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20・30代に260兆ウォンの負債、年所得の倍超える「時限爆弾」=韓国(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
昨年、忠清南道天安(チョナン)のマンションを購入した会社員のカン・ソクジュンさん(34、仮名)は年2.5%台の金利で3億400万ウォン(約2900万円)の住宅担保貸出を受け、毎月償還している。30年ローンで、月に約120万ウォンの元利金が出ていく。カンさんは「小さなアパートに住んでいたが、子どもができて、転職もし、思い切ってマンションを購入した」とし「結婚する時に夫婦ともに親から支援を受けていないうえ、昨年の住宅賃貸借保護法改正案施行などで住宅価格がまた大きく上がったため、かなりの金額を借りることになった」と話した。続いて「なんとかマイホームを手にしたが、月給の3分の1ほどが返済のために出ていくので、老後の準備ができるか分からない」と語った。

大学生のホンさん(26)は株式投資のために約1300万ウォンの貸出を受けた。1学期あたり150万ウォンまで可能な韓国奨学財団の生活費貸出、年600万ウォン借りることができる「ローンユース」など大学生の身分で用途証明なく融資を受けることができるプログラム・商品を最大限に活用した。ホンさんは「株について深く勉強したことはないが、周囲の人たちが株で稼いでいるので借金をして投資した」とし「学生の立場では多い金額だが、肉体労働を数カ月間すれば手に入る金額だと考えて(融資を)ためらわなかった」と説明した。しかしホンさんは現在まで投資で500万ウォンほどの損失が発生し、不安を感じている。

◆30代、所得に対する貸出比率262%で最高


借金をして投資をしている20、30代、いわゆるMZ世代(1980年代初期から生まれたミレニアル世代と90年代半ば~2000年代初め生まれのZ世代)の最近の自画像だ。MZ世代はこの数年間、周囲の事例から不動産・株式など資産価値が急激に上昇したことを実感している。この過程で資産がなければ貧困層になることに気づいた。貧困層になってはいけないという切迫感、さらに若者特有の覇気と決断で、過去の世代が「あまりにも危険」と考えた借金での投資をしている。その結果、歴代最も負債が多い20・30代になった。39歳以下の国内銀行の家計貸出残額は今年1-3月期基準で259兆7000億ウォンと、3年前の2018年1-3月期(170兆ウォン)の1.5倍にのぼる。

また、昨年7-9月期基準で国内の新規家計負債の10人に6人は30代以下だった(58.4%)。2017年は49.5%だった。全体貸出額で30代以下が占める比率も55.3%と、2017年の42.4%を大きく上回る。国内家計貸出残額も雪だるま式に増えている。韓国銀行(韓銀)によると、昨年4-6月期の1546兆1000億ウォンから今年4-6月期には1705兆3000億ウォンと、10%ほど急増した。このうち住宅担保貸出が948兆3000億ウォンで55.6%だった。住宅担保貸出は1年間に75兆2000億ウォン増え、2016年10-12月期(77兆4000億ウォン)以来の最大増加幅となった。

昨年7-9月期基準で不動産購入は30代以下が37%で最も多かった。40代は27%、50代は18%。この数年間の記録的な住宅価格暴騰を目にしたMZ世代が借金をして不動産を購入しているのだ。仁川(インチョン)に暮らす新入社員のイさん(27)もその一人だ。入社してまだ1年も経っていない20代だが、最近、この地域の2億ウォン台のマンション分譲権を購入した。

イさんは預金が3000万ウォン程度だが、住宅担保貸出と5000万ウォン以上の信用貸出を受け、思い切って分譲権を買った。深く悩んだが、「今でなければ買えない」という考えと周囲の助言がイさんを動かした。イさんは「いずれ自分の家が必要になるのなら、さらに値上がりする前に購入するのがよいと判断した」とし「毎月元利金を数十万ウォンずつ出すことになったが、不動産相場の上昇曲線は続くはずで、勤労所得でこつこつ返していくので無理はないと思う」と語った。

新型コロナのパンデミックで昨年3月に底を打って1年間で倍以上になったKOSPI(韓国総合株価)など国内外の株価上昇もMZ世代を貸出の世界に引き込んだ。与党・共に民主党の閔炯培(ミン・ヒョンベ)議員室によると、国内10大証券会社の20・30代に対する信用融資残高は2019年の1兆1817億ウォンから今年6月末には3兆4297億ウォンへと1年半で3倍に増えた。大学生のキムさん(21)は年3.24%の金利でインターネットバンクから信用貸出300万ウォンを受け、証券会社の信用融資などで株式に投資している。現在キムさんは60万ウォンほどの収益があるが、各種貸出利子を考えればまだマイナスだ。

キムさんは「このように(借金をして)投資してはいけないことを知っているが、タイミングを逃して自分だけが遅れをとるのではないかと考えた」とし「まだ危険なレベルではないが、就職後にもこうした習慣が続けば時限爆弾になるかもしれない」と心配した。また「親は私が融資を受けていることを全く知らない」とし「投資の結果が良くない場合に備えてアルバイトをすることも考えている」と話した。MZ世代はビットコインなど仮想通貨にも投資している。会社員のシンさん(32)は「年3.5%台の金利の信用貸出で3000万ウォンを借りてコインに投資した」とし「いつもハラハラしているが、先月は300万ウォン収益が出た」と話した。


20・30代に260兆ウォンの負債、年所得の倍超える「時限爆弾」=韓国(2)

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