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【社説】北朝鮮の寧辺核施設再稼働も問題ないという韓国外交部次官

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

外交部の崔鍾建第1次官が7日に国会で開かれた外交統一委員会の全体会議で発言している。イム・ヒョンドン記者

外交部の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官が7日の国会外交統一委員会全体会議で、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設再稼働は南北合意違反に該当しないと明らかにした。北朝鮮に融和的な路線で一貫してきた学者の主張ならばわからなくもないが外交部次官の国会での公式答弁がこうだから驚くほかない。寧辺核施設の再稼働は核物質の生産、さらには核兵器追加製造と直結する。厳重な抗議とともにすぐ稼動を中断するよう促しても足りない状況なのに韓国政府高位当局者は北朝鮮庇護に余念がない。青瓦台(チョンワデ、大統領府)核心関係者も「青瓦台も(外交部と)ひとまず脈を同じにするものとみられる」と話した。「ひとまず」「みられる」など、「魂のない」単語で抜け出る余地を置いてはいるが、それもやはり事案の深刻性をわかっていないのは同様だ。

崔次官の論理は、2018年の南北首脳会談と米朝首脳会談の合意文条項に寧辺核施設が特定されておらず、明白な合意違反とみるのは難しいという意味と解釈される。あまりにも消極的で狭小な解釈であり、北朝鮮をかばおうとする意図がはっきりとわかる解釈だ。文面を確かめてみても崔次官の解釈は正しくない。4・27板門店(パンムンジョム)宣言には「完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現する」と規定されている。寧辺核施設再稼働は明白に非核化に逆行する行動なのにどうして合意違反でないと言えるのか。非核化交渉が決裂した状態である点を考慮しても、現状維持ならばわからないが非核化に逆行することをかばってはならない。板門店宣言はまた「すでに採択された南北宣言とすべての合意を徹底的に履行する」と規定した。すでに採択された宣言には1991年の南北非核化共同宣言が含まれている。

国際原子力機関(IAEA)の年次理事会報告書によると、寧辺原子炉の冷却水放出状況が捉えられたのは7月初めのことだ。それに先立ち使用済み燃料棒再処理施設が2月から7月まで稼動したという。韓米間の情報協力や商業用衛星情報の購読などを通じて韓国政府がこうした事実を知らなかったはずがない。しかし韓国政府が核施設再稼働に対し抗議したという話は全くない。


代わりに韓国政府がしたことは7月27日の南北通信連絡線復元が南北首脳間の親書交換の成果だと大々的に広報したことだ。続けて与党議員70人ほどが北朝鮮の要求にすぐ食らいつき韓米合同演習を延期しようと連判状を回した。実際に韓国政府は8月の合同演習の規模を大幅縮小した。青瓦台、政府、与党が声をそろえて南北関係に対する幻想を膨らませ、安保態勢を損ねる行為をする間に北朝鮮は悠然と核物質の在庫を増やし続けた。それでも韓国政府高位当局者は北朝鮮の誤った行動に対する抗議どころか狭小な論理で合意違反ではないと肩を持った。我執に近い北朝鮮庇護であり顔色うかがいだ。こうした低姿勢でどのように北朝鮮の非核化を引き出せるというのか知る術がない。



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