」と否認した。
中国メディアは今回の事案を記者の問題とした。グローバルタイムズは「オランダ取材陣は北京警察が五輪開会式当時に『臨時統制する』と通知した地域を出入りし、該当記者は要員に出入証を提示しなかった」とし「要員の制止は正当であり、今回の事案の責任はオランダ取材陣にある」と報じた。
◆生放送中に中国警備関係者が乱入
今回の件はオランダ公営放送局NOSの中華圏特派員ショード・デン・ダース記者が4日午後、五輪開会式が開催された北京国家体育場の外で生放送をしている途中に発生した。マイクを持ったダース記者が報道を始めると、突然、腕に赤い腕章をつけた警備関係者がカメラの前に乱入した。記者は報道を続けようとしたが、この男性は大きな声を出しながら記者を押しながらカメラから遠ざけた。
この姿はそのまま生中継され、オランダ現地スタジオのアナウンサーも驚きの表情を隠せなかった。結局、生中継は中断され、記者は数分後に場所を近くの駐車場に移して中継を再開した。
IOCのマーク・アダムス報道官は5日、「遺憾だ」としながらも「誰かが過度に熱情的(overzealous)に行動したようだ」とし、警備関係者個人のミスであることを強調した。
続いて「その後、記者は関係者の支援でまたカメラの前に立つことができた。このようなことは一度だけだと考える。取材陣は閉鎖ループ内で取材活動を続けると確信する」と述べた。中国が北京五輪で稼働する防疫体系の閉鎖ループは、選手団や取材陣が北京市民と接触できないよう規定された施設とルート内にとどめるものだ。
◆記者「五輪取材中に何度か妨害」
しかしダース記者はこの日、ツイッターで「この数週間、五輪に関するテーマを報道する過程で、数人の海外の同僚(記者)と同じように警察に何度か妨害または制止された」と吐露した。続いて「このようなことが生放送中には多く起きないが、IOCの主張のように一度だけのことだとは考えにくい」と指摘した。NOSも「残念なことに、このようなことは中国にいる取材陣には日常的なことになっている」という立場を明らかにした。
ダース記者によると、取材チームは4日午後7時前、北京国家体育場の周辺で撮影していたが、警察が「この空間を統制するので離れてほしい」と要求した。取材チームはこの要求に従って場所を移して生放送を始めた。ところが突然「公共安全支援奉仕者」と書かれた赤いバッジをつけた男性が事前警告なく強制的に記者を画面から引き離したという。
ダース記者は「別の人は我々の照明を持っていった」とし「我々が質問をしても、彼らは我々に何の問題があったのか話せなかった」と伝えた。
◆海外記者99%「取材環境が国際基準に合わない」
外国の記者は海外メディアに対する中国の抑圧的な取材環境を見せる事例として今回の件に注目している。ロイター通信とニューズウィークは6日、五輪期間に中国を訪問した海外メディアが自由に取材できるかどうか懸念されると伝えた。ガーディアンは今回の件を報道しながら「中国は2021年、国境なき記者団の世界言論自由指数で180カ国のうち177位だった」と指摘した。
実際、先月31日のアクシオスによると、中国海外記者クラブ(FCCC)が北京冬季五輪を控え、海外記者127人を相手にアンケート調査をした結果、99%が「取材環境が国際基準に合わない」と答えた。また62%は「警察や他の公務員から少なくとも一度は妨害を受けた」と答えた。回答者の25%は「取材員が警察に一度以上は制裁を受けたり、拘禁されたり、調査を受けたりした」と伝えた。
FCCCは報告書を通じて「中国当局が過度に脅迫し、中国での取材活動が前例のない障害に直面している」と評価した。
◆IOCの対処に批判も…中国メディア「制止は正当」
IOCの対処も適切性をめぐる論争を呼んでいる。オーストラリアABCはIOCが中国警備関係者の行動を「過度に熱情的」と表現したことを指摘し、「IOCが事案の深刻性を縮小している」と批判した。またIOCは「放送局のNOSと連絡を取った」と明らかにしたが、NOSは「ダース記者はもちろん、放送局の誰も今回の事案に関連してIOC側の連絡を受けていない」と否認した。
中国メディアは今回の事案を記者の問題とした。グローバルタイムズは「オランダ取材陣は北京警察が五輪開会式当時に『臨時統制する』と通知した地域を出入りし、該当記者は要員に出入証を提示しなかった」とし「要員の制止は正当であり、今回の事案の責任はオランダ取材陣にある」と報じた。
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