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韓国、洪水被害復旧もまだなのに台風まで…被害住民ら「復旧の意欲出ない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

10日午前、復旧作業が進む慶尚南道河東郡の花開市場。[写真 河東郡]

「浸水被害復旧だけで10日以上かかるだろうにまた台風が来るとは心配が山積みです」。

記録的な豪雨により32年ぶりに浸水被害を受けた慶尚南道河東郡(キョンサンナムド・ハドングン)の花開(ファゲ)ジャント(市場)のキム・ユヨル商人会長の哀訴だ。陶芸店を運営するキム会長は「今回の浸水により1億ウォン(約889万円)以上の被害を受けた。10日午後から台風5号がやって来るというが韓国政府が蟾津江(ソムジンガン)ダムの水位調節をしっかりとやり同じような浸水被害がなければ良いだろう」と話した。

10日午前、花開市場では商人200人ほどとボランティアに乗り出した住民と公務員ら1200人が復旧作業をするのに忙しかった。花開面事務所関係者は「9日午前までに水がすべて引き、終日復旧作業をした結果大きな什器類はある程度整理できた」としながらも、「だがごみになった物が山積みになっている。花開市場のほかにも浸水被害を受けたところが多く、完全復旧までには相当な時間がかかるだろう」と話した。面事務所は花開市場の正常化は9月初めにも可能だろうと予想する。


この日は北上を続ける台風5号の影響により午前中から少なくない雨が降り、花開市場の復旧に出たボランティアメンバーらは蒸し暑さの中で家財道具と泥、ごみなどを除去し、什器を整理するのに汗を流した。

洛東江(ナクトンガン)堤防の流失で9日午前4時に浸水した慶尚南道昌寧郡(チャンニョングン)の梨房面(イバンミョン)一帯は10日午後1時現在も依然として浸水状態だった。梨房面の住民14世帯22人は近くの高齢者施設に避難したままで依然として自宅に帰ることができなかった。一時避難していた住民390人の大部分はこの日自宅に戻り復旧作業を急いだ。しかしどこから手を付けていいのかもわからず、被害地域と施設を見ながらため息をついていた。昌寧郡関係者は「集落から水はほとんど抜けたが、農耕地には依然として水があふれている。排水ポンプなどを動員して水を汲み出している」と話した。

流失した梨房面の洛東江堤防は9日午後8時ごろに応急的に復旧した。洛東江堤防を委託管理する水資源公社は10日午前7時30分から堤防の幅と高さを本来の堤防に合わせて復旧作業を急いだ。水資源公社関係者は「台風が来たとしても10日午後8時までに完全復旧し、天幕などを巻く防水布作業まで終える計画」と話した。

10日に復旧作業に乗り出した住民らは台風が来るというニュースに再び浸水被害に遭わないかと気をもんでいる。黄江(ファンガン)の川沿いにある慶尚南道陜川郡双冊面(ハプチョングン・サンチェクミョン)の巾太里(コンテリ)で韓牛130頭を飼育しているチョン・ソンチョルさん(56)とイ・ヒョヨン(55)さん夫婦はこの日午前、トラクターなどを動員して死んだ牛20頭を処理するのに困り切った。妻のイさんは「腐敗する恐れがあり、死んだ牛から急いで埋却処理する計画だが、3分の2ほどが水に浸った住宅はボイラー室などの壁が崩れ泥水があふれているのに作業する人がおらず手も付けられずにいる」と話した。

チョンさん夫婦は、「今年はイチゴの栽培をしようとすべての準備を終えたが、ビニールハウスとハウス内の施設が浸水したためイチゴ栽培はできなさそうだ。心配が山積み」と話した。

54世帯97人が居住する巾太里の住民らは雨が徐々に弱まった9日午後から復旧作業に出たが、どこから手を付けるべきか意欲がわかないと口をそろえた。巾太里のキム・グング里長は「住民らが高齢の上に1人で暮らしているケースが多く、住宅復旧と清掃などができずにいる。働き手が不足している」として人材支援を要請した。

双冊面に近い陜川郡栗谷面(ユルゴクミョン)楽民(ナクミン)1区の住民らの事情も似ている。20世帯ほどが暮らすこの集落も住宅20軒と水田の大部分が浸水する被害を受けた。一部住民は3日間にわたり栗谷面事務所のヒーリングセンターに泊まり込み避難しなければならなかった。住民もやはり高齢なため復旧作業が進まずにいる。楽民1区のアン・サンヨン里長は、「軍と面で支援しているが、復旧作業をするには働き手が大きく不足している」と訴えた。栗谷面では集中豪雨により浸水被害のほか牛159頭、豚3000頭が死ぬ被害が出た。

陜川郡双冊面と栗谷面一帯は7~8日の2日間に269.1ミリの豪雨が降った上に、上流にあった陜川ダムで1秒当たり2700トンの大量の水を放流したことで雨水が黄江に流れ込めず浸水被害が出た。

今回の豪雨により慶尚南道では大きな被害が生じた。慶尚南道災害安全建設本部によると、10日午前10時基準で147人の被災者が発生した。9日に避難した628人は10日の夜明けとともに帰宅した。公共施設の被害は83件で、住宅は315軒が浸水した。山崩れが18カ所で発生し、被害額は6億ウォンに達する。破損した道路76カ所のうち72カ所は応急復旧を完了し、4カ所は通行規制が続いている。



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