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【社説】北京五輪ボイコット…終戦宣言執着やめ大勢読まなくては=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
米国政府が来年2月に予定された北京冬季五輪開幕を50日余り後に控え外交的ボイコットの方針を正式に決めた。外交的ボイコットとは五輪選手団は派遣するが開会式・閉会式など関連行事に国家指導者など外交使節を一切出席させないことをいう。サキ米大統領報道官はボイコットの理由として「新疆での中国の持続的な虐殺と反人道的犯罪、その他人権侵害を考慮した」と明らかにした。

人権外交を標榜するバイデン政権の五輪ボイコットの方針はかなり前から予想されてきたものだった。五輪を政治的に利用するという非難を受けることになる選手団不参加などの全面的ボイコットよりは外交的ボイコットを選択したのも予想から外れない。いま残された手順は同盟国と共同歩調を合わせることだ。近く開かれる民主主義サミットや来週ロンドンで開かれる主要7カ国(G7)外相会談でもこの問題が深く議論されるだろう。

韓国も例外なく二者択一の岐路に立つことになった。決定を急ぐ必要はないが回避できないものだ。賢明で実用的な対処が切実に要求される。それに向けては何が時代の流れなのか正確に読まなければならない。


まずボイコットの名分として人権問題を持ち出した点を見逃すことはできない。英国、カナダ、オーストラリアなどがボイコット同調に積極的な姿勢を見せているのも同じ理由からだ。欧州議会は外交的ボイコット要求決議案をすでに採択した状態だ。先進国入りを公認された韓国の国格と地位を考慮しなければならない。ボイコットに参加しなくても国際社会からその決定を尊重されるべきだが人権を凌駕する名分を探すのは容易でなさそうだ。

判断を誤れば国益損傷と国家イメージ失墜など大きな打撃を受けることになる。前例がある。2015年に北京・天安門広場で開かれた中国の閲兵式に自由民主国の首脳としては唯一当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が出席し、ロシアのプーチン大統領と並んで手を振る場面が全世界に送出された。米国など西側諸国の冷ややかな視線を押し切った出席決定だったが翌年中国から返ってきたのは「THAAD報復」という類例のない経済制裁だった。

韓国政府の立場で外交的ボイコットは困惑することだ。北朝鮮の指導者金正恩(キム・ジョンウン)を呼び出して南北首脳会談、さらには終戦宣言にまでつなげるという構想は暗礁にぶつかることになった。韓国政府はいまこの瞬間にも終戦宣言構想にすべての外交力を投じている。中国の浮上を抑止するための外交・経済・安保構図の再編が大勢である国際社会の気流とはかけ離れた歩みといわざるをえない。韓国政府は五輪ボイコットに対する検討を契機に韓半島(朝鮮半島)問題を1~2回の首脳会談や外交イベントですぐに解決できるという希望的思考(ウィッシュフルシンキング)から下ろさなければならない。



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