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シェール革命のバタフライ効果…バイデン氏、習近平氏にタリバン押し付けた(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
もちろん中国は海路でもエネルギー・物流通路を通せる。だがトランプ氏に続きバイデン氏もやはりインド太平洋戦略で南シナ海、マラッカ海峡、インド洋で中国を包囲しようとする。中国が南シナ海を突破しようとすれば米国は空母船団を送り「航行の自由」という腕力政策で中国との物理的対決を避けようとしない。米国政府は最初から英仏など西欧の伝統的友邦と日豪の海軍まで呼んで対中戦線を設けようとしている。文在寅(ムン・ジェイン)政権に向けこれに合流するよう要求して久しい。

ところがバイデン氏がアフガニスタンからの軍撤退を強行し中国の立場では思いがけない変数ができた。米軍が出て行ったことまでは良いが、中国とタリバンの共通の敵が消え、これまで水面下にあった中国とタリバンの間の「ゼロサム関係」が今後浮上する可能性を念頭に置かなければならない状況になった。

国立外交院のキム・ハングォン教授は「中国は南シナ海で米国の圧迫を受けているため南シナ海を通らないエネルギールートを開発してきた。内陸パイプラインルートはいずれも新疆地域を通っており、タリバンとともにスンニ派イスラム圏が新疆に形成され分離独立運動が強まればエネルギー安全保障に支障が生じる」と説明した。


◇「新疆ウイグル人権弾圧」叩いてきたバイデン氏

バイデン氏がアフガニスタンからの軍撤退を決めながらこうした状況をわからないはずがないというのが専門家らの評価だ。すなわちバイデン氏の「大きなビジョン」は米国の世界経営戦略で中東の重要性が減るにつれこれまで中東に投じた資金と軍隊をアジア太平洋に回し中国牽制に出るところにある。同時に大きなビジョンの中の「隠された絵」はアフガニスタンの混乱を放置し、結局その余波を中国が管理するほかないようにする「押し付け戦略」という観測もある。

バイデン政権発足後、国際社会で世論をあおったのが中国当局の新疆ウイグル人権弾圧問題だ。もちろん前任のトランプ政権当時に米国務省次元で人権問題を例年提起してきたが、バイデン政権は最初から執拗にこれを問い詰めており、国連など国際舞台でも積極的に問題化している。

この過程でトルコのエルドアン大統領が突然新疆問題で中国を非難することもあった。彼は西欧との衝突を起こし、中国やロシアと密着してきたため中国も少なからず驚いた。トルコのやはりタリバンや新疆ウイグル族と同じ「スンニ派イスラム」の国だ。キム教授は「エルドアン氏が中国を非難したのはささいに見えるが興味深い問題。中国がアフガニスタンに経済的援助をしながら互いに協力する姿を帯びても、宗教と理念的問題はすべての利害を超える問題として現れる可能性を内包している」と指摘した。

中国の新たな悩みは、これまでタリバンの東進を防いできた米軍が離れタリバンがトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンの中央アジア3カ国と中国西部新疆地域まで「スンニ派イスラム勢力圏」を形成する可能性だ。国立外交院のイン・ナムシク教授は「米国はタリバン再執権によるアフガニスタンの混乱状況が米国よりは近隣地域の負担になるとみている」とした。中国が考えたくもない最悪のシナリオはタリバンが新疆ウイグル独立運動に介入し、「ひとつの中国」という中国の一体性が揺らぐことだ。

◇「韓国が米国の利益であり続ける」断言できない

米国のアフガニスタンからの軍撤退が韓国にはどのようなバタフライ効果をもたらすだろうか。

バイデン氏は19日に米ABC放送に出演し、「韓国、台湾、NATOなどの同盟はアフガニスタンと違う」とした。だが韓国はさまざまな面で緊張するほかない境遇だ。米国のアフガニスタン撤退が国際社会に刻みつけたのは、米国の核心利益が消えれば米軍も離れるという徹底した実利主義の原則だ。

現在まで韓国、台湾、NATOのいずれも米国には核心利益だ。NATOは第2次大戦後に作られた大西洋同盟を支える軸であり、ロシアの西進を防ぐ米国版万里の長城だ。台湾は中国の大洋進出を威嚇する橋頭堡だ。韓国の米軍は事実上中国を牽制する最前線であり、資本主義陣営の核心生産国の日本をあらかじめ保護する最前方基地だ。すなわち現時点ではいずれも米国の核心利益を守る所だ。

だが核心利益は永久的でない。9・11テロ後に途轍もない兵力と財政を投じなければならなかったほど重要だったアフガニスタンから、20年後に米国は未練を残すことなく離れている。韓半島(朝鮮半島)もやはりこれから20年後も米国の核心利益であると断言するのは驕りだ。


シェール革命のバタフライ効果…バイデン氏、習近平氏にタリバン押し付けた(1)

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