（３）コントロールタワーか

主要国では国家指導者が会議を主宰して発表もする。リー首相のブリーフィングもその次元だ。文大統領に代わってワクチン供給状況を説明したのは丁世均（チョン・セギュン）首相だった。丁首相は２０日、ある番組に出演して「（アストラゼネカワクチンは）来年１－３月期から供給が始まることが約束されている。ただし、１－３月期のいつというのはまだ特定されていない」とした。社会的距離の確保の第３段階引き上げ問題をめぐっても文大統領は「中央災難安全対策本部会議が果敢に決断してほしい」とした。

（４）変化に対処能力はあるか


シンガポールも３・４月に感染者が１０００人台まで急増したことがある。リー首相は「（シンガポール）保健省はワクチン戦略にむけて医者と専門家で構成された委員会を組織し、政府はこの（委員会の）勧告を受け入れた」とした。ワクチン確保に着手した背景だ。約１０億シンガポールドル（約７７８億円）を配分し、モデルナ、ファイザー・ビオンテック、シノバックなどと契約した。リー首相は「われわれのポートフォリオを多角化させ、シンガポールがワクチン確保の努力の後尾ではなく先頭に立てるように努力した」と説明した。

文大統領は国内状況が安定的に維持されるだろうと判断し、来年登場する国産ワクチンと治療剤だけを頼りにした。文大統領自ら「Ｋ防疫に続きＫバイオがわれわれにとってもう一度希望と誇りになるだろうと信じている」と話した。だが、状況が変わった後も政府の対処は変わらなかった。丁首相は「７月にワクチンタスクフォース（ＴＦ、作業部会）チームが稼動する時は国内感染者は１００人程度だったので、ワクチン依存度を高める考えはしなかった側面がある」と認めた。

専門家の活用に対しても違いがある。文大統領は医療紛争の時、医療スタッフ・看護師を分裂させた。今回のワクチン局面で専門家に諮問を求めたのも先月１２日だった。

大統領学研究所副所長であるイム・ドンウク韓国交通大学教授は「ワクチンがあるかないかがリーダーシップの本質ではない。もっと重要なのは不確実性の除去」とし「現在ワクチン確保状況が具体的にどうで、今後どのような腹案があるが、現実的な困難が何なのかなどを最高指導者が直接話さない以上、陰謀説など国民的な不安は鎮まらない」と話した。


文大統領「社会的距離の確保がワクチン」叫んでいる時、シンガポール首相「半月後にワクチン到着」（１）