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韓米外相会談、予想外の決心発言「北朝鮮の人権蹂躪に対抗せよ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

アントニー・ブリンケン米国務長官

17日開かれた韓米外相会談でアントニー・ブリンケン米国務長官が北朝鮮政権の人権蹂躪と中国の香港自治権侵害および新疆自治区での人権侵害などに言及して「われわれはこのような抑圧に対抗しなければならない。韓国と共通の見解を達成できることを望む」と述べた。ジョー・バイデン行政府に入って初めて開かれた韓米外相会談を通じて「韓国もともに中国に対抗してほしい」というメッセージを発信するのが今回の訪韓の目的だという点を隠さなかったわけだ。

この日午後6時30分から行われた鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官との会談の冒頭発言でブリンケン長官は「われわれは今、全世界で民主主義を侵食する危険な場面を目撃している」と述べた。同時に「中国は強圧的で攻撃的な方法で香港の自治権を組織的に押し倒そうとしており、台湾の民主主義を阻害し、チベットと新疆自治区で人権を蹂躪し、南シナ海で国際法に反する海洋領有権をめぐる主張を展開している」と中国を名指した。

この日の会談の冒頭発言はメディアに公開することで事前に合意していた。それをよく分かっていたブリンケン長官が冒頭発言でこのように中国を直撃したのは今回の訪韓で該当懸案を重要に扱うという意図を示したとみられる。


ブリンケン長官は金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮総書記が最も敬遠する北朝鮮の人権問題にも言及した。「北朝鮮の全体主義体制は北朝鮮の住民を対象に組織的で広範にわたる人権蹂躪を継続している」と強調した。また「われわれは基本的な権利と自由を守らなければならない。それを抑圧する人々に立ち向かうべきだ」と話した。「組織的で広範にわたる人権蹂躪」は金正恩総書記を責任者として名指し、北朝鮮の人権状況を国際刑事裁判所(ICC)に申し立てるように勧告した2014年国連北朝鮮人権調査委員会(COI)の報告書で使った表現だ。

ブリンケン長官は韓国がこれに賛同してほしいという点も明確にした。「われわれは自由で開かれたインド・太平洋や人権、民主主義、法治に向けた共同の見解を(韓国と)達成できることを望む」と発言しながらだ。韓国が民主主義と普遍的価値を守る原則を持った国であれば、このような見解を共有するべきだという圧力にほかならない。

またブリンケン長官は「数十年間、韓米同盟は領域内安保の砦となり、われわれがすべきことは同盟を維持するだけでなく強化させることだ。そのようにすることで、こんれから数十年間の基盤を磨き上げること」とし「それがわれわれが今日ここに来ている理由」とも述べた。

この日ブリンケン長官の発言は予想より度合いが強いというのが外交街の見方だ。当初同盟の修復を強調するバイデン行政府は初対面のような会談で異見を呈するような議題は公開的には取り上げないだろうという見方が多かったためだ。特に、韓国はその間南北関係や韓中関係などを考慮して香港や新疆自治区など人権問題にはこれといった立場を表明すらしなかった。韓国政府は今年3年連続で国連人権理事会の北朝鮮人権決議案の草案共同提案国に参加していない。だが、ブリンケン長官は北朝鮮政権の人権蹂躪に対してともに対応したいといったわけだ。

冒頭発言で両側はお互いに完全に異なる話をしたといっても過言ではないほど温度差が現れた。鄭長官は「韓米同盟は韓国外交の根幹であり、北東アジアおよび世界平和と繁栄の核心軸」としながらも「本日会談の結果で韓半島(朝鮮半島)の平和プロセスが堅固に定着して実質的な進展に向かって進む動力が作られることを期待する」と強調した。だが、ブリンケン長官は北朝鮮の人権状況を批判しただけでなく、北朝鮮の核・ミサイルプログラムを主な威嚇として取り上げた。ブリンケン長官は「北朝鮮の核と弾道ミサイルプログラムは共同の威嚇」としながら「われわれは韓国および日本を含む他の同盟、パートナーらと北朝鮮の非核化のためにともに取り組む予定」と話した。これを意識したように、外交部は会談後の報道資料で「両長官は拡大会談80分後、韓半島問題に関する踏み込んだ追加協議のために長官の執務室へ席を移して25分間当局者1人ずつを同席させて単独会談を行った」と明らかにした。

この日、米国務省が会談後に発表したメディア告知文にはブリンケン長官の冒頭発言より丁寧な表現が使われた。中国や北朝鮮に対する直接的な言及はなかった。

一方、オースティン米国防長官もこの日、バイデン政府発足以来初めて開かれた両国国防相会談で予想通りに中国牽制に向けた韓国の賛同に言及した。彼は冒頭発言で「韓米同盟は北東アジア、自由で開かれたインド・太平洋地域、そして全世界の平和、安保、繁栄の核心軸」としながら「北朝鮮と中国の前例のない威嚇で韓米同盟はいつにもまして重要だ」と述べた。「中国の威嚇」という表現は、韓国を訪れた国防長官の口から初めて出た発言だ。

18日には韓米外交・国防(2+2)相会議や共同記者会見、第11回韓米防衛費分担特別協定(SMA)仮署名式に続き、両長官は文在寅(ムン・ジェイン)大統領にも表敬訪問する予定だ。



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