イスラム国（ＩＳ）による爆弾テロの翌日、アフガニスタンのカブール国際空港で西側諸国の退避作戦が再開された。ロイター通信は２７日（以下、現地時間）、カブール空港内に駐留する西側関係者を引用し、脱出飛行のペースが速くなり、米国旅券所持者が空港構内に入ることが可能になったと伝えた。

海外メディアによると、前日にカブール空港付近で発生したテロで米軍１３人を含め、アフガニスタン民間人など１０３人以上が死亡したと推定される。ある目撃者はロイターに「トルネードにビニール袋が巻きこまれるように（被害者の）死体や身体一部が空中に飛び散った」とし「排水路は血に染まっていた」と伝えた。


ＡＰ通信は２７日、退避作戦を指揮するマッキンゼー米中部軍司令官の言葉を引用し、約５０００人がカブール空港で米軍輸送機による脱出を待っていると伝えた。このうち米国人は約１０００人と推定される。ロイターはこの日、ホワイトハウスを引用し、米軍がテロ発生にもかかわらず、カブールから２６日の一日間に１万２５００人を退避させたと伝えた。ホワイトハウスによると、米軍はカブールからタリバン掌握直前の１４日から現在まで１０万人以上の自国民とアフガニスタン現地人の協力者を退避させたという。


テロが発生した中でも、空港には脱出するための行列が続いている。ＣＮＮは「きわめて危険な状況でも、人々が空港境界線付近に集まっている」と伝えた。あるアフガニスタン人男性は妻と３人の子どもを連れて早朝に空港付近に到着し、「爆弾テロのことは知っている。今後さらに多くの攻撃があるだろう。今こそ離れるべき時」とＡＰ通信に話した。

しかし３１日に決まった米軍撤収デッドラインまで残り４日という状況で、全員がアフガニスタンを脱出できる可能性は低い。すでに各国は次々と輸送作戦を終えている。

１０９人のアフガニスタン人を乗せたイタリアの最後の輸送機（Ｃ－１３０）は２７日にローマに着陸した。この輸送機は前日、カブール空港で離陸直後に銃撃を受けたが、特に被害はなかったと、ロイターは伝えた。スペインもこの日午前、軍用機２機で自国民とアフガニスタン人の協力者を脱出させ、アフガニスタン退避作戦を終了したと発表した。

英国も退避作戦を終了した。英国のウォレス国防相はロイターに「１００－１５０人ほどの残留英国国籍者の一部は自発的にアフガニスタンに残るという意向を明らかにした」とし「英国に協力したアフガニスタン人８００－１１００人が輸送機に乗れず、アフガニスタンに残ることになるとみられる。全員が退避できなかったことに深い遺憾を表す」と述べた。

ブルームバーグ通信は、カナダ、デンマーク、オランダなどはすでに輸送作戦を終了し、これ以上はカブール空港で航空便を運航しない、と伝えた。

一方、米中部軍司令部の報道官は、今回のテロで負傷した米軍１８人は応急治療装備があるＣ－１７輸送機で近隣の米軍基地に輸送された、と明らかにした。