◆過去の大統領の黒歴史をたどるのか

このように痩せた政治・人物生態系の中で偉大な岩の顔が生まれるのだろうか。しかし世界はいま秩序破壊、大混沌の時代に入り込んでいる。今の政治生態系の下で我々の主権・生存権・アイデンティティーをしっかりと守って進んでいけるのか。新しい選択を悩むべき時だ。

すべての大統領候補に残された５０日間は致命的に重要な時間になるだろう。各候補が一人の時間を持って、深い歴史意識の中で国家の未来を耕作する新しい絵を描くことを望む。良い政治は権力の限界を認めることから始まる。自分は一人でこの複雑で大きな国の政治をうまく導いていく自信があるのか、自分は失敗したこれまでの大統領の黒歴史の運命的経路をそのままたどるのか。もう理念から抜け出して、個人の力量よりも新しい協治システムによる国政体制に変える決断を下さなければいけない時だ。


まず、選挙の前からでも似た者同士が政策の協治を試してみるのも望ましい。当選後には自身を低めて協治を制度化する新しい政治体制を創出する大胆な選択に出ることを望む。これは歴史に大きな一線を引いて大きな点を刻むことだ。したがって協治が今回の選挙の核心の価値といえるだろう。

鄭徳亀（チョン・ドック）／ＮＥＡＲ財団理事長


【コラム】崩れた政治・人物生態系、次期大統領はどこで探すのか＝韓国（１）