金正宙(キム・ジョンジュ)ネクソン創業者
AGBOはアンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ兄弟監督が2017年にLAに設立したスタジオ。ルッソ兄弟は『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』などマーブルのヒット作を演出した監督だ。ネットフリックス人気映画『エクストラクション』なども製作し、現在はネットフリックス、アマゾンプライムビデオ、アップルTV+などOTTと劇場用デジタルコンテンツを幅広く製作している。AGBOは昨年、30代の韓国系アルバート・キム氏を知識財産(IP)開発副社長に選任した。
ネクソンは金正宙(キム・ジョンジュ)創業者の会社売却が白紙になった2019年以降、仮想世界に集中してきた。規模のあるオンラインマルチプレーヤー仮想世界を作り、これを基礎に未来型プラットホームに拡張し、最終的にはネクソンが保有するIP資源を育てるというのが目標だ。今回の投資は昨年7月にネクソンが迎えたニック・ヴァン・ダイク最高戦略責任者(CSO)兼首席副社長が率いるネクソンフィルム&テレビビジョン組織が主導した。ダイク副社長はウォルト・ディズニーで10年間勤務したグローバルIPビジネス専門家だ。
実際、ネクソンは成功したゲーム会社だが、限界もあった。現在までネクソンがヒットさせたアラド戦記、メイプルストーリー、カートライダーのIPは国内や中国などアジア圏では人気だ。しかし北米や欧州など西欧圏では依然として知られていない。「拡張性に限界がある」という指摘を受けてきた理由だ。このため業界では「ネクソンがAGBOと手を握ったのは(未来へ進む)基礎を築くレベルの成果」という評価が出ている。
実際、金正宙創業者は以前からディズニーのようなグローバルIP企業になることを希望していた。2015年のインタビューでは「ディズニーがうらやましいのは子どもから取らなくてもよい点だ。親子が一緒にお金を持って列に並んでディズニーのコンテンツを楽しむ」と話した。
人気IPに未来を探すことは多くのゲーム会社が追求する夢でもある。「バトルグラウンド」開発会社のクラフトン、「クロスファイア」「ロストアーク」開発会社のスマイルゲートも映画・ドラマを製作し、一部で好成果を出している。国内ゲーム会社の関係者は「ネクソンのIPがグローバルでどれほど通用するかは、今後の実際の成果を見て判断すべきだろう」と話した。
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