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WSJ寄稿「終戦宣言は『外交的演劇』…平和なしで平和宣言するのか」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)政権が推進している終戦宣言が「外交的演劇」にすぎず、「韓国政府はバイデン米大統領が北朝鮮の敵対行為を抑止できない『空言』に署名するよう望んでいる」と指摘するウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿文が出てきた。終戦宣言をしても韓半島(朝鮮半島)の軍事的緊張状況は解消されず、むしろ同盟の安全保障だけ脅威を受けるだろうという趣旨だ。

◇保守指向の北朝鮮専門家「終戦宣言は偽りの突破口」

保守指向の北朝鮮専門家ニコラス・エバースタット氏は28日、「韓国は平和なく平和を宣言するよう望む」という題名で同紙に寄稿し、終戦宣言について「北朝鮮が何と言おうが韓国戦争が公式に終わったと主張する『外交的演劇』にすぎない。任期末になった文在寅政権の目標は(終戦宣言に)米国をともに組み入れるようにするもの」と指摘した。


彼は文在寅政権が終戦宣言を推進する背景には来年3月の大統領選挙と関連があるとも主張した。彼は「文在寅政権の太陽政策支持者は金正恩(キム・ジョンウン)に何年も配慮してきたが掲げられるほどの成果もなく任期末を迎えることになった。来年3月の韓国大統領選挙で与党候補が野党候補に大きく遅れをとる状況で終戦宣言の目的は明らかだ」と書いた。

続いて終戦宣言に対し「パントマイムのような国政運営」であり、「それらしく見える偽りの突破口」と酷評した。また「韓半島の安全保障をさらに危険に陥れるだろう」と警告した。その上で「太陽政策(あるいは関与政策)において『平和宣言』に署名することは数十年間続いた宿願も同然だ。(終戦宣言の)盲信論者は宣言そのものに呪術的効果がありどうであれ韓半島の敵対行為を終わらせてくれると信じ、こうした魔法がよく効かない時すらも絶対に信頼を失わない」と指摘した。

彼はまた「2007年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が平壌(ピョンヤン)で開かれた南北首脳会談を通じ韓半島での敵対行為を中断し平和を保障しようという共同声明に署名したが平和は実現されなかった」とし、その後北朝鮮が哨戒艦襲撃と延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発を敢行しミサイル発射を継続していると言及した。

◇「非核化目標無力化…北朝鮮の要求だけ多くなる」

エバースタット氏は終戦宣言が韓半島の安全保障に及ぼす波及力に注目した。終戦宣言をする場合「北朝鮮の非核化という目標を事実上捨てることになる格好。韓米が終戦宣言祭りをしながら、どのように国際社会に北朝鮮の核関連圧力を高めようと説得できるのか」という疑問を投げかけた。また、これは北朝鮮の人権改善に向けた国際的な動きにも悪影響を与えるだろうと警告した。

終戦宣言で北朝鮮をなだめることができないという主張も展開した。北朝鮮は米国を「帝国主義者」、韓国を「(米国の)操り人形」とみているが、こうした状況で終戦宣言をしてみても「北朝鮮はこれを(韓米が)弱点を表わしたと見てより多くの要求をしてくるだろう」ということだ。「北朝鮮は現在新型コロナウイルスと経済難で無力な状態だが、終戦宣言をする場合、金正恩政権が再び気力を取り戻し脅迫を日常的に行った過去の姿に戻るだろう」とも分析した。

彼はまた、終戦宣言を契機に「北朝鮮が長く望んできた通り国連軍司令部が消えかねず、韓米同盟自体も検証台に上がるだろう」という警告も付け加えた。続けて「終戦宣言がなされる場合、中国とロシアはさらに大胆になり、国連安全保障理事会で対北朝鮮制裁を解除しようとロビーしたり制裁自体を破っても構わないと考えるだろう」と予想する。

これに対し「日本の安全保障はさらに弱くなり、日本の指導者が同盟としての米国の役割を疑うことになるかも知れない」と懸念した。



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