新型コロナウイルスワクチンの接種が4日後に迫った。26日にアストラゼネカ、27日にファイザーのワクチン接種が始まる。待ち望んでいたワクチン接種が目前に近づいたが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のアストラゼネカワクチン1号接種議論に権徳チョル(クォン・ドクチョル)保健福祉部長官の公正性毀損の主張が出てきて議論が加熱している。これによりワクチンへの不安感が拡大する様相だ。
韓国政府は20日、療養院・療養病院従事者、新型コロナウイルス対応医療機関の医療陣の90%以上がワクチン接種に同意したと明らかにしたが、6~7%は同意しなかった。同意した人も26~28日に全員が接種するかは未知数だ。
一般国民の不安な見方は相変わらずだ。韓国社会世論研究所が22日に韓国交通放送の依頼により19~20日に満18歳以上の1020人を調査したところ、「順番がくればすぐに接種したい」という回答は45.8%だった。「接種を先送りして状況を見守りたい」という回答者が45.7%、「摂取しない」が5.1%だった。ワクチン導入と接種準備体制に対する政府への信頼度と関連しては、回答者の55.8%が「信頼する」と答え、41.1%は「信頼しない」と答えた。
19日の韓国ギャラップの調査と比較すると状況は悪化した。当時の調査では71%が「接種の意向がある」と答え、「意向がない」という回答は19%だった。
アストラゼネカへの不信は韓国政府が種をまき、政界が拡大再生産している。食品医薬品安全処と疾病管理庁は先月28日以降にアストラゼネカのワクチンの許認可と接種対象選定過程で一貫した立場を見せることができなかった。
これを受け政界で論争が加熱している。劉承ミン(ユ・スンミン)元未来統合党議員が19日に不信解消に向け「文在寅大統領がアストラゼネカのワクチンの最初の接種をすべき」と促すと、民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)議員が「国家元首が実験対象なのか。国家元首に対する嘲弄であり冒涜」と反論した。ソウル市長を目指す趙恩禧(チョ・ウンヒ)瑞草(ソチョ)区長と、「国民の力」戦略室長を務める金根植(キム・グンシク)慶南(キョンナム)大学教授が真っ向から対立した。
22日には民主党の申東根(シン・ドングン)、梁香子(ヤン・ヒャンジャ)最高委員、金ギョンヒョプ議員が「野党がワクチン不安を増幅させている」と批判した。そうでなくても効果をめぐる議論に包まれているアストラゼネカのワクチンの傷がぶり返すことになった。
「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表はこの日、「政府が許諾するならば、政治家であり医療関係者の1人として先にアストラゼネカのワクチンを接種する用意がある」と話した。安代表はこの日の最高委員会議で、「1次ワクチン接種対象者ではないが、ワクチンに対する不信、不安感の解消のため」と話した。
専門家らはワクチン早期確保をなおざりにしていた上にアストラゼネカのワクチン接種率まで落ちるなら11月の集団免疫確保目標に支障が出るだろうとみる。アストラゼネカのワクチンは26日から75万人分を接種し、上半期に国際ワクチン購入協議体であるCOVAXファシリティから130万人分を追加で確保することになっている。これに伴い、政争を控えアストラゼネカのワクチンの信頼回復に向け社会指導層が早期に接種する姿を見せることを注文する。
中央予防接種センター長を務めるソウル大学病院の呉明燉(オ・ミョンドン)感染内科教授は「いまはワクチン接種率を高めることが最も重要だ。国民の信頼を受ける社会指導層が立ち上がって接種しなければならない。あえて1号接種者になる必要はない」と話した。呉教授は「社会指導層が先に接種するからと公正性が崩れると考える国民がどれだけいるか。いろいろ判断して決めるだろうが、いまはワクチンの信頼回復につながるならばだれであれ立ち上がるべき」として文大統領の接種の必要性を遠回しに言及した。彼は「政治家だけでなく信頼される芸能人やスポーツ選手も乗り出す必要がある」と付け加えた。
呉教授は「いまはワクチン不足問題を問い詰める時ではない。1日に接種できる量に限界があり、免疫ができるのに2週間以上かかる。どれだけ早く接種するかがカギ」と話した。呉教授は「65歳以上がアストラゼネカのワクチンを接種しても問題がないという学術的根拠が明確にある。雨が吹き寄せているのに大きな傘ばかり探してどうするのか」と強調した。
ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「疾病管理庁が65歳以上はアストラゼネカのワクチン接種を保留したが、68歳の文大統領が接種すれば疾病管理庁の指針を否定するという議論が起きないか心配になる」としながらも、「国民のワクチン信頼度を高めるために社会指導層が接種するのが望ましい」と話した。キム教授は「65歳以上がアストラゼネカのワクチンを打っても構わないと考える。3月末に米国の臨床試験結果が出る前でも社会指導層があらかじめ接種しても良いとみる」と話した。
鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長が先に打てば良いという勧告論も出ている。
翰林(ハンリム)大学医学部予防医学科の金東賢(キム・ドンヒョン)教授は「どのようにするにしてもワクチン接種率を高めなければならず、一部の懸念を払拭させなければならないため、責任ある医療陣が先に受けるのが良いようだ。鄭銀敬庁長や医師協会会長も打てば良い」と話した。金教授は「大韓医学会が医療界で信望受ける団体のため、そのような団体医療関係者が出れば良い」と話した。
これに対し文大統領の接種に反対する声もある。
国立がんセンター国際がん大学院大学の奇牡丹(キ・モラン)教授は「ワクチンをなぜ率先垂範して打たなければならないのか。そうしなければ危険なものなのか」と反問した。奇教授は「文大統領が打てば信じられるのか。ワクチンの正確な情報を持って本人が自ら判断するべきで、著名人が打てば信じ、そうでなければ信じない、そういうものではないだろう」と話した。
高麗(コリョ)大学医学部予防医学科の千丙哲(チョン・ビョンチョル)教授も、「政治家が先に打つ国は国民の合意でそうした。韓国は優先順位に政治家は入っていない。大統領といっても自分の順番がきた時に最初に打つのが望ましく、優先順位を無視するのは望ましくない」と話した。
千教授は「社会的に影響力がある芸能人や鄭銀敬疾病管理庁長やこうした人たちがさらに影響を与えているようだ。一般国民が接種する時に大統領が先に打って、メディアに出ることが重要だと考える。いまはしばらく待つのがどうかと思う」と話した。
鄭銀敬庁長は22日の会見で、「現在としては順番に合わせて公正に予防接種を進める予定」として「文大統領1号接種」の主張に反対した。鄭庁長は「予防接種に対する国民の不安が大きく、また心配が多く提起され、だれか社会的著名人または保健医療界の代表が国民の不安感をもう少し緩和するために接種することが必要と判断されればいつでもできると考える。ただ現在はそのような状況ではなく、接種同意率が相当に高いため順番にしたがって公正に予防接種をスムーズに進めたい」と話した。
鄭庁長は「予防接種はすでに臨床試験を経て安全性と効果性が確認された許可を受けたワクチンを接種する。ワクチン接種をだれが受けるにしても実験対象ではない。そうした表現は適切でないと考える」と話した。続けて「安哲秀代表がそのような提案をされたことは聞いていないが、現在われわれが接種優先順位を決め手公正性と透明性を持って接種対象者管理をしている」と話した。
韓国政府は20日、療養院・療養病院従事者、新型コロナウイルス対応医療機関の医療陣の90%以上がワクチン接種に同意したと明らかにしたが、6~7%は同意しなかった。同意した人も26~28日に全員が接種するかは未知数だ。
一般国民の不安な見方は相変わらずだ。韓国社会世論研究所が22日に韓国交通放送の依頼により19~20日に満18歳以上の1020人を調査したところ、「順番がくればすぐに接種したい」という回答は45.8%だった。「接種を先送りして状況を見守りたい」という回答者が45.7%、「摂取しない」が5.1%だった。ワクチン導入と接種準備体制に対する政府への信頼度と関連しては、回答者の55.8%が「信頼する」と答え、41.1%は「信頼しない」と答えた。
19日の韓国ギャラップの調査と比較すると状況は悪化した。当時の調査では71%が「接種の意向がある」と答え、「意向がない」という回答は19%だった。
アストラゼネカへの不信は韓国政府が種をまき、政界が拡大再生産している。食品医薬品安全処と疾病管理庁は先月28日以降にアストラゼネカのワクチンの許認可と接種対象選定過程で一貫した立場を見せることができなかった。
これを受け政界で論争が加熱している。劉承ミン(ユ・スンミン)元未来統合党議員が19日に不信解消に向け「文在寅大統領がアストラゼネカのワクチンの最初の接種をすべき」と促すと、民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)議員が「国家元首が実験対象なのか。国家元首に対する嘲弄であり冒涜」と反論した。ソウル市長を目指す趙恩禧(チョ・ウンヒ)瑞草(ソチョ)区長と、「国民の力」戦略室長を務める金根植(キム・グンシク)慶南(キョンナム)大学教授が真っ向から対立した。
22日には民主党の申東根(シン・ドングン)、梁香子(ヤン・ヒャンジャ)最高委員、金ギョンヒョプ議員が「野党がワクチン不安を増幅させている」と批判した。そうでなくても効果をめぐる議論に包まれているアストラゼネカのワクチンの傷がぶり返すことになった。
「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表はこの日、「政府が許諾するならば、政治家であり医療関係者の1人として先にアストラゼネカのワクチンを接種する用意がある」と話した。安代表はこの日の最高委員会議で、「1次ワクチン接種対象者ではないが、ワクチンに対する不信、不安感の解消のため」と話した。
専門家らはワクチン早期確保をなおざりにしていた上にアストラゼネカのワクチン接種率まで落ちるなら11月の集団免疫確保目標に支障が出るだろうとみる。アストラゼネカのワクチンは26日から75万人分を接種し、上半期に国際ワクチン購入協議体であるCOVAXファシリティから130万人分を追加で確保することになっている。これに伴い、政争を控えアストラゼネカのワクチンの信頼回復に向け社会指導層が早期に接種する姿を見せることを注文する。
中央予防接種センター長を務めるソウル大学病院の呉明燉(オ・ミョンドン)感染内科教授は「いまはワクチン接種率を高めることが最も重要だ。国民の信頼を受ける社会指導層が立ち上がって接種しなければならない。あえて1号接種者になる必要はない」と話した。呉教授は「社会指導層が先に接種するからと公正性が崩れると考える国民がどれだけいるか。いろいろ判断して決めるだろうが、いまはワクチンの信頼回復につながるならばだれであれ立ち上がるべき」として文大統領の接種の必要性を遠回しに言及した。彼は「政治家だけでなく信頼される芸能人やスポーツ選手も乗り出す必要がある」と付け加えた。
呉教授は「いまはワクチン不足問題を問い詰める時ではない。1日に接種できる量に限界があり、免疫ができるのに2週間以上かかる。どれだけ早く接種するかがカギ」と話した。呉教授は「65歳以上がアストラゼネカのワクチンを接種しても問題がないという学術的根拠が明確にある。雨が吹き寄せているのに大きな傘ばかり探してどうするのか」と強調した。
ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「疾病管理庁が65歳以上はアストラゼネカのワクチン接種を保留したが、68歳の文大統領が接種すれば疾病管理庁の指針を否定するという議論が起きないか心配になる」としながらも、「国民のワクチン信頼度を高めるために社会指導層が接種するのが望ましい」と話した。キム教授は「65歳以上がアストラゼネカのワクチンを打っても構わないと考える。3月末に米国の臨床試験結果が出る前でも社会指導層があらかじめ接種しても良いとみる」と話した。
鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長が先に打てば良いという勧告論も出ている。
翰林(ハンリム)大学医学部予防医学科の金東賢(キム・ドンヒョン)教授は「どのようにするにしてもワクチン接種率を高めなければならず、一部の懸念を払拭させなければならないため、責任ある医療陣が先に受けるのが良いようだ。鄭銀敬庁長や医師協会会長も打てば良い」と話した。金教授は「大韓医学会が医療界で信望受ける団体のため、そのような団体医療関係者が出れば良い」と話した。
これに対し文大統領の接種に反対する声もある。
国立がんセンター国際がん大学院大学の奇牡丹(キ・モラン)教授は「ワクチンをなぜ率先垂範して打たなければならないのか。そうしなければ危険なものなのか」と反問した。奇教授は「文大統領が打てば信じられるのか。ワクチンの正確な情報を持って本人が自ら判断するべきで、著名人が打てば信じ、そうでなければ信じない、そういうものではないだろう」と話した。
高麗(コリョ)大学医学部予防医学科の千丙哲(チョン・ビョンチョル)教授も、「政治家が先に打つ国は国民の合意でそうした。韓国は優先順位に政治家は入っていない。大統領といっても自分の順番がきた時に最初に打つのが望ましく、優先順位を無視するのは望ましくない」と話した。
千教授は「社会的に影響力がある芸能人や鄭銀敬疾病管理庁長やこうした人たちがさらに影響を与えているようだ。一般国民が接種する時に大統領が先に打って、メディアに出ることが重要だと考える。いまはしばらく待つのがどうかと思う」と話した。
鄭銀敬庁長は22日の会見で、「現在としては順番に合わせて公正に予防接種を進める予定」として「文大統領1号接種」の主張に反対した。鄭庁長は「予防接種に対する国民の不安が大きく、また心配が多く提起され、だれか社会的著名人または保健医療界の代表が国民の不安感をもう少し緩和するために接種することが必要と判断されればいつでもできると考える。ただ現在はそのような状況ではなく、接種同意率が相当に高いため順番にしたがって公正に予防接種をスムーズに進めたい」と話した。
鄭庁長は「予防接種はすでに臨床試験を経て安全性と効果性が確認された許可を受けたワクチンを接種する。ワクチン接種をだれが受けるにしても実験対象ではない。そうした表現は適切でないと考える」と話した。続けて「安哲秀代表がそのような提案をされたことは聞いていないが、現在われわれが接種優先順位を決め手公正性と透明性を持って接種対象者管理をしている」と話した。
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