5日、国会予算決算特別委員会全体会議で2022年度予算案について説明した洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相(右)。左は金富謙(キム・ブギョム)首相。 イム・ヒョンドン記者
莫大な財政投入に比べて経済的な効果はもちろん実効性も低い李候補の全国民災難支援金と尹候補の自営業者損失補償を同一線上で比較するのは難しい。政府の新型コロナ防疫対策による直接的な被害当事者である自営業者の損失を補償すべきというのは原則的に正しい方向だ。しかし現実的な財源調達案もなく現金補償の約束をするのは、根本的に票を買うための無責任な公約乱発という批判を受ける。尹候補が約束した50兆ウォンは2022年度政府提出予算案の8.3%にのぼる。そうでなくても国家債務増加ペースが世界で最も速く潜在成長率は最も低い状況で、どうやって財源を用意するのか不透明だ。このため国民の力の内部からも異なる声が出ている。金起ヒョン(キム・ギヒョン)院内代表は「政府の営業制限で損失が生じた自営業者に十分な補償をすべきという基本原則を持っている」としながらも「来年の予算にすべて反映するのは難しい」と一線を画した。
李候補の全国民災難支援金給付主張はさらにあきれる。李候補は「今年の超過税収は40兆ウォンほどだが、裕福な国に貧しい国民が穏当なのか」として支援金給付に反対する政府をむしろ批判した。財政健全性の悪化は明白だが、朴完柱(パク・ワンジュ)民主党政策委議長も「国の格や超過税収を考慮すると十分に可能だ」として李候補の主張を後押しした。しかしこれは事実でない。今年の赤字国債発行規模は104兆ウォンにのぼる。超過税収31兆5000億ウォンはすでに第2次補正予算で使い果たし、追加で見込まれる10兆ウォンも国家財政法上、国債の償還に優先的に使うことになっている。
世論は冷ややかだ。国民の60.1%は全国民災難支援金給付に反対している。今すぐ手に入る100万ウォンより未来の債務を減らすのが先だということを国民は知っているが、政界は未来の世代に借金を押しつけることばかり考えていて心配だ。
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