新型コロナウイルスで「赤信号」が灯った韓国の輸出に悪材料が重なった。新型コロナウイルス責任論や香港国家安全法などをめぐりことあるごとに対立している米国と中国の覇権争いが為替戦争に飛び火する兆しを見せているためだ。
◇米国の「中国孤立戦略」に為替カード切った中国
中国の中央銀行である人民銀行は26日、対ドルの人民元為替基準値を前取引日より0.12%の元安となる1ドル=7.1293元と告示した。2008年2月から12年3カ月来の安値水準だ。前日に0.38%下げたのに続き2日間で0.5%の元安だ。27日には4取引日ぶりに小幅に値を上げ1ドル=7.1092元になったが、依然として心理的マジノ線と呼ばれる「破七」(1ドル=7元超え)を上回る数値だ。
対ドルで人民元相場を下げたのは人民元の価値を下げて中国の輸出品の価格競争力を高める効果を出す。仁川(インチョン)大学経済学部のホン・ギヨン教授は「人民元が下がれば中国の輸入価格が上がり不利だが、中国は内需で輸入そのものを代替できると考えるだろう。今後対ドルで人民元相場は最大8元まで下がるかもしれない」と予想した。
特にこうした措置は脱中国に拍車をかける米国を狙ったとの解釈が支配的だ。米国政府は中国の香港国家安全法推進、ファーウェイ制裁、新型コロナ責任論などさまざまな方面で中国とぶつかり合っている。最近では友好国を中心に産業ネットワークを再編するための経済繁栄ネットワーク(EPN)の結成を計画している。中国を孤立させるための経済ブロックを作るという意図だ。
◇ウォン相場、「上がっても下がっても問題」
こうした情勢はすでに輸出不振に苦しむ韓国経済に二重の悪材料として作用する可能性が大きい。韓国の輸出額増減率は昨年12カ月連続で前年比マイナスを記録したのに続き今年も新型コロナウイルスの影響で大幅減少傾向を見せている。特に先月は貿易収支まで99カ月ぶりに赤字に転落した。9億5000万ドル規模だ。主要輸出先で新型コロナウイルスの影響が続き、今月も1~20日の貿易収支が26億8000万ドルの赤字を記録中だ。
延世(ヨンセ)大学経済学部のキム・ジョンシク教授は「人民元が下落すればウォンが相対的に高くなり対中輸出下落が懸念される。反対にウォンが人民元と同調現象を見せて一緒に下がるとしても、これは為替差損を懸念する外国投資資本などの流出につながりかねない」と懸念する。
◇「中国は輸入減らそうとする、韓国も例外でない」
特に中国が韓国の総輸出額のうち25.1%を占める輸出相手1位の国であることを考慮すると、今後の輸出状況は容易でないと予想される。ホン・ギヨン教授は「中国が輸入を減らすと宣言したのと同じ状況で韓国もやはり例外になれないだろう。韓国が強みを持つ先端産業分野でも力をつけてきた中国が韓国に対する技術的依存度が減ったことも懸念される状況だ」と説明した。
産業通商資源部によると対中輸出は2018年11月から13カ月連続で減少した後、昨年12月に「瞬間的に」プラスに戻ったが今年は再び4カ月連続マイナスだ。韓国貿易協会のムン・ビョンギ首席研究員は「人民元に対するウォンの上昇は中国と輸出競争関係にある韓国の競争力が落ちることを意味したりもする」と話す。
◇輸出1位品目の半導体危機に韓→中→米の間接輸出不振
対中輸出額のうち中間財の割合が高い構造もリスク要因に挙げられる。貿易協会によると韓国の2019年の対中輸出額1362億300万ドルのうち79.4%の1082億600万ドルが中間財だ。昨年中国が全輸出額のうち16.8%を米国に輸出したことを考慮すると、韓国が中国を経て米国に輸出する「間接輸出」も減少しかねないという観測が出ている。現代経済研究院によると米国が中国製品の輸入を10%減らす場合、韓国の対中輸出額が35兆ウォン減少するという研究もある。
中間財のうち最も大きな危機にさらされたものには半導体が挙げられる。米国の制裁により韓国の半導体の核心需要先であるファーウェイの生産が減少すれば悪影響がもっと大きくなりかねないためだ。貿易協会によると昨年の全半導体輸出額939億3000万ドルのうち中国が占める割合は39.7%の373億2600万ドルに達する。弱り目にたたり目で半導体価格まで下落している。今年初めに反騰の兆しを見せ先月3日には3.64ドルまで上がったPC用DRAM(DDR4 8Gb)現物価格は25日には3.11ドルに14.6%落ちた。USBなどに使われるNAND型フラッシュ128GbMLCは同じ期間に5.3%落ちた.
ホン・ギヨン教授は「内外の情勢が韓国の輸出に有利な条件があまりない。このような時ほど企業規模に基づく法人税差等賦課、最高税率などグローバル標準から外れた規制が負担として作用する」として規制緩和を注文した。キム・ジョンシク教授は「主要国に過度に依存する構造を抜け出し輸出を多角化する努力を並行しなければならない」と助言した。
◇米国の「中国孤立戦略」に為替カード切った中国
中国の中央銀行である人民銀行は26日、対ドルの人民元為替基準値を前取引日より0.12%の元安となる1ドル=7.1293元と告示した。2008年2月から12年3カ月来の安値水準だ。前日に0.38%下げたのに続き2日間で0.5%の元安だ。27日には4取引日ぶりに小幅に値を上げ1ドル=7.1092元になったが、依然として心理的マジノ線と呼ばれる「破七」(1ドル=7元超え)を上回る数値だ。
対ドルで人民元相場を下げたのは人民元の価値を下げて中国の輸出品の価格競争力を高める効果を出す。仁川(インチョン)大学経済学部のホン・ギヨン教授は「人民元が下がれば中国の輸入価格が上がり不利だが、中国は内需で輸入そのものを代替できると考えるだろう。今後対ドルで人民元相場は最大8元まで下がるかもしれない」と予想した。
特にこうした措置は脱中国に拍車をかける米国を狙ったとの解釈が支配的だ。米国政府は中国の香港国家安全法推進、ファーウェイ制裁、新型コロナ責任論などさまざまな方面で中国とぶつかり合っている。最近では友好国を中心に産業ネットワークを再編するための経済繁栄ネットワーク(EPN)の結成を計画している。中国を孤立させるための経済ブロックを作るという意図だ。
◇ウォン相場、「上がっても下がっても問題」
こうした情勢はすでに輸出不振に苦しむ韓国経済に二重の悪材料として作用する可能性が大きい。韓国の輸出額増減率は昨年12カ月連続で前年比マイナスを記録したのに続き今年も新型コロナウイルスの影響で大幅減少傾向を見せている。特に先月は貿易収支まで99カ月ぶりに赤字に転落した。9億5000万ドル規模だ。主要輸出先で新型コロナウイルスの影響が続き、今月も1~20日の貿易収支が26億8000万ドルの赤字を記録中だ。
延世(ヨンセ)大学経済学部のキム・ジョンシク教授は「人民元が下落すればウォンが相対的に高くなり対中輸出下落が懸念される。反対にウォンが人民元と同調現象を見せて一緒に下がるとしても、これは為替差損を懸念する外国投資資本などの流出につながりかねない」と懸念する。
◇「中国は輸入減らそうとする、韓国も例外でない」
特に中国が韓国の総輸出額のうち25.1%を占める輸出相手1位の国であることを考慮すると、今後の輸出状況は容易でないと予想される。ホン・ギヨン教授は「中国が輸入を減らすと宣言したのと同じ状況で韓国もやはり例外になれないだろう。韓国が強みを持つ先端産業分野でも力をつけてきた中国が韓国に対する技術的依存度が減ったことも懸念される状況だ」と説明した。
産業通商資源部によると対中輸出は2018年11月から13カ月連続で減少した後、昨年12月に「瞬間的に」プラスに戻ったが今年は再び4カ月連続マイナスだ。韓国貿易協会のムン・ビョンギ首席研究員は「人民元に対するウォンの上昇は中国と輸出競争関係にある韓国の競争力が落ちることを意味したりもする」と話す。
◇輸出1位品目の半導体危機に韓→中→米の間接輸出不振
対中輸出額のうち中間財の割合が高い構造もリスク要因に挙げられる。貿易協会によると韓国の2019年の対中輸出額1362億300万ドルのうち79.4%の1082億600万ドルが中間財だ。昨年中国が全輸出額のうち16.8%を米国に輸出したことを考慮すると、韓国が中国を経て米国に輸出する「間接輸出」も減少しかねないという観測が出ている。現代経済研究院によると米国が中国製品の輸入を10%減らす場合、韓国の対中輸出額が35兆ウォン減少するという研究もある。
中間財のうち最も大きな危機にさらされたものには半導体が挙げられる。米国の制裁により韓国の半導体の核心需要先であるファーウェイの生産が減少すれば悪影響がもっと大きくなりかねないためだ。貿易協会によると昨年の全半導体輸出額939億3000万ドルのうち中国が占める割合は39.7%の373億2600万ドルに達する。弱り目にたたり目で半導体価格まで下落している。今年初めに反騰の兆しを見せ先月3日には3.64ドルまで上がったPC用DRAM(DDR4 8Gb)現物価格は25日には3.11ドルに14.6%落ちた。USBなどに使われるNAND型フラッシュ128GbMLCは同じ期間に5.3%落ちた.
ホン・ギヨン教授は「内外の情勢が韓国の輸出に有利な条件があまりない。このような時ほど企業規模に基づく法人税差等賦課、最高税率などグローバル標準から外れた規制が負担として作用する」として規制緩和を注文した。キム・ジョンシク教授は「主要国に過度に依存する構造を抜け出し輸出を多角化する努力を並行しなければならない」と助言した。
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