新型コロナウイルス感染症のワクチン
朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官はこの日のブリーフィングで、「アストラゼネカ2000万回分、ファイザー2000万回分、ヤンセン400万回分、モデルナ2000万回分を購買した」と述べた。ヤンセンは1回の接種、そのほかは2回の接種が必要だ。朴長官は「アストラゼネカとすでに先に購買契約をし、残りの企業も法的拘束力がある購買約款などを締結し、購買物量などを確定した」とし「2021年1-3月期(2、3月)から段階的に導入される予定」と述べた。これとは別に、政府は世界保健機関(WHO)などが主導した新型コロナワクチン供給の国際機構「COVAX」に加入し、1000万人分を確保した。
政府は優先接種対象(約3600万人)を決めて早ければ来年初めから接種を始める。高齢者、集団施設居住者、慢性疾患者など新型コロナ脆弱階層と医療スタッフ、療養施設従事者、警察、消防公務員、軍人など社会必須サービス人員が優先接種対象に入ると予想される。小児・青少年は抜けた。
政府がワクチンを購買したとはいえ、実際の接種までには時間がかかる見通しだ。まず導入の時期も、接種の時期も不透明だ。政府はアストラゼネカのワクチンに限り来年1-3月期に導入されると説明し、そのほかのワクチンについては具体的に言及しなかった。ファイザーやモデルナのワクチンの場合、導入時期が未知数だ。各国政府が昨年春からワクチンを確保するため製薬会社と先を競って協議に入った半面、韓国政府は「慎重にすべき」という立場を見せてきたからだ。福祉部は9月にワクチン導入案を公開した当時、「ワクチンの種類別に交渉を進めている」とし、購買契約は慎重に進めるという立場を表した。当時、福祉部は「急いで先に購買契約をすれば愚を犯すおそれがあるだけに、専門家の評価に基づいて安全性・有効性を十分に検討した後に購買契約を締結する」と明らかにした。米国・英国・欧州連合(EU)・カナダなどはすでに購買契約を完了していた時期だった。
朴長官はブリーフィングで、「購買したワクチンは来年中にはすべて入ってくるのか」という質問に対し、「来年中にはすべて入ってくると確約することができる」と答えた。朴長官は「先に物量を確保した後、安全性の検証を経て接種を始めるというのが戦略」とし「外国で2、3カ月間接種した後に副作用をモニタリングし、それから我々が接種するのが正しい順序だと判断している」と説明した。
政府が購買したワクチンは国民の85%が接種できる分量だ。この量が来年中にすべて導入されても、全体の人口より少ない。優先接種対象でない一般国民はいつ接種できるか分からない。一方、米国・日本などはワクチンを人口の2-5倍ほど確保したと発表した。朴長官は「国内の感染者は外国と比べてかなり少ない」とし「外国も購買のために一部の前払金を支払う程度であり、実際に倍の全量を購入するわけではない」と話した。
「副作用免責条項」も論議を呼んでいる。製薬会社は契約の過程で深刻な副作用が発生しても損害賠償を免責してほしいと要求したという。朴長官は「不公正な約款や契約の一定部分は受け入れるしかない状況」と述べた。
専門家らはワクチン導入時期が遅れ、物量の確保が人口を下回る場合、日常生活への回復速度が遅れると憂慮している。金宇柱(キム・ウジュ)高麗大九老(クロ)病院感染内科教授は「我々がK防疫に成功したとウサギのようにうぬぼれていたところ、ワクチン分野で他国のカメに追い越された状況」と表現した。金教授は「全国民接種分量を最小限確保し、できるだけ早期に接種を始めるべき」とし「多くのワクチンが下半期に入って接種をすれば、来年冬の直前にコロナが終息したり、一部で流行する状況になるかもしれない。多くの先進国は夏に正常化する中、韓国はその後もしばらく社会的距離を維持しなければいけない状況になることも考えられる」と指摘した。
朴長官は終息の時期について「国民の半分ほどがワクチン接種を終えた後と判断している」とし「来年のそれほど遅くはない時期になると期待する」と述べた。
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