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【社説】呆れ返るインフルエンザワクチン接種中断=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型肺炎とインフルエンザの同時流行すなわち、「ツインデミック」を心配していた中、国家インフルエンザ予防接種事業が施行前日に中断された。未曽有の事態だ。新型肺炎で驚いた国民がインフルエンザワクチン事故でもう一度胸を衝かれた。当局の管理がどれくらいずさんであればこのようにあっけにとられることが起こったのかまったく納得し難い。

疾病管理庁が出入り記者に予防接種事業中断方針を知らせたのは21日夜11時ごろだった。当初22日から18歳以下の青少年・子どもおよび妊産婦を対象に無料予防接種を始めようとしたが、わずか約10時間前に中断を決めた。疾病庁は「政府の調達契約にしたがってワクチン流通の責任を負う卸売会社(シンソン薬品)の流通過程でワクチンの冷蔵温度の維持などを不適切に処理したという通報が受け付けられ、品質が確認されるまで接種を一時中断する」と発表した。接種中断の対象はシンソン薬品が流通を引き受けた1259万ドーズ(1回接種分)の中で13~18歳を対象に準備した500万ドーズだ。

ワクチンは不活化ワクチンであれ生ワクチンであれ製薬会社の生産段階から最終接種段階まで冷蔵保管しなければならない。疾病庁によると、今回問題が提起された流通会社は該当ワクチンを冷蔵車で各地域に移して再配分する過程でワクチンを常温に露出したという。


ワクチンが常温に露出すればたん白質が変質してワクチンの効果と安全性に問題が生じ得る。疾病庁は今回疑問が提起されたワクチンはまず流通過程の問題であり製造段階の問題ではないと釈明した。

ワクチンの常温露出事実を会社が自発的に当局に知らせたのでなく、通報を受け付けて当局が一歩遅れて分かったというからワクチンの管理に穴が空いたわけだ。通報がなかったとすれば当局も全く知らなかったはずで、問題のワクチンが広範にわたって流通して接種が行われたかもしれないということだ。国民が肝を冷やして不安感を訴え、当局を不信に思う理由だ。疾病庁は食品医薬品安全処に該当ワクチンに対して検査を依頼したが、2週間程度がかかると予想している。問題が提起された500万ドーズを廃棄する場合、ツインデミックを懸念してワクチン接種を拡大しようとしていた疾病庁の計画に相当な支障が生じるものとみられる。製薬会社の今年インフルエンザワクチンの生産がすでに終わり、追加生産や輸入が事実上不可能であるためだ。

当初政府は例年より500万人分を追加した2950万人分(無料1900万人分を含む)のインフルエンザワクチンを今年接種する計画だった。前例のないワクチン接種中断事態を機に疾病庁は徹底した真相調査と安全性検査を通じて国民の不安感を払拭させる必要がある。この際、ワクチンなど医薬品の流通過程に対する安全点検を徹底的に推進して類似した問題の再発を防いでほしい。



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