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【コラム】李在明候補と尹錫悦候補、このままでは国家リスクに(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国とドイツはいくつかの点で似ている。韓国は同族に銃口を向ける戦争を、ドイツは2回の世界大戦を経験した。共に分断国家の悪条件を乗り越えた。欧州を焦土化させた戦犯国家ドイツは欧州連合(EU)の盟主になった。最貧国から先進国になった韓国は世界の開発途上国のロールモデルだ。国民の無限のエネルギーを引き出した卓越した政治指導者の存在が奇跡の秘訣だ。

ドイツでは第2次世界大戦以降、アデナウアーからメルケルまで退任首相8人のうち7人が時代の精神に沿った所信とビジョンでリーダーシップを発揮し、国民が尊敬する偉大な人物になった(金滉植元首相、『ドイツの力、ドイツの首相1』)。韓国には左右対立の混沌の中、大韓民国を建国して韓米同盟を引き出した李承晩(イ・スンマン)、「漢江(ハンガン)の奇跡」で経済を興した朴正熙(パク・ジョンヒ)、脱冷戦の北方政策で韓国外交のルネサンスと南北和解の時代を開いた盧泰愚(ノ・テウ)、独裁政権と命がけで戦って民主化を勝ち取り金融実名制とハナ会の清算を断行した金泳三(キム・ヨンサム)、通貨危機の国を立て直して最初の南北首脳会談を実現させた金大中(キム・デジュン)がいた。

彼らは熾烈な歴史意識でそれぞれの時代が提起した難題を回避しなかった。矛盾する現実の中で常に両足を地につけたリアリストであり、時代を越える転換的な決断を下すことができた。渾身の力で課題を解決し、新しい時代を開いた超人だった。


その後の大統領のうち盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)元大統領は大きな業績もあった。しかし2人と朴槿恵(パク・クネ)前大統領、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「国民統合の象徴」という大統領職(presidency)に対する省察が不足した。一つ問題を解決すれば、別の対立と副作用を作った。保守・進歩の対立でも足りず、親李・親朴、親盧・反盧、親文・反文という時代錯誤的な人物中心の陣営フレームが日常化した。国家元首が政治的反対勢力に対して傾聴と包容の姿勢を捨てた無責任の結果だ。

退任後の墜落は悲劇的な業報だった。盧元大統領は捜査を受ける間に極端な選択をし、李元大統領と弾劾された朴前大統領は拘束された。文大統領は執権しても「包囲された要塞論」にとらわれた。「積弊清算」で包装された憎悪と分裂の政治は退任後の毒になるだろう。意思疎通と統合に成功していれば、韓国は世界10位の経済力、5位の技術力、6位の軍事力を基礎に「東アジアのドイツ」になっていただろう。

次期大統領職をめぐり競争する李在明(イ・ジェミョン)候補と尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の資質・道徳性・言動は国民の期待に及ばない。非好感が好感よりはるかに強い。政権交代論が圧倒的に高いが、尹候補はこれを支持率として吸収できずにいる。李候補も差別化を図っているが、信頼を築けない。

尹候補は四面楚歌状態だ。自身が拘束した朴槿恵(パク・クネ)前大統領が恩赦で釈放された。本人の失言は繰り返されている。夫人の虚偽経歴疑惑と夫人の母の不正容疑、やむを得ない謝罪で出馬の名分の「公正」に亀裂が入った。固定支持層までが揺らぐと、夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏が昨日「経歴を膨らませて書いた内容があった」と謝罪した。恐竜選挙対策委員会はポスト争いで内戦状態だ。候補辞退論まで出ている。

李候補も危機だ。大庄洞(デジャンドン)開発不正疑惑の核心人物がホラー映画の主人公のように相次いで命を絶っている。その一人は海外旅行に一緒に行っても「記憶がない」と言った。常識でない。息子の賭博と買春疑惑も負担だ。票になると判断すれば政策と公約を随時変える。柔軟性として包装するが、誠意とは距離があるポピュリストという批判を受けている。


【コラム】李在明候補と尹錫悦候補、このままでは国家リスクに(2)

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