新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の重患者を重点的に診療する拠点病院に指定した5カ所のうちの一つである京畿道一山(キョンギド・イルサン)病院の前に救急車が停まっている。イ・ウリム記者
18日、中央事故収拾本部と仁川市生活治療センター協力病院などの説明によると、新型コロナに感染して仁川市延寿区(ヨンスグ)生活治療センターに入所した58歳女性Aさんが病院の搬送を控えて入所8日で亡くなった。Aさんは1日に入所し、当時一般感染者のように体温が37度水準で少し高い程度だった。入所の時に撮影したX線では肺炎が確認されなかった。
その後、3~4日発熱とともにせきや頭痛などの症状が現れ、医療スタッフが薬を処方した。入所4日目である5日、X線撮影では初めて肺炎が確認されて追加で抗生剤を処方した。その後、体温が37~38度水準となり、重症度を示す酸素飽和度は98~ 99%程度だったという。酸素飽和度は通常95~100%程度になると正常範囲と見なす。協力病院側は肺炎所見はあったが、直ちに搬送が必要になるほど患者の状態が深刻でないと判断し、9日搬送しようとしたがこの日午前患者が死亡した。
遺族は治療がきちんと行われなかったと主張する。Aさんの夫は「妻がひどく痛かったが、鎮痛剤・抗生剤しか与えず、ご飯もよく食べられずにいるとメールで訴えた」と話した。
高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科のキム・ウジュ教授は「通常、新型コロナによる肺炎症状はX線で診断されることが難しく、コンピュータ断層撮影(CT)を撮影して確認するように求める」として「X線で肺炎が確認される程度なら、深刻な状態だといえる。専門担当病院に搬送する基準は満たされる」と話した。高麗大学安山(アンサン)病院感染内科のチェ・ウォンソク教授は「センターの草創期には肺炎患者は全員病院に送ったが、X線上肺炎が見える患者が多くなり、酸素飽和度が正常水準で基礎疾患がなければ搬送しない場合がほとんど」と話した。
最近、重篤患者が増えて病院ごとに病床の確保に困難している状況が影響を及ぼしただろうという指摘もある。協力病院側も「該当患者のような場合を全員移せば、病床の稼動に困難が加重される点も考慮した」と説明した。
キム・ウジュ教授は「新規感染者が増えて生活治療センターが飽和状態になり、医療スタッフが足りず穴が生じるかもしれない」と懸念を示した。50代患者の死亡当時、該当生活治療センターにいた医療スタッフは看護師2人が全部だったという。
中央災難安全対策本部によると、現在全国生活治療センター61カ所の中で政府が勧める入所者規模別勧告医師数を満たすことができていないところは40カ所に達する。このセンターでは医師1人当たり平均入所者47人程度を治療している。
この記事を読んで…