文在寅(ムン・ジェイン)大統領がシンガポールでの最初の米朝首脳会談の直前、トランプ大統領に対し「金正恩(キム・ジョンウン)委員長が1年以内に非核化することで合意した」と伝えたと、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が回顧録で主張した。一方、安倍晋三首相は「金正恩委員長を信じてはいけない」と助言したという。ボルトン氏が23日出版予定の『それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録』で明らかにした内容だ。
20日に中央日報が入手した回顧録の内容によると、文大統領は4・27板門店(パンムンジョム)南北首脳会談の翌日の4月28日、トランプ大統領との電話で「金委員長が豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を含めて完全な非核化を約束した」と伝えた。また「金委員長に1年以内に非核化することを要請し、金委員長が同意した」とも話した。文大統領が電話でトランプ大統領のリーダーシップを称賛すると、トランプ大統領は「私が(対北朝鮮外交で)どれほど多く責任を負っているか明らかにしてほしい」と要求したと紹介した。
ボルトン氏は板門店会談を「オリーブの枝をくわえたハトが飛び回るが、実質的な内容はほとんどないDMZ祭り」と酷評した。北朝鮮の「豊渓里閉鎖は(2008年の)寧辺(ヨンビョン)冷却塔爆破のようなもう一つのフェイク譲歩」とも書いた。
その後の日米首脳の電話会談で、安倍首相は文大統領の「過度に楽観的な観点」とは対照的に「金正恩委員長を信じてはいけない」と助言した、と紹介した。「日本は非核化と日本人拉致問題の双方で具体的な約束、あいまいでない約束を望む」と要求した。そして「トランプ大統領はオバマ大統領より強い人」とも話したという。
ボルトン氏は文大統領が当時、韓米朝3者会談を執拗に要求したとも紹介した。文大統領は当初、会談を板門店でした後、後続の韓米朝3者会談をしようと強く求めたが、金委員長がシンガポールを好むと述べると後退したという。米国はすでにスイスのジュネーブまたはシンガポールを最適な場所として検討していた時だった。
続いて文大統領は5月22日のホワイトハウス韓米首脳会談で韓米朝会談のためにシンガポールに行くことを希望し、さらに6月11日の会談の前日まで出席を望んだと紹介した。ボルトン氏は「文大統領は2019年6月末のトランプ-金正恩板門店会談当時のように、写真行事に加わることを望んだ」とも話した。
こうした構想を断ったは北朝鮮だった。北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長が6月1日にホワイトハウスを訪問し、「これは米朝会談だ。韓国は必要ない」と述べたという。北朝鮮が文大統領の出席を望まず3者会談に関心はないと話したというのがトランプ-金英哲会談の「唯一の良い便り」だったと、ボルトン氏は評価した。
ボルトン氏はシンガポール終戦宣言も「もともとは北朝鮮のアイデアだと思ったが、文大統領の統一議題から出たものだと疑いを抱いた」とも伝えた。トランプ大統領も会談の1週間前まで韓国戦争(朝鮮戦争)終息宣言を「メディアの点数を稼ぐ機会」と考えていたという。ボルトン氏はポンペオ長官と共に、終戦宣言をする代わりに北朝鮮の核・弾道ミサイルの申告を共同声明に盛り込む案を用意した。結局、終戦宣言はシンガポール共同声明から抜けることになった。
シンガポール会談でボルトン氏が最も衝撃を受けたのは、トランプ大統領の韓米軍事訓練中断約束だった。まず金委員長が「文大統領に軍事訓練問題を提起すると、米国の決定にかかっていると答えた」と訓練の話を始めた。するとトランプ大統領は「訓練は挑発的であり、時間と費用の浪費」とし「決して同意しない(米国)将軍は無視し、交渉する間は訓練を中断する」と答えたという。「金委員長が米国に多くの費用を節約させてくれた」とも話した。これに対し金正恩委員長は笑みを浮かべ、同席した金英哲副委員長と笑ったと、ボルトン氏は伝えた。
シンガポール会談以降、北朝鮮は実務交渉をせず6カ月間ほど膠着状態になった。すべては核・弾道ミサイル申告要求のためだった。7月6、7日に平壌(ピョンヤン)を訪問したポンペオ長官が後続措置として申告を要求すると、北朝鮮は「一方的で強盗のような要求」と反発し、金委員長はポンペオ長官に会うこともなかった。
ボルトン氏は自分がポンペオ長官に「北朝鮮が基本的な申告をするまで真摯な交渉を始めてはいけない」と強調したと伝え、申告は北朝鮮の非核化約束の誠意と交渉の善意をテストする措置だと主張した。金正恩委員長が8月から「恋愛手紙」と呼ばれる親書を送って「近いうちに会おう」と提案すると、トランプ大統領も会談を急いだ。9月には金委員長をホワイトハウスに招待しようとしたと公開した。ボルトン氏は自らトランプ大統領に対して「小さな国の独裁者が書いた手紙」とし「金委員長はポンペオ長官に会うまであなたとまた会う資格はない」とも話した。しかしトランプ大統領は「あなたはなぜそれほど敵対心が強いのか」とし、ポンペオ長官に「11月の中間選挙後に金委員長に会うので電話をかけて要請してほしい」と指示したという。
金英哲副委員長の翌年1月17、18日のワシントン訪問で決定したベトナム・ハノイでの首脳会談当時、ボルトン氏は米国務省のビーガン北朝鮮政策特別代表が作成した合意文草案をボイコットしたと紹介した。
ボルトン氏はトランプ大統領より先にハノイに行く途中、フッカーNSC朝鮮半島補佐官から草案を受け、「トランプ大統領の事前譲歩ばかりを列挙し、北朝鮮側はまたあいまいな非核化声明だけを入れた」と酷評した。ポンペオ長官がなぜこのような文案を許諾したのか完全なミステリーだとし、ペンス副大統領、マルバニー首席補佐官代行、ミラー政策補佐官と連絡して採択されないよう事前作業までした。
ボルトン氏は、ビーガン代表がスタンフォード大での演説で漸進的接近を明らかにしたことについて「国務省の交渉家が合意に対する熱意と広報にあまりにも陶酔し、統制不能になった」と不満を表したりもした。
ボルトン氏はトランプ大統領のハノイでの予期せぬ譲歩を防ぐため、準備会議でレーガン大統領が1987年にゴルバチョフ共産党書記長とのレイキャビク会談で席を立って出ていく映像を見せたりもした。これが結局は中距離核戦力全廃条約(INF)合意を導いたと説得するためだ。トランプ大統領は映像を見た後、「私が有利な立場なので急ぐ必要はない。会談場所を出ることもある」と述べ、ボルトン氏は安堵したという。
ボルトン氏はポンペオ長官にもハノイ交渉で基本申告を改めて強調し、なぜ経済制裁を放棄してはいけないかについて強調し、これに対しポンペオ長官は自身の領域への干渉に怒りを表したものの内容には反対しなかった、と紹介した。
2月28日の会談は結局、ボルトン氏が意図したようにバッドディール(悪い合意)ではなく白紙という結論が出た。トランプ大統領も会談の前日、「ビーガン代表の文案は気に入らない。度が過ぎる」と実務交渉チームの草案を拒否した。元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の公聴会を見ようと夜を明かしたトランプ大統領は会談場所のメトロポールホテルに向かう車内で「スモールディールと会談場所を出るのはどちらが記事のネタになるのか」と尋ねたりもした。
トランプ大統領は、寧辺核施設の解体の見返りに2016年以後に採択された国連制裁の解除を要求した金委員長に対し、ボルトン氏が準備した非核化の定義と北朝鮮の明るい未来を整理した2枚の文書を渡した。会談中は「寧辺のほかに追加で出すものはないか」というトランプ大統領と、「寧辺が北朝鮮にどれほど大きな意味を持つのか分かっているのか」という金委員長の問答が繰り返されたという。
トランプ大統領は米国を打撃できる長距離ミサイルの除去も提案した。ボルトン氏はここで「北朝鮮の核・弾道ミサイル、生物・化学武器に対する基本的な申告が必要だ」と割り込んだ。
すると金委員長は「一歩ずつ進めば最終的に全体の絵に到達するだろう」とし「北朝鮮は安保に対するいかなる法律的な保障も得ていない。米国の軍艦が北朝鮮の領海に進入すればどんなことが起きるだろうか」とも話した。
トランプ大統領は金委員長に「寧辺-制裁解除の提案を受け入れる場合、米国では政治的な波紋が非常に大きい。大統領選挙に敗れることもある」と拒否する意思を明確にした。金委員長は最後まで合意がなくても「ハノイ共同声明」を発表することを望んだが、これもなくハノイでの米朝首脳会談は決裂で幕を閉じた。
ボルトン氏は2019年6月30日のトランプ大統領と金委員長の板門店会談で、米国はもちろん北朝鮮も文大統領が加わることを望まなかったとも紹介した。文大統領はトランプ大統領の板門店訪問を控えた2国間会談で自身が板門店に同行することを要請した。これに対しトランプ大統領は「金委員長は私と会うことを望んだが、文大統領がDMZに一緒に行って会うのは文大統領にはプラスに映るだろう」と話した。
しかしポンペオ長官が「北朝鮮と合意したのはトランプ大統領と金委員長の2国間会談」と述べ、ボルトン氏もポンペオ長官の意見を支持した。するとトランプ大統領も「一緒に会うかどうかはもうすぐ分かるだろう」と語った。文大統領は「トランプ大統領と金委員長の会談が最も重要な問題だが、金委員長が韓国の領土に入ってくる場合、私が現場にいないのは望ましくない」と繰り返し話した。ポンペオ長官は「昨夜、文大統領の考えを伝えたが、北朝鮮側はこれを拒否した」と改めて反対の立場を明らかにした。トランプ大統領も「文大統領も出席すればよいが、北朝鮮の要請に従う」と述べた。
これに対し文大統領は「米国の大統領がDMZを訪問したのは数回あるが、韓米両大統領が一緒に行くのは初めて」と執拗に要請した。しかしトランプ大統領は「金委員長に話すことがあるので大きな機会を逃すことはできない」とし「文大統領はソウルで見送った後、韓国を離れる直前に烏山(オサン)で会うのはどうか」と提案した。すると文大統領は「トランプ大統領を板門店近隣のオウレット哨所まで同行した後、そこで次のことを決めよう」と話し、結局、トランプ大統領も受け入れたという。
20日に中央日報が入手した回顧録の内容によると、文大統領は4・27板門店(パンムンジョム)南北首脳会談の翌日の4月28日、トランプ大統領との電話で「金委員長が豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を含めて完全な非核化を約束した」と伝えた。また「金委員長に1年以内に非核化することを要請し、金委員長が同意した」とも話した。文大統領が電話でトランプ大統領のリーダーシップを称賛すると、トランプ大統領は「私が(対北朝鮮外交で)どれほど多く責任を負っているか明らかにしてほしい」と要求したと紹介した。
ボルトン氏は板門店会談を「オリーブの枝をくわえたハトが飛び回るが、実質的な内容はほとんどないDMZ祭り」と酷評した。北朝鮮の「豊渓里閉鎖は(2008年の)寧辺(ヨンビョン)冷却塔爆破のようなもう一つのフェイク譲歩」とも書いた。
その後の日米首脳の電話会談で、安倍首相は文大統領の「過度に楽観的な観点」とは対照的に「金正恩委員長を信じてはいけない」と助言した、と紹介した。「日本は非核化と日本人拉致問題の双方で具体的な約束、あいまいでない約束を望む」と要求した。そして「トランプ大統領はオバマ大統領より強い人」とも話したという。
ボルトン氏は文大統領が当時、韓米朝3者会談を執拗に要求したとも紹介した。文大統領は当初、会談を板門店でした後、後続の韓米朝3者会談をしようと強く求めたが、金委員長がシンガポールを好むと述べると後退したという。米国はすでにスイスのジュネーブまたはシンガポールを最適な場所として検討していた時だった。
続いて文大統領は5月22日のホワイトハウス韓米首脳会談で韓米朝会談のためにシンガポールに行くことを希望し、さらに6月11日の会談の前日まで出席を望んだと紹介した。ボルトン氏は「文大統領は2019年6月末のトランプ-金正恩板門店会談当時のように、写真行事に加わることを望んだ」とも話した。
こうした構想を断ったは北朝鮮だった。北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長が6月1日にホワイトハウスを訪問し、「これは米朝会談だ。韓国は必要ない」と述べたという。北朝鮮が文大統領の出席を望まず3者会談に関心はないと話したというのがトランプ-金英哲会談の「唯一の良い便り」だったと、ボルトン氏は評価した。
ボルトン氏はシンガポール終戦宣言も「もともとは北朝鮮のアイデアだと思ったが、文大統領の統一議題から出たものだと疑いを抱いた」とも伝えた。トランプ大統領も会談の1週間前まで韓国戦争(朝鮮戦争)終息宣言を「メディアの点数を稼ぐ機会」と考えていたという。ボルトン氏はポンペオ長官と共に、終戦宣言をする代わりに北朝鮮の核・弾道ミサイルの申告を共同声明に盛り込む案を用意した。結局、終戦宣言はシンガポール共同声明から抜けることになった。
シンガポール会談でボルトン氏が最も衝撃を受けたのは、トランプ大統領の韓米軍事訓練中断約束だった。まず金委員長が「文大統領に軍事訓練問題を提起すると、米国の決定にかかっていると答えた」と訓練の話を始めた。するとトランプ大統領は「訓練は挑発的であり、時間と費用の浪費」とし「決して同意しない(米国)将軍は無視し、交渉する間は訓練を中断する」と答えたという。「金委員長が米国に多くの費用を節約させてくれた」とも話した。これに対し金正恩委員長は笑みを浮かべ、同席した金英哲副委員長と笑ったと、ボルトン氏は伝えた。
シンガポール会談以降、北朝鮮は実務交渉をせず6カ月間ほど膠着状態になった。すべては核・弾道ミサイル申告要求のためだった。7月6、7日に平壌(ピョンヤン)を訪問したポンペオ長官が後続措置として申告を要求すると、北朝鮮は「一方的で強盗のような要求」と反発し、金委員長はポンペオ長官に会うこともなかった。
ボルトン氏は自分がポンペオ長官に「北朝鮮が基本的な申告をするまで真摯な交渉を始めてはいけない」と強調したと伝え、申告は北朝鮮の非核化約束の誠意と交渉の善意をテストする措置だと主張した。金正恩委員長が8月から「恋愛手紙」と呼ばれる親書を送って「近いうちに会おう」と提案すると、トランプ大統領も会談を急いだ。9月には金委員長をホワイトハウスに招待しようとしたと公開した。ボルトン氏は自らトランプ大統領に対して「小さな国の独裁者が書いた手紙」とし「金委員長はポンペオ長官に会うまであなたとまた会う資格はない」とも話した。しかしトランプ大統領は「あなたはなぜそれほど敵対心が強いのか」とし、ポンペオ長官に「11月の中間選挙後に金委員長に会うので電話をかけて要請してほしい」と指示したという。
金英哲副委員長の翌年1月17、18日のワシントン訪問で決定したベトナム・ハノイでの首脳会談当時、ボルトン氏は米国務省のビーガン北朝鮮政策特別代表が作成した合意文草案をボイコットしたと紹介した。
ボルトン氏はトランプ大統領より先にハノイに行く途中、フッカーNSC朝鮮半島補佐官から草案を受け、「トランプ大統領の事前譲歩ばかりを列挙し、北朝鮮側はまたあいまいな非核化声明だけを入れた」と酷評した。ポンペオ長官がなぜこのような文案を許諾したのか完全なミステリーだとし、ペンス副大統領、マルバニー首席補佐官代行、ミラー政策補佐官と連絡して採択されないよう事前作業までした。
ボルトン氏は、ビーガン代表がスタンフォード大での演説で漸進的接近を明らかにしたことについて「国務省の交渉家が合意に対する熱意と広報にあまりにも陶酔し、統制不能になった」と不満を表したりもした。
ボルトン氏はトランプ大統領のハノイでの予期せぬ譲歩を防ぐため、準備会議でレーガン大統領が1987年にゴルバチョフ共産党書記長とのレイキャビク会談で席を立って出ていく映像を見せたりもした。これが結局は中距離核戦力全廃条約(INF)合意を導いたと説得するためだ。トランプ大統領は映像を見た後、「私が有利な立場なので急ぐ必要はない。会談場所を出ることもある」と述べ、ボルトン氏は安堵したという。
ボルトン氏はポンペオ長官にもハノイ交渉で基本申告を改めて強調し、なぜ経済制裁を放棄してはいけないかについて強調し、これに対しポンペオ長官は自身の領域への干渉に怒りを表したものの内容には反対しなかった、と紹介した。
2月28日の会談は結局、ボルトン氏が意図したようにバッドディール(悪い合意)ではなく白紙という結論が出た。トランプ大統領も会談の前日、「ビーガン代表の文案は気に入らない。度が過ぎる」と実務交渉チームの草案を拒否した。元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の公聴会を見ようと夜を明かしたトランプ大統領は会談場所のメトロポールホテルに向かう車内で「スモールディールと会談場所を出るのはどちらが記事のネタになるのか」と尋ねたりもした。
トランプ大統領は、寧辺核施設の解体の見返りに2016年以後に採択された国連制裁の解除を要求した金委員長に対し、ボルトン氏が準備した非核化の定義と北朝鮮の明るい未来を整理した2枚の文書を渡した。会談中は「寧辺のほかに追加で出すものはないか」というトランプ大統領と、「寧辺が北朝鮮にどれほど大きな意味を持つのか分かっているのか」という金委員長の問答が繰り返されたという。
トランプ大統領は米国を打撃できる長距離ミサイルの除去も提案した。ボルトン氏はここで「北朝鮮の核・弾道ミサイル、生物・化学武器に対する基本的な申告が必要だ」と割り込んだ。
すると金委員長は「一歩ずつ進めば最終的に全体の絵に到達するだろう」とし「北朝鮮は安保に対するいかなる法律的な保障も得ていない。米国の軍艦が北朝鮮の領海に進入すればどんなことが起きるだろうか」とも話した。
トランプ大統領は金委員長に「寧辺-制裁解除の提案を受け入れる場合、米国では政治的な波紋が非常に大きい。大統領選挙に敗れることもある」と拒否する意思を明確にした。金委員長は最後まで合意がなくても「ハノイ共同声明」を発表することを望んだが、これもなくハノイでの米朝首脳会談は決裂で幕を閉じた。
ボルトン氏は2019年6月30日のトランプ大統領と金委員長の板門店会談で、米国はもちろん北朝鮮も文大統領が加わることを望まなかったとも紹介した。文大統領はトランプ大統領の板門店訪問を控えた2国間会談で自身が板門店に同行することを要請した。これに対しトランプ大統領は「金委員長は私と会うことを望んだが、文大統領がDMZに一緒に行って会うのは文大統領にはプラスに映るだろう」と話した。
しかしポンペオ長官が「北朝鮮と合意したのはトランプ大統領と金委員長の2国間会談」と述べ、ボルトン氏もポンペオ長官の意見を支持した。するとトランプ大統領も「一緒に会うかどうかはもうすぐ分かるだろう」と語った。文大統領は「トランプ大統領と金委員長の会談が最も重要な問題だが、金委員長が韓国の領土に入ってくる場合、私が現場にいないのは望ましくない」と繰り返し話した。ポンペオ長官は「昨夜、文大統領の考えを伝えたが、北朝鮮側はこれを拒否した」と改めて反対の立場を明らかにした。トランプ大統領も「文大統領も出席すればよいが、北朝鮮の要請に従う」と述べた。
これに対し文大統領は「米国の大統領がDMZを訪問したのは数回あるが、韓米両大統領が一緒に行くのは初めて」と執拗に要請した。しかしトランプ大統領は「金委員長に話すことがあるので大きな機会を逃すことはできない」とし「文大統領はソウルで見送った後、韓国を離れる直前に烏山(オサン)で会うのはどうか」と提案した。すると文大統領は「トランプ大統領を板門店近隣のオウレット哨所まで同行した後、そこで次のことを決めよう」と話し、結局、トランプ大統領も受け入れたという。
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