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【社説】中国に顧客情報まるごと渡したアップル…韓国は安全なのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
アップル(Apple)が中国政府にiPhoneの顧客情報をまるごと渡して、事前の検閲・監視に積極的に協力したという知らせは衝撃的だった。米国屈指の通信会社であるアップルは米国内ですら個人情報保護原則を厳格に守る企業として有名だったので尚更だ。アップルは今年1-3月期グローバル売上20%を占める中国事業を運営し、中国法を遵守するために避けられない選択だったと釈明した。しかし、アップルの政策と哲学を信頼している消費者を裏切る行為として非難されて当然だ。今回のことを他山の石として、われわれの個人情報は安全に管理されているのか点検して省察する必要がある。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、アップルは2017年、中国iPhone顧客のデータを中国国営企業が所有したサーバーに移すことに協力した。中国内で収集された個人情報は必ず中国で保管するよう義務化する方向でサイバー保安法が改正された直後だった。これによって中国政府は顧客の氏名、電子メール、写真、連絡先、スケジュール、位置情報などのデータを見ることができるようになった。自国民の事前検閲が可能になった。

アップルは天安門広場、チベット独立、民主化デモなど中国政府が嫌がる主題に対するモバイルアプリ数万件を中国版アップストア(App Store)から削除したというからあきれる。特に2016年サン・バーナディーノ銃器乱射事件当時、米国連邦捜査局(FBI)の捜査協力の要請にも個人情報保護政策を掲げて応じなかった企業がアップルだ。米国政府や国民の失望感がどれくらい大きく、非難の程度がどれくらい強いか推測することができる。


アップルまで顧客情報を中国に渡すところをみると、個人情報の流出および管理不良問題はもう他人事ではない。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で、どこへ行っても体温を測らされ、QRコードを撮られるのが日常だ。そのたびに個人情報がどこかに漏れるのではないか不安で気乗りしない。

不安は杞憂ではなかった。新型コロナ防疫次元で建物・事務室・店舗の入口に設置・運営中の一部サーモカメラの体温測定機に、測定対象者の顔の姿と音声情報を収集して外部に伝送する機能が含まれたという。特に測定機に設定されたデータ通信終着地が中国・米国にあるインターネットアドレス(IP)だったという。これほど深刻な問題も他にない。関係当局もこれを個人情報の侵害行為と判断し、緊急実態点検に出たため徹底的に調査して結果を透明に公開してほしい。特定の人物の情報が外部に流出したかどうかから確認し、管理主体の企業・公共機関などの不注意や誤りはなかったか点検しなければならない。

敏感な個人情報流出はあらゆるものを被害者にする。当事者は精神的・身体的被害が大きい。企業は営業損失を被り、顧客から無視される。政府は国民税金をより多く使わなければならない。アップル事態を契機に個人情報流出防止に万全を期しなければならない。それが国民の不安を和らげる第一歩だ。



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