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【社説】大統領訪日見送りで確認された最悪の韓日関係

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

青瓦台の朴洙賢国民疎通首席秘書官が19日午後に文在寅大統領の訪日関連会見をしている。[写真 青瓦台]

文在寅大統領の訪日は最終的に見送られた。東京五輪開会式出席を契機に韓日首脳会談を成功させ悪化の一途をたどる両国関係に突破口を用意しようとしていた韓国政府の構想は水の泡になった。せっかくの機会さえ生かすことができない韓日関係の現住所は残念なばかりだ。韓日関係が1965年の国交正常化以降で史上最悪という表現が誇張でないことを如実に見せる事件だ。

まず日本政府に強い遺憾を表明せざるをえない。最近韓国政府が首脳会談開催に積極的だったのに対し日本政府が消極的だったのは明白な事実だ。日本政府は最大の懸案である強制徴用・慰安婦問題に対する解決策を韓国政府が先に提示しろという態度で一貫した。「成果もないのは明らかなのになぜあえて来ようとするのか」という本心が数日前に起きた相馬弘尚駐韓日本公使の発言ではっきり表れたりもした。日本の態度は首脳同士が顔を合わせることが必要だという事実から目をそらしているに見えた。首脳会談の成功を韓国から譲歩を引き出す圧迫カードとして使っているという疑いもぬぐい去ることはできない。こうした姿勢では韓国国民の反発を買うほかはなく、日本が望む結果とは正反対の方向で世論が形成されるほかはない。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)の決定は苦心に苦心を重ねた末に下したもので理解できる側面はある。しかも土壇場で出てきた日本公使の発言は国民的憤怒を呼び起こした。悪化した世論を押し切ってこれといった成果がないことが確実視される中で日本行きを選ぶことは現実的に困難が大きかっただろう。それでも韓国政府がすべての責任から自由になれるのではない。強制徴用の大法院(最高裁)判決が下されたのは2018年10月のことだ。3年近い時間が流れたがこの問題を政治的・外交的に解決するために青瓦台と韓国政府が最善の努力を尽くしたと考える人はほとんどない。むしろ政府・与党の幹部が「竹槍歌」を云々しながら反日感情を扇動し韓日対立の収拾どころか悪化をあおったのが事実だ。不協和音が出るたびに責任を押しつけるための非難戦にばかり熱を上げ、国民的合意点を見いだそうとする努力には消極的だった。このすべての原因が積み重なった結果がまさに現在の状況だ。


文大統領の訪日見送りにより不信と対立の溝はより一層深まるだろう。これはバイデン政権が積極的に乗り出している韓米日3カ国協力にも否定的影響を及ぼすほかない。それにもかかわらず、両国政府間、国民間の信頼を回復し関係を改善しようとする努力を放棄することはできない。信頼は1日では築けない。普段の実務段階から問題を解決するための努力を繰り返しきちんと信頼を積み上げていかなければいくら良い機会がきても生かすことはできない。今回の訪日見送りを通じて得た貴重な教訓を韓日両国とも深く刻まなければならないだろう。



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