2019年2月の米朝首脳会談が「ハノイ・ノーディール」に終わった後に中断した南北対話が約2年5カ月ぶりに再開される状況を迎えている。
青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)は27日、通信連絡線の復元をはじめ、南北関係の改善のための課題を一つずつ解決する「飛び石論」を前に出し、韓半島(朝鮮半島)平和プロセスを再稼働させる計画だ。目標地点に設定したのは南北首脳会談、さらに米朝対話の再開だ。
青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官は28日、MBC(文化放送)ラジオ番組「チェ・キョンヨンの最強時事」のインタビューで、「(南北関係の改善は)実現可能な、渡ることが可能な飛び石を置きながら、両国の間に生じ得る暗礁を克服していく道になるだろう」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)政権が構想中の2つ目の飛び石は、いかなる形態であれ南北首脳間の直接的な意思疎通チャンネルを復元することと予想される。
これに関連して南北の意思疎通過程に詳しい政府関係者は「青瓦台が描く文在寅大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員場の意思疎通は大きく電話通話と画像首脳会談、そして対面首脳会談の3つ」とし「ひとまず北側が提案に呼応する場合に備えて、3つの形式の意思疎通に必要な諸条件をあらかじめ用意するために内部で話し合っている」と伝えた。
◆2つ目の飛び石は文-金正恩の直通
まず、首脳間のホットライン(直通電話)に該当する青瓦台-国務委員会の通信線が目を引く。青瓦台と政府は27日、軍当局と統一部が活用した通信線の復元に合意したという内容を発表しながらも、首脳間のホットラインには言及しなかった。
文大統領と金委員長が直接通話しながら重要な合意をする姿を演出するためにホットライン復元カードを惜しんだのではという分析が出ている理由だ。青瓦台関係者はホットラインについては言葉を控えながらも「首脳間のホットライン通話は徐々に議論する事案」と余地を残した。
青瓦台は「両首脳間の対面接触に関する協議や、画像首脳会談に関する議論は行われていない」と明らかにした。まだ北朝鮮側に首脳会談を提案したこともなく、実務協議も行われていないという説明だった。
ただ、複数の情報筋によると、政府と青瓦台は画像・対面の2つの可能性を共に考慮しながら首脳会談実現案について内部で議論中という。北朝鮮が新型コロナ防疫に敏感である点を考慮し、板門店(パンムンジョム)に「防疫会談場」を設置する案を論議中であることも、政府の首脳会談開催の意志を表している。
外交筋は「防疫会談場は南北の対話と首脳会談の実現のために内部で論議する複数の案の一つであり、進展させている」とし「首脳会談が実現するのであれば、防疫会談場であれ何であれできるのではないだろうか」と話した。
そのための事前準備にあたる南北実務協議は短期間内に実現する可能性がある。これを通じて南北首脳会談が成果につながり、米朝間の高官級チャンネルが再稼動すれば、これ以上のことはないというのが政府の希望事項だ。
◆「内部結束」固める金委員長を呼び出す妙案は
ただ、金委員長を首脳会談の舞台に引き出すためには、北朝鮮が直面している食糧難と新型コロナ防疫およびワクチン問題の解決が先にあるべきという指摘も出ている。
実際、北朝鮮は食糧不足問題、新型コロナ防疫など内部の問題を勘案するかのように、労働新聞・朝鮮中央テレビなど対内メディアでは南北通信連絡線復元の事実に一切触れなかった。これは金委員長が南北対話など外部との接触より内部の結束をさらに重要視しているという意味としても解釈が可能だ。
こうした状況で特に北朝鮮へのワクチン支援は、金委員長に首脳会談など対話テーブルに出る名分を提供すると同時に、南北関係を急進展させることができる核心カードとして活用可能だ。北朝鮮へのワクチン支援には韓米両国が原則的に同じ声を出したりもする。
文大統領は6月14日、「北が同意すればワクチン供給協力を積極的に推進する」と述べ、これに対し米国務省は「北朝鮮の住民に非常に重要な人道支援が提供されるよう国際的な努力を支持していく」という立場を明らかにした。
北朝鮮は現在、エリトリア・ブルンジ・タンザニアと共に全世界でワクチン接種を開始していない4カ国に含まれるなど、深刻なワクチン死角地帯にある。COVAXファシリティー(世界ワクチン共同分配プロジェクト)は5月、北朝鮮にアストラゼネカ製ワクチン約170万回分を提供する予定だったが、北朝鮮側がワクチンの副作用を憂慮してこれを拒否した。
青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)は27日、通信連絡線の復元をはじめ、南北関係の改善のための課題を一つずつ解決する「飛び石論」を前に出し、韓半島(朝鮮半島)平和プロセスを再稼働させる計画だ。目標地点に設定したのは南北首脳会談、さらに米朝対話の再開だ。
青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官は28日、MBC(文化放送)ラジオ番組「チェ・キョンヨンの最強時事」のインタビューで、「(南北関係の改善は)実現可能な、渡ることが可能な飛び石を置きながら、両国の間に生じ得る暗礁を克服していく道になるだろう」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)政権が構想中の2つ目の飛び石は、いかなる形態であれ南北首脳間の直接的な意思疎通チャンネルを復元することと予想される。
これに関連して南北の意思疎通過程に詳しい政府関係者は「青瓦台が描く文在寅大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員場の意思疎通は大きく電話通話と画像首脳会談、そして対面首脳会談の3つ」とし「ひとまず北側が提案に呼応する場合に備えて、3つの形式の意思疎通に必要な諸条件をあらかじめ用意するために内部で話し合っている」と伝えた。
◆2つ目の飛び石は文-金正恩の直通
まず、首脳間のホットライン(直通電話)に該当する青瓦台-国務委員会の通信線が目を引く。青瓦台と政府は27日、軍当局と統一部が活用した通信線の復元に合意したという内容を発表しながらも、首脳間のホットラインには言及しなかった。
文大統領と金委員長が直接通話しながら重要な合意をする姿を演出するためにホットライン復元カードを惜しんだのではという分析が出ている理由だ。青瓦台関係者はホットラインについては言葉を控えながらも「首脳間のホットライン通話は徐々に議論する事案」と余地を残した。
青瓦台は「両首脳間の対面接触に関する協議や、画像首脳会談に関する議論は行われていない」と明らかにした。まだ北朝鮮側に首脳会談を提案したこともなく、実務協議も行われていないという説明だった。
ただ、複数の情報筋によると、政府と青瓦台は画像・対面の2つの可能性を共に考慮しながら首脳会談実現案について内部で議論中という。北朝鮮が新型コロナ防疫に敏感である点を考慮し、板門店(パンムンジョム)に「防疫会談場」を設置する案を論議中であることも、政府の首脳会談開催の意志を表している。
外交筋は「防疫会談場は南北の対話と首脳会談の実現のために内部で論議する複数の案の一つであり、進展させている」とし「首脳会談が実現するのであれば、防疫会談場であれ何であれできるのではないだろうか」と話した。
そのための事前準備にあたる南北実務協議は短期間内に実現する可能性がある。これを通じて南北首脳会談が成果につながり、米朝間の高官級チャンネルが再稼動すれば、これ以上のことはないというのが政府の希望事項だ。
◆「内部結束」固める金委員長を呼び出す妙案は
ただ、金委員長を首脳会談の舞台に引き出すためには、北朝鮮が直面している食糧難と新型コロナ防疫およびワクチン問題の解決が先にあるべきという指摘も出ている。
実際、北朝鮮は食糧不足問題、新型コロナ防疫など内部の問題を勘案するかのように、労働新聞・朝鮮中央テレビなど対内メディアでは南北通信連絡線復元の事実に一切触れなかった。これは金委員長が南北対話など外部との接触より内部の結束をさらに重要視しているという意味としても解釈が可能だ。
こうした状況で特に北朝鮮へのワクチン支援は、金委員長に首脳会談など対話テーブルに出る名分を提供すると同時に、南北関係を急進展させることができる核心カードとして活用可能だ。北朝鮮へのワクチン支援には韓米両国が原則的に同じ声を出したりもする。
文大統領は6月14日、「北が同意すればワクチン供給協力を積極的に推進する」と述べ、これに対し米国務省は「北朝鮮の住民に非常に重要な人道支援が提供されるよう国際的な努力を支持していく」という立場を明らかにした。
北朝鮮は現在、エリトリア・ブルンジ・タンザニアと共に全世界でワクチン接種を開始していない4カ国に含まれるなど、深刻なワクチン死角地帯にある。COVAXファシリティー(世界ワクチン共同分配プロジェクト)は5月、北朝鮮にアストラゼネカ製ワクチン約170万回分を提供する予定だったが、北朝鮮側がワクチンの副作用を憂慮してこれを拒否した。
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