映画『ミナリ』の中の主人公家族。[写真 パンシネマ]
この日、カリフォルニア州ビバリーヒルズのビバリー・ヒルトンホテルとニューヨーク市ロックフェラーセンター・レインボールームに分けて開かれた授賞式は、新型コロナウイルス(新型肺炎)のため出席者が最小限に抑えられた。画像を通じて受賞の知らせを聞いたチョン監督は、出演陣・スタッフの名前を一人ひとり呼びながら「すべてのミナリ家族に感謝」とメッセージを伝えた。チョン監督は自宅で娘を抱いて笑顔を浮かべながら「ここに一緒にいる娘がこの映画を作った大きな理由だ。ミナリは家族の物語だ。彼らだけの言語で話そうと努力する家族の物語で、その言語は単なる米国の言語や他のどのような外国語でもなく、心の言語(Language of Heart)」と所感を伝えた。『ミナリ』はデンマークの『Another Round』、フランス-グアテマラ合作の『ラ・ヨローナ伝説』、イタリアの『これからの人生』、米仏合作の『Two of Us』と外国語映画賞をめぐって競い合った末にトロフィーを手にした。
チョン監督の長編映画4作目となる『ミナリ』は、1980年代米国アーカンソーに移住した30代韓国人夫婦とその子ども(兄妹)、そして彼らを助けるために韓国から来たおばあさんの希望と挫折、意志の旅程を描いている。昨年サンダンス映画祭で初めて公開された後、ゴールデン・グローブ直前まで計74冠(157部門ノミネート)を手にした。特におばあさん「スンジャ」役の女優ユン・ヨジョンの演技が注目され、各種映画祭・授賞式で計26冠に輝いた。主人公ジェイコブを演じ、プロデューサーとしても参加した在米同胞2世俳優スティーヴン・ユァンは2月26日、韓国記者とのオンライン懇談会で「非常に韓国的であり、またそのまま人間の物語という点に引かれた」と話した。