米宇宙軍司令部は先月15日、ロシアがミサイルを使った衛星破壊実験をしたと主張した。ロシアがどのような種類の兵器を使ったのか明らかにしていないが、専門家らはモスクワ地域を弾道ミサイル攻撃から防衛するために配備されたヌードル弾道弾迎撃システムとみている。ヌードルは地球低軌道衛星まで破壊可能とされる。
これに先立ち昨年3月27日にはインドが高度300キロメートルの低軌道にある衛星をミサイルで破壊する実験に成功した。インドは世界で4番目に衛星攻撃能力を備えた国になった。
最初に衛星破壊能力を実験した国は米国だ。米国は1959年にテストした。旧ソ連は1960年代から実験した。中国は2007年1月に初めての実験に成功し、直近の実験は2014年7月にあった。
◇衛星破壊能力を保有した4カ国
人工衛星は軍事的に多様に使われている。特に全世界にわたり作戦を展開する米国に偵察衛星を通じた状況認識、GPSを通じた位置とタイミング、通信衛星を通じた情報交換は極めて重要だ。最近重要な脅威として浮上する極超音速兵器の早期発見に向け宇宙にセンサー衛星を配備する計画だ。こうした理由から各国は衛星破壊実験に非常に敏感に反応している。
衛星破壊は該当衛星の破壊にとどまらない。発生した破片が飛散し他の衛星に莫大な被害を与えかねない。各国は衛星の破片など宇宙ごみが自国の衛星に影響を及ぼさないか懸念している。
人工衛星を攻撃する手段も発展している。まず、地上や航空機から打ち上げする迎撃ミサイルがある。特に戦闘機に搭載して打ち上げされる迎撃ミサイルは低軌道衛星に致命的だ。
その次に宇宙軌道にとどまり命令が下されれば敵国の衛星を攻撃するキラー衛星がある。キラー衛星は迎撃ミサイルのように即応性はないが、目標にした衛星を監視し衝突して破壊できる。
ミサイルやキラー衛星は直接衝突して破壊する運動エネルギー兵器だ。これと対比されるものとして指向性エネルギーと呼ばれるレーザーなどを使ったりもする。
◇運動・非運動エネルギー兵器総動員
2006年9月、米国の軍事メディア「ディフェンスニュース」が、中国が米国の情報衛星にレーザーを打ち上げたと報道した。まだレーザー兵器の出力は衛星を直接破壊するほど強力ではないが、光学偵察衛星のカメラを妨害する水準の脅威を与えることができる。
迎撃ミサイルやキラー衛星の打ち上げ能力が不足する国はレーザー兵器を開発する。いつでも衛星活動を妨害できるからだ。最近米国のある研究財団が発表した報告書によると、ロシア、中国、インド、イラン、北朝鮮で宇宙システムを処理できる運動と非運動的方法を研究しているという。
米国の宇宙資産は中国、ロシア、北朝鮮、イランなどから絶えず脅威を受けている。米国は宇宙領域での作戦を強化するために空軍傘下に宇宙軍まで創設した。だが潜在的な敵の衛星破壊の試みを完全に排除することはできない。結局衛星は破壊されるので、それを速やかに代替するものが必要だ。
現在米国が運用するほぼすべての軍事関連衛星は規模が大きい。最近運用を始めたGPS III衛星の重量は4.4トンで、「キーホール」と呼ばれる偵察衛星は重量だけで10トンを超える。このように重い衛星はアトラスのような大型ロケットを使わなければ軌道に乗せられない。
だが現在米国の重要な宇宙資産を打ち上げするアトラスロケットにはロシアが供給したRD-180ロケットが使われる。2014年にロシアがクリミア半島を併合すると米国が報復し、ロシアがこれに反発してロケットエンジン供給中断をほのめかしたりもした。
米国はスペースXやブルーオリジンのような民間宇宙企業のロケットに期待をかけているが、まだ大型衛星打ち上げはロシア製ロケットを装備するアトラスロケットで行われている。米国政府は有事の際に衛星能力を素早く回復するための方法として複数の小型衛星に機能を分散する方法を選んだ。
◇米国の関心は破壊後の回復力
小型衛星ならばアトラスロケットより小さな搭載量のロケットでも打ち上げが可能だ。スペースXはファルコン9ロケットに重量227キログラムのスターリンク衛星60基を搭載して打ち上げたことがある。
4月には米宇宙軍が44基の技術実証用衛星打ち上げ事業者としてVOXスペースを選定した。VOXスペースはボーイングB747機から投下され宇宙に飛んで行くランチャーワンというロケットを使う。
米国政府の柔軟な政策と決定のおかげで米国の民間宇宙企業は良い機会を得た。多くの打ち上げ機会は打ち上げコスト削減をもたらすが、政府事業受注とともに世界の宇宙打ち上げ市場で価格競争力まで備えることになったのだ。
韓国も軍事目的の衛星使用が増加しているが、運用が妨害される場合にどのように対処するのか対策が必要だ。
チェ・ヒョンホ/軍事コラムニスト、ミリドム代表
これに先立ち昨年3月27日にはインドが高度300キロメートルの低軌道にある衛星をミサイルで破壊する実験に成功した。インドは世界で4番目に衛星攻撃能力を備えた国になった。
最初に衛星破壊能力を実験した国は米国だ。米国は1959年にテストした。旧ソ連は1960年代から実験した。中国は2007年1月に初めての実験に成功し、直近の実験は2014年7月にあった。
◇衛星破壊能力を保有した4カ国
人工衛星は軍事的に多様に使われている。特に全世界にわたり作戦を展開する米国に偵察衛星を通じた状況認識、GPSを通じた位置とタイミング、通信衛星を通じた情報交換は極めて重要だ。最近重要な脅威として浮上する極超音速兵器の早期発見に向け宇宙にセンサー衛星を配備する計画だ。こうした理由から各国は衛星破壊実験に非常に敏感に反応している。
衛星破壊は該当衛星の破壊にとどまらない。発生した破片が飛散し他の衛星に莫大な被害を与えかねない。各国は衛星の破片など宇宙ごみが自国の衛星に影響を及ぼさないか懸念している。
人工衛星を攻撃する手段も発展している。まず、地上や航空機から打ち上げする迎撃ミサイルがある。特に戦闘機に搭載して打ち上げされる迎撃ミサイルは低軌道衛星に致命的だ。
その次に宇宙軌道にとどまり命令が下されれば敵国の衛星を攻撃するキラー衛星がある。キラー衛星は迎撃ミサイルのように即応性はないが、目標にした衛星を監視し衝突して破壊できる。
ミサイルやキラー衛星は直接衝突して破壊する運動エネルギー兵器だ。これと対比されるものとして指向性エネルギーと呼ばれるレーザーなどを使ったりもする。
◇運動・非運動エネルギー兵器総動員
2006年9月、米国の軍事メディア「ディフェンスニュース」が、中国が米国の情報衛星にレーザーを打ち上げたと報道した。まだレーザー兵器の出力は衛星を直接破壊するほど強力ではないが、光学偵察衛星のカメラを妨害する水準の脅威を与えることができる。
迎撃ミサイルやキラー衛星の打ち上げ能力が不足する国はレーザー兵器を開発する。いつでも衛星活動を妨害できるからだ。最近米国のある研究財団が発表した報告書によると、ロシア、中国、インド、イラン、北朝鮮で宇宙システムを処理できる運動と非運動的方法を研究しているという。
米国の宇宙資産は中国、ロシア、北朝鮮、イランなどから絶えず脅威を受けている。米国は宇宙領域での作戦を強化するために空軍傘下に宇宙軍まで創設した。だが潜在的な敵の衛星破壊の試みを完全に排除することはできない。結局衛星は破壊されるので、それを速やかに代替するものが必要だ。
現在米国が運用するほぼすべての軍事関連衛星は規模が大きい。最近運用を始めたGPS III衛星の重量は4.4トンで、「キーホール」と呼ばれる偵察衛星は重量だけで10トンを超える。このように重い衛星はアトラスのような大型ロケットを使わなければ軌道に乗せられない。
だが現在米国の重要な宇宙資産を打ち上げするアトラスロケットにはロシアが供給したRD-180ロケットが使われる。2014年にロシアがクリミア半島を併合すると米国が報復し、ロシアがこれに反発してロケットエンジン供給中断をほのめかしたりもした。
米国はスペースXやブルーオリジンのような民間宇宙企業のロケットに期待をかけているが、まだ大型衛星打ち上げはロシア製ロケットを装備するアトラスロケットで行われている。米国政府は有事の際に衛星能力を素早く回復するための方法として複数の小型衛星に機能を分散する方法を選んだ。
◇米国の関心は破壊後の回復力
小型衛星ならばアトラスロケットより小さな搭載量のロケットでも打ち上げが可能だ。スペースXはファルコン9ロケットに重量227キログラムのスターリンク衛星60基を搭載して打ち上げたことがある。
4月には米宇宙軍が44基の技術実証用衛星打ち上げ事業者としてVOXスペースを選定した。VOXスペースはボーイングB747機から投下され宇宙に飛んで行くランチャーワンというロケットを使う。
米国政府の柔軟な政策と決定のおかげで米国の民間宇宙企業は良い機会を得た。多くの打ち上げ機会は打ち上げコスト削減をもたらすが、政府事業受注とともに世界の宇宙打ち上げ市場で価格競争力まで備えることになったのだ。
韓国も軍事目的の衛星使用が増加しているが、運用が妨害される場合にどのように対処するのか対策が必要だ。
チェ・ヒョンホ/軍事コラムニスト、ミリドム代表
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