韓半島(朝鮮半島)が気候戦争を繰り広げている中、韓国政府の対応が穴だらけで戦略もないのではないかという指摘が出ている。今回の水騒動で気象予報やダム運営、河川管理などに深刻な問題点があることが分かり、管理体系を早急に見直すべきだという声が大きい。
今年6月10日、済州道(チェジュド)から梅雨が始まって以来、今月11日までに全国の平均降水量(47カ所の測定地点)は909.2ミリに達する。中部地方における平年の梅雨期の平均降水量(366.4ミリ)の倍以上になる。全国の年平均降水量1300ミリの70%がこの2カ月間で降った。
釜経大学環境大気科学科のオ・ジェホ名誉教授は「地球温暖化によって北極の気温が上昇しながらジェット気流が下降したことに伴い冷たい空気が降りてきた」とし「そのせいで北太平洋高気圧が張り出すことができず梅雨が長引いた」と説明した。
あわせて「ジェット気流が北半球からどちらに降りてくるかによって、猛暑や日照りにもなり、洪水にもなる」と話した。気候変動で天気を正しく把握できず、今夏の気候戦争もそのような状況で起きたということだ。
大雨被害は雪だるま式に大きくなった。中央災難(災害)安全対策本部(重大本)によると、8月に入って発生した罹災民は7600人を超えたほか、死亡・行方不明42人、施設被害だけで1万8000件余りになる。住宅4000軒が水に浸ったり土砂に埋没したりした。農耕地浸水も2万ヘクタールにもなる。
蟾津江(ソムジンカン)ダム・龍潭(ヨンダム)ダム・南江(ナムガン)ダムなど、近隣住民はダムの水位を調節できなくて放流したため被害が大きくなったとし、政府や韓国水資源公社などを批判する。
すでに先月25日、全国主要多目的ダムの水位は例年(2011~2019年平均)よりも高かった。錦江(クムガン)上流の大清(テチョン)ダムの水位は7月25日基準76.1メートルで例年(70.2メートル)よりも8%高かった。ダムの構造上、貯水量は10%以上多いということだ。洛東江(ナクトンガン)上流の臨河(イマ)ダム(6.4%)や蟾津江ダム(6%)など主要ダムも水位が高かったが積極的に放流しなかった。
◆気象庁の長期予報が外れたことも一因
8月に入って大雨が降るようになり水位が急上昇し、突然水を放流しなければならない状況になった。匿名の専門家は「夏季の緑潮を薄める水を確保するために環境部がダムの水を最大限貯めておこうとしたようだ」と指摘した。
ダムの水を前もって放流しなかった背景には気象庁の外れた長期予報が一因となった。7月16日と23日、30日の気象庁1カ月予報は8月初めの降水量を平年とほぼ同じか少ないと予想していた。誤報が続いたが、これを信じてダムの水位調節に失敗したのだ。今回のダム放流で堤防崩壊など大きな被害を受けた蟾津江ダム下流地域の住民の間では、ダム管理主体が混乱して被害が大きくなったとの指摘が出ている。蟾津江ダムの維持・管理主体は水資源公社だが、韓国農漁村公社と韓国水力原子力もダム用水を共用していることから利害関係が交錯し、これによって適時に水位調節ができず被害を拡大させたという主張だ。
堤防崩壊は今月9日、洛東江(ナクトンガン)の陜川昌寧ポ(ハプチョンチャンニョンポ)上流250メートル地点のチャンチョン配水池でも起きた。韓国建設技術研究院のキム・ウォン国土保全研究本部長は「洛東江堤防崩壊現場に行ってきたが、パイピング現象による崩壊と判断される」と話した。パイピング現象は砂地盤に水が入り込んで水路ができ、パイプ形の穴があきながら地盤が崩れることをいう。キム氏は「洛東江堤防崩壊当時、水位は最大許容程度よりは1メートルほど低かった」として「このような状態で堤防が崩れたのは欠陥があったため」と指摘した。
韓国、大雨被害で甚大な被害が出たが…コントロールタワーがない(2)
今年6月10日、済州道(チェジュド)から梅雨が始まって以来、今月11日までに全国の平均降水量(47カ所の測定地点)は909.2ミリに達する。中部地方における平年の梅雨期の平均降水量(366.4ミリ)の倍以上になる。全国の年平均降水量1300ミリの70%がこの2カ月間で降った。
釜経大学環境大気科学科のオ・ジェホ名誉教授は「地球温暖化によって北極の気温が上昇しながらジェット気流が下降したことに伴い冷たい空気が降りてきた」とし「そのせいで北太平洋高気圧が張り出すことができず梅雨が長引いた」と説明した。
あわせて「ジェット気流が北半球からどちらに降りてくるかによって、猛暑や日照りにもなり、洪水にもなる」と話した。気候変動で天気を正しく把握できず、今夏の気候戦争もそのような状況で起きたということだ。
大雨被害は雪だるま式に大きくなった。中央災難(災害)安全対策本部(重大本)によると、8月に入って発生した罹災民は7600人を超えたほか、死亡・行方不明42人、施設被害だけで1万8000件余りになる。住宅4000軒が水に浸ったり土砂に埋没したりした。農耕地浸水も2万ヘクタールにもなる。
蟾津江(ソムジンカン)ダム・龍潭(ヨンダム)ダム・南江(ナムガン)ダムなど、近隣住民はダムの水位を調節できなくて放流したため被害が大きくなったとし、政府や韓国水資源公社などを批判する。
すでに先月25日、全国主要多目的ダムの水位は例年(2011~2019年平均)よりも高かった。錦江(クムガン)上流の大清(テチョン)ダムの水位は7月25日基準76.1メートルで例年(70.2メートル)よりも8%高かった。ダムの構造上、貯水量は10%以上多いということだ。洛東江(ナクトンガン)上流の臨河(イマ)ダム(6.4%)や蟾津江ダム(6%)など主要ダムも水位が高かったが積極的に放流しなかった。
◆気象庁の長期予報が外れたことも一因
8月に入って大雨が降るようになり水位が急上昇し、突然水を放流しなければならない状況になった。匿名の専門家は「夏季の緑潮を薄める水を確保するために環境部がダムの水を最大限貯めておこうとしたようだ」と指摘した。
ダムの水を前もって放流しなかった背景には気象庁の外れた長期予報が一因となった。7月16日と23日、30日の気象庁1カ月予報は8月初めの降水量を平年とほぼ同じか少ないと予想していた。誤報が続いたが、これを信じてダムの水位調節に失敗したのだ。今回のダム放流で堤防崩壊など大きな被害を受けた蟾津江ダム下流地域の住民の間では、ダム管理主体が混乱して被害が大きくなったとの指摘が出ている。蟾津江ダムの維持・管理主体は水資源公社だが、韓国農漁村公社と韓国水力原子力もダム用水を共用していることから利害関係が交錯し、これによって適時に水位調節ができず被害を拡大させたという主張だ。
堤防崩壊は今月9日、洛東江(ナクトンガン)の陜川昌寧ポ(ハプチョンチャンニョンポ)上流250メートル地点のチャンチョン配水池でも起きた。韓国建設技術研究院のキム・ウォン国土保全研究本部長は「洛東江堤防崩壊現場に行ってきたが、パイピング現象による崩壊と判断される」と話した。パイピング現象は砂地盤に水が入り込んで水路ができ、パイプ形の穴があきながら地盤が崩れることをいう。キム氏は「洛東江堤防崩壊当時、水位は最大許容程度よりは1メートルほど低かった」として「このような状態で堤防が崩れたのは欠陥があったため」と指摘した。
韓国、大雨被害で甚大な被害が出たが…コントロールタワーがない(2)
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