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菅氏は安倍氏とは違う? 日本に手を差し伸べる韓国大統領府

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

文在寅大統領が9月24日、青瓦台で日本の菅義偉首相と電話会談をしている。[写真 青瓦台]

輸出規制をめぐって韓日葛藤が深まっていた昨年7月、チョ・グク当時青瓦台(チョンワデ、大統領府)民情首席はFacebook(フェイスブック)にYouTube(ユーチューブ)の『竹槍歌』のリンクを掲載した。竹槍歌は抗日意志を歌った民衆歌謡だ。翌月には高ミン廷(コ・ミンジョン)当時報道官が「日本の責任ある政治家たちは、現在この歴史の前でどれくらい正直なのかもう一度聞きたい」として日本に厳しく詰め寄った。当時青瓦台の核心関係者は「(日本に)手を差し伸べようと言うのは無意味のような気がする」とも話した。

だが最近、青瓦台は日本に手を差し伸べている。青瓦台の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官は23日、姜昌一(カン・チャンイル)元国会議員の駐日大使内政事実を伝えながら「冷え込んだ韓日関係のこじれを解きほぐし、未来志向的両国関係に進む契機を用意するものと期待する」と話した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日の東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(韓日中)のテレビ首脳会議で、菅首相を名指しして特に「うれしい」と話し、親近感を表現した。昨年と今年、日本に対する青瓦台の温度差は大きい。なぜだろうか。

(1)バイデン時代


ジョー・バイデン米国大統領当選者は今月12日、文大統領、菅首相と初めて電話会談を行い、「インド太平洋地域の安保と繁栄」に対して同じように言及した。あわせて韓米同盟は核心軸(linchpin)で、日米同盟は礎(cornerstone)と表現した。これについて、バイデン氏が同盟を通じて中国を圧迫する戦略であるインド太平洋戦略を強化するという分析が出てきた。

国立外交院のキム・ヒョンウク教授(米州研究部)は「(バイデン氏が初代国務長官に内定した)トニー・ブリンケン氏は韓日米3国共助に対して非常に愛着が強い人だ。韓日関係の回復はバイデン政府の外交政策のうち優先順位にある」と話した。米国がインド太平洋戦略を展開するとき、同盟国間の葛藤は障害物になりえるため、米国が韓日関係の回復に直接乗り出す可能性があるという説明だ。

国民大学の李元徳(イ・ウォンドク)教授(日本学科)も「バイデン時代に入れば、韓日関係改善要求は強まる」としながら「姜昌一氏の大使任命など、韓国政府の韓日関係回復ジェスチャーはその先制的措置だとみることができる」と話した。

(2)北朝鮮問題のテコ

青瓦台が韓日関係の回復を北朝鮮問題を進展させるためのテコとして活用するという見方もある。文大統領は2018年5月、読売新聞とのインタビューで「日本は韓半島平和と繁栄のために重要な役割を果たすことができる。完全な非核化達成のための韓米日共助、北朝鮮の体制安全保障のための朝日関係正常化などさまざまな側面でも役割を果たすことができる」と話した。文大統領は韓半島平和における日本要因を重要視してきた。

聖公会(ソンゴンフェ)大学の梁起豪(ヤン・ギホ)教授(日本学科)は「米中葛藤が深まり北東アジアが新冷戦体制に戻れば北朝鮮政策も水泡に帰する可能性が高い。韓国としては韓日関係を改善して、これを契機に朝日関係を改善し、韓日、朝日、南北関係の好循環を生み出そうとする期待があるだろう」と話した。また「日本と信頼を築き、韓半島問題で戦略的利益を共有しようという考えがあるだろう」と説明した。

(3)安倍氏ではない菅氏

青瓦台が日本との関係回復に積極的に乗り出すようになったのは、安倍内閣から菅内閣への政権交代も影響を与えたものとみられる。梁起豪教授は「安倍晋三前首相は文在寅政府に対する不信がとても深かった。韓国も安倍前首相への反感が激しく、互いに対話がうまくできなかった。菅首相に変わってから青瓦台は『新しい酒は新しい革袋に盛れ』という言葉のように、新たに信頼構築をしていこうとしているようだ」と話した。

李元徳教授は「菅首相には来年開催予定の東京オリンピック(五輪)の成功が最も重要で、成功のためには韓国や北朝鮮との関係回復も不可欠ではなかろうか」とし「菅首相が安倍前首相と差別化できるもののうちの一つには韓半島問題があるが、そのような利害関係のために韓日間で和解ジェスチャーが行き来している」と診断した。



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