モンゴルで発生した砂嵐 写真=モンゴル国家防災庁
モンゴル気象庁によると、13-15日にモンゴルの乾燥した砂漠地帯で最高風速40メートルの黄砂(砂嵐)が発生した。砂嵐の襲撃でモンゴル草原地域はまさに「焦土化」した。環境団体グリーンアジアモンゴル支部が公開した写真を見ると、遊牧民の移動式住居ゲルが崩れ、ヤギなど家畜が大量死した。砂嵐の威力で電柱も倒れるほどだ。
モンゴル国家防災庁によると、暴風で10人が死亡し、一時は590人が行方不明となった。また1600頭の家畜が大量死し、92軒のゲルが倒壊した。
グリーンアジアモンゴル支部のシン・ドンヒョン事務次長は「遊牧民は昼は主に草原に出るが、その状況で突然砂嵐が吹けば避難するところがない。家畜を探しに行って風に巻き込まれ、行方不明になった人たちもいる」と現地の被害状況を伝えた。
◆ゴビ砂漠で発生した黄砂、24時間後に韓国到達
黄砂はモンゴルや中国など東アジアの乾燥地域に強風が吹いて発生した砂埃をいう。
黄砂は低気圧の上昇気流で空中に浮上した後、風に乗って韓半島(朝鮮半島)にも飛んでくる。さらに韓国国内に下降気流が形成されれば砂埃が落下する。
韓国国内の黄砂はほとんどがモンゴル南部のゴビ砂漠と中国満州地域で発生したものだ。移動速度も速い。ゴビ砂漠や中国内モンゴル地域で発生した黄砂は北西風に乗り、24-48時間ほどで韓国に到達する。
今回モンゴルで発生した砂嵐も15日に中国北京を襲い、10年ぶりの最悪の黄砂となった。さらに中国内モンゴル高原の方から追加で発生した黄砂が重なり、韓国にも一部影響を及ぼした。
◆「気候変動でモンゴル全域が黄砂発源地に」
問題は黄砂発源地のモンゴルが気候変動の影響で砂漠化が加速し、砂嵐現象がさらに深刻化している点だ。グリーンアジアのオ・キチュル常任理事は「地球の終末を連想させる砂嵐は、過去60年間にモンゴルの平均気温が2.1度ほど上昇したため」とし「国土の80%が砂漠化し、全域が黄砂発生地になった」と指摘した。
特にこの冬にはモンゴルに異常気温現象が見られ、黄砂が発生しやすい条件が形成された。最近の大型砂嵐が発生したのもこうした理由からだ。
気象庁のウ・ジンギュ予報分析官は「平年より気温が高かったため雪に覆われている地域もなく、土壌がさらに乾燥し、黄砂が発生する可能性が例年より高まった」とし「韓国にどんな影響を与えるかはさらに見守らなければいけないが、黄砂発源地に対するモニタリングを強化する必要がある」と述べた。
一方、16日から韓国全国各地で観測された黄砂は18日まで西側地域を中心に影響を与える。気象庁は「17日に粒子状物質(PM10)濃度は徐々に低下するが、18日まで西側地域を中心に黄砂が続く地域があり、健康管理に注意する必要がある」と伝えた。
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