A.「(北が発射した)飛翔体の性質はもう少し研究して判断する必要がある。急いで規定すべきではない」。
B.「北が年初から連続して飛翔体を試験発射した意図については断定せず(継続して)分析する」。
11日の北朝鮮の極超音速ミサイル発射に対し、韓国と中国の政府が出した反応だ。AとBのうちどちらが韓国が出した立場なのか。正解はBだ。11日の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)関係者の発言だ。
一見、区分が難しい、いつからか非常に似ている両国の立場の核心は「慎重になろう」ということだ。北朝鮮が極超音速ミサイル発射に成功して1000キロ水域の標的に命中させたと公開的に明らかにしたにもかかわらずだ。
政府の一貫性だけは認めざるを得ない。5日に北朝鮮が極超音速ミサイルを発射すると、統一部当局者は6日、記者らに対し「北の発射の意図を一つの方向で断定していない」と述べた。
この当局者はあるメディアに「今日の北の報道などで韓国と米国を狙ったという言及や表現はなく、自らの国防力現代化計画の一環という側面だけを取り上げたことにも留意する必要がある」と述べた。
北朝鮮が極超音速ミサイルを2回発射しながら、韓国と米国を狙ったという立場を発表しなかったのは事実だ。韓国軍当局が5日の北朝鮮の発射について飛行速度などを理由に極超音速ミサイルでないと性能を低く評価したことに対する露骨な非難もしなかった。
しかしこうした分析は、メディアや専門家は可能だが、政府が公開的に明らかにすることではない。政府は安全保障を扱ううえで常に最悪の状況を仮定すべきであり、いかなる意図であろうと安全保障に対する脅威の本質は変わらないからだ。
韓米を狙った表現がなかったから幸いということなのか。今回は北朝鮮から「ゆでた牛の頭」などの皮肉を言われずありがたく思うべきなのか。
「国防力現代化の一環」という北朝鮮の主張に留意しようというのも、不法武器開発を容認するかのように映る余地がある。これも政府が出す解釈ではない。北朝鮮は核武力を増強しながらも「自衛力の確保」を理由にする。
意図を問いただすこと自体は間違っていない。正確な対応のために意図の分析は必須だ。しかしその目的が北朝鮮との対話再開の可能性を残しておくことにあるのなら、結局、北朝鮮の意図をあえて縮小したり無視しようということにしかならない。
実際、もう北朝鮮が何を発射しても政府が「挑発」と規定するという期待さえもしなくなる。金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長がタブーとして設定した以上、これを破るはずがない。
このように脅威の深刻性でなく意図から問いただすため、国際社会の基本的な懸念表明にも参加できない。10日(現地時間)の国連安全保障理事会会議に先立ち、米国など6カ国は北朝鮮の極超音速ミサイル挑発を糾弾する声明を出したが、韓国は抜けた。
外交部の崔英森(チェ・ヨンサム)報道官は11日、その理由について「さまざまな要素を考慮した」と明らかにした。弾道ミサイル技術を利用した北朝鮮のすべての発射は国連安保理決議違反だ。特別な対応をするわけでもなく、違反を違反と呼ぼうということだが、それさえもさまざまな要素を考慮しなければいけないという。
米国は12日(現地時間)、北朝鮮の弾道ミサイル挑発に対応して独自の制裁をし、国連安保理制裁対象の追加指定まで要求したことに対しても、韓国政府は一貫性のある立場を見せた。
崔英森報道官は13日の定例記者会見で「韓米は緊密な随時疎通を継続している」と述べた。意思疎通はするが、それでこうした安保理レベルの追加の対北朝鮮措置に韓国は賛成するか反対するかという立場はなかった。
外交部当局者にこれを再び尋ねると「安保理制裁対象の追加指定とは別に、北のミサイル発射に対しては韓米間で基本的な懸念を共有している」と述べた。やはり即答を避けたが、「安保理制裁対象の追加指定と別に」という表現は「基本的に心配ではあるが、それでも安保理までが動くのはどうか…」という言葉のように聞こえる。
昨年10月の北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試験発射に微温的な態度を見せた米国が連日制裁に動いているのは、今回発射した極超音速ミサイルの技術発展レベルを深刻な脅威と受け止めているという傍証だ。それでもこれが脅威を与える意図ではないと自らを慰めながら「終戦宣言がさらに重要になった」(11日、青瓦台関係者)と力説するのは焦点があまりにもずれている。世の中に「誠実な挑発」はない。
B.「北が年初から連続して飛翔体を試験発射した意図については断定せず(継続して)分析する」。
11日の北朝鮮の極超音速ミサイル発射に対し、韓国と中国の政府が出した反応だ。AとBのうちどちらが韓国が出した立場なのか。正解はBだ。11日の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)関係者の発言だ。
一見、区分が難しい、いつからか非常に似ている両国の立場の核心は「慎重になろう」ということだ。北朝鮮が極超音速ミサイル発射に成功して1000キロ水域の標的に命中させたと公開的に明らかにしたにもかかわらずだ。
政府の一貫性だけは認めざるを得ない。5日に北朝鮮が極超音速ミサイルを発射すると、統一部当局者は6日、記者らに対し「北の発射の意図を一つの方向で断定していない」と述べた。
この当局者はあるメディアに「今日の北の報道などで韓国と米国を狙ったという言及や表現はなく、自らの国防力現代化計画の一環という側面だけを取り上げたことにも留意する必要がある」と述べた。
北朝鮮が極超音速ミサイルを2回発射しながら、韓国と米国を狙ったという立場を発表しなかったのは事実だ。韓国軍当局が5日の北朝鮮の発射について飛行速度などを理由に極超音速ミサイルでないと性能を低く評価したことに対する露骨な非難もしなかった。
しかしこうした分析は、メディアや専門家は可能だが、政府が公開的に明らかにすることではない。政府は安全保障を扱ううえで常に最悪の状況を仮定すべきであり、いかなる意図であろうと安全保障に対する脅威の本質は変わらないからだ。
韓米を狙った表現がなかったから幸いということなのか。今回は北朝鮮から「ゆでた牛の頭」などの皮肉を言われずありがたく思うべきなのか。
「国防力現代化の一環」という北朝鮮の主張に留意しようというのも、不法武器開発を容認するかのように映る余地がある。これも政府が出す解釈ではない。北朝鮮は核武力を増強しながらも「自衛力の確保」を理由にする。
意図を問いただすこと自体は間違っていない。正確な対応のために意図の分析は必須だ。しかしその目的が北朝鮮との対話再開の可能性を残しておくことにあるのなら、結局、北朝鮮の意図をあえて縮小したり無視しようということにしかならない。
実際、もう北朝鮮が何を発射しても政府が「挑発」と規定するという期待さえもしなくなる。金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長がタブーとして設定した以上、これを破るはずがない。
このように脅威の深刻性でなく意図から問いただすため、国際社会の基本的な懸念表明にも参加できない。10日(現地時間)の国連安全保障理事会会議に先立ち、米国など6カ国は北朝鮮の極超音速ミサイル挑発を糾弾する声明を出したが、韓国は抜けた。
外交部の崔英森(チェ・ヨンサム)報道官は11日、その理由について「さまざまな要素を考慮した」と明らかにした。弾道ミサイル技術を利用した北朝鮮のすべての発射は国連安保理決議違反だ。特別な対応をするわけでもなく、違反を違反と呼ぼうということだが、それさえもさまざまな要素を考慮しなければいけないという。
米国は12日(現地時間)、北朝鮮の弾道ミサイル挑発に対応して独自の制裁をし、国連安保理制裁対象の追加指定まで要求したことに対しても、韓国政府は一貫性のある立場を見せた。
崔英森報道官は13日の定例記者会見で「韓米は緊密な随時疎通を継続している」と述べた。意思疎通はするが、それでこうした安保理レベルの追加の対北朝鮮措置に韓国は賛成するか反対するかという立場はなかった。
外交部当局者にこれを再び尋ねると「安保理制裁対象の追加指定とは別に、北のミサイル発射に対しては韓米間で基本的な懸念を共有している」と述べた。やはり即答を避けたが、「安保理制裁対象の追加指定と別に」という表現は「基本的に心配ではあるが、それでも安保理までが動くのはどうか…」という言葉のように聞こえる。
昨年10月の北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試験発射に微温的な態度を見せた米国が連日制裁に動いているのは、今回発射した極超音速ミサイルの技術発展レベルを深刻な脅威と受け止めているという傍証だ。それでもこれが脅威を与える意図ではないと自らを慰めながら「終戦宣言がさらに重要になった」(11日、青瓦台関係者)と力説するのは焦点があまりにもずれている。世の中に「誠実な挑発」はない。
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