韓国与党「共に民主党」大統領候補の李在明（イ・ジェミョン）氏が京畿（キョンギ）知事として在職していた当時、京畿道所属の公務員が李氏の夫人キム・ヘギョン氏の私的な雑務に動員されていたという論争に対して、キム氏が２日、「すべては私の不徳のいたすところ」と話した。

キム氏はこの日配布したコメントを通じて「あってはいけないことがあった。これまで苦痛を受けた秘書Ａさんがどれほど辛かったか考えると心が痛い」とした。あわせて「公と私をきちんと分けるべきだったのに、ペさんと懇意にしていたことからよく助けてもらった」とした。ただしキム氏は「（ペさんから）いつも助力を受けていたわけではない」とした。

キム・ヘギョン氏の私的雑務問題は先月２８日、ソウル放送（ＳＢＳ）が京畿（キョンギ）道庁秘書室に勤務して退職したＡさんの情報提供が報道されて大きくなった。Ａさんは自分が京畿道総務課所属だったペさんの指示を受けてキム・ヘギョンさんの私的雑務を引き受けていたと主張して、テレグラムのやり取りを公開した。


テレグラムのやり取りをみると、ペさんが「奥様の薬について調べてほしい」と依頼すると、Ａさんは「道庁医務室で他の秘書名義で処方せんを受け取りました」とし「２階秘書室前へ行きましょうか」と答える。また、Ａさんはキム氏が頻繁に訪れる飲食店で品物を受け取って自宅に持っていく過程をテレグラムを通じてペさんに一つひとつ確認を受けていた。Ａさんが包装された品物を写真に撮って送るとペさんは「おかず？」「白キムチを入れたかどうか確認」と返事をし、Ａさんはおかずの写真を撮って送り「確認しました」と返した。テレグラムにはＡさんが冷蔵庫やクローゼットの写真をペさんに撮影して送り、「リンゴは余裕をもたせて入れました。下着や靴下は下の段に入れて洋服・シャツも入れておきました」というやり取りもある。Ａさんは「日課の９０％以上がキム・ヘギョン氏関連の大して重要ではない雑務だった」と主張した。

このような報道に対して当時ペさんは「公務遂行中に候補家族のための私的用務を処理したことはない」とし「虚偽事実の流布で選挙に介入しようとする試みが多い。座視しない」と強く反発した。

だが、ペさんはこの日、真逆の立場を表わした。キム・ヘギョン氏がコメントを出す直前、別途コメントを出して「すべての責任は私にある」とし「誰からも頼まれていないことをＡさんに要求した」と明らかにした。「李候補と長い付き合いだったことを官職だと勘違いし、李候補夫婦によく思われたい気持ちで常識的な限度を越える要求をした」と話した。ただし「薬の代理処方」疑惑に対して「私が服用する目的で他の人が処方された薬を手に入れようとした事実は認める」とし、「品物配達」に対しては「道知事の食べ物の配達などさまざまな雑務も私の真心から始まったもの」と話した。「誰からも頼まれていないこと」という言葉を２回繰り返しながらキム氏と関係がない点を強調した。

これに対して国民の力選対本部の李亮寿（イ・ヤンス）首席報道官は直ちに論評して「ペさんのコメントは一節すら納得できるところのないでたらめな嘘」といった。李報道官は「本人が必要な薬なのになぜキム・ヘギョン氏の家に届けるのか。ひょっとしてペさんがキム・ヘギョン氏の家で一緒に宿泊して暮らしながら執事の役割をしていたということを告白したものか」とし「勝手に出前を頼んだのであればキム・ヘギョン氏は頼んでもいない食べ物を京畿道公務員が買って食べたということなのか」と指摘した。あわせてキム・ヘギョン氏に対して「国民をマヌケ扱いするのでなければ、どうしたらこのような話にもならない偽りの釈明を信じろといって、ペさんの後ろに隠れようと考えるだろうか」と話した。